Nov 14, 2017

造り手紹介2017 28 テスタロンガ

お次は去年から密かに取り扱いが始まったテスタロンガです!
当主ニーノと姪っ子で跡継ぎでもあるエリカが来日します。
彼らのワイン、ロッセーゼ ディ ドルチェアックアを始めて飲んだのは、5-6年前にカーサ コステ ピアーネを訪ねた時だと記憶しています。
それほどワインに集中できる状況ではなかったですし、特に押し出しが強いワインでもないのですが、妙に心に残るワインでした。
2013年夏に家族でイタリアに行った際にダニエーレ ピッチニンとヴェローナの町を観光していた時、こんなお店が出来たんだよと連れていかれた所は、まさしくスーパーなスーパーマーケットだったのですが、そこでテスタロンガのワインを発見、棚にあった全てを買っちゃいました。
そして改めて試飲してみたところ、もう偉大としか言いようがない…。
キュートなのですが媚びることなく、派手ではないのですが奥行が物凄くあるワイン…。
取引云々にかかわらず、この造り手とは絶対に知り合わねばと即思ったのですが、いかんせんドルチェアックアはフランスとの国境近くとなかなか旅程に組み込みづらい場所で、結局3年後の2016年春に初めて訪問します。
ドルチェアックアは古い街並みが今に残る小さな町で、彼らのセラーも町の中にあります。
そのセラーのコンパクトなことと言ったら…間違いなくヴィナイオータが取引する造り手の中でもっとも最小セラーで、500リットル程度のサイズの樽が7-8つと古い圧搾機とテーブルがあるだけ…。
どうやって醸造するのかと聞くと、醸造期間中は樽を立てにして醗酵槽として利用するそうで、そこに足で潰したブドウを入れ(除梗しません!)、約20日間の醗酵、圧搾後に横にした樽に入れ、翌年8月に無濾過でボトリングし、樽は再び縦に置かれて次の収穫を待つという…言うなれば、ちゃぶ台置いたらダイニングルーム、ちゃぶ台片づけて布団を敷いたら寝室…という日本の畳の部屋並みに機能性のあるセラーでした。
そのシンプルな設備から生み出されるワインの美味しい事と言ったら…1973年のロッセーゼまで飲ませてくれたのですが…最高!

ニーノ曰く、ロッセーゼはネッビオーロのようにタンニンがない分、早くから楽しめるのだけど、熟成のポテンシャルも持ち合わせる稀有なブドウだそう。
ヴェルメンティーノで造る白も滅茶苦茶美味しいし、なかには樹齢1000年(!)を超える樹もあるというオリーヴで作るオイルがこれまた絶品で…。
ヴェルメンティーノも当然のことながら皮ごと醸しておりますので濃い色を呈していますし、オイルはノンフィルターでボトリングしているのでゴン濁り、きっとその濃い色や濁りが原因でクレームもあったのだと思います。だから今は透明のビンを使っています(笑)。
畑も小さなテラス状となっていて、アルベレッロ仕立て、ものによっては樹齢100年超、全ての作業を手で行い、農薬としては硫黄だけを使用しているとの事。

ニーノは1961年からワインを造る両親の手伝いを始め、以降ワイン一筋(オリーヴオイル少々)で生きてきたそう。
ワインの総生産本数が5000本程度だと聞くと、僕などはとても生活が成り立たないのではと勘ぐってしまうのですが、他の職業に就いたことはないとの事。
トラクターやありとあらゆる醸造用機械を持たず…言い換えるなら必要最小限のエネルギー消費でボトルにまでワインを持ち込めていて、なおかつ圧倒的な個性、味わいが存在する…まさにカーゼ コリーニが理想とする究極のナチュラルワイン像を体現した造り手と言えるかと!!
こんな無名の(=知る人ぞ知る)偉大な造り手がまだ出てくるという事に、イタリアという国の底知れない力を感じてしまうのは僕だけでしょうか?
今年リリースされる2016年ヴィンテージは少し多めに分けてもらえそうですので楽しみに待っていてくださいね!
でオッティマーナですが、エリカにまだ小さな子供がいる関係で東京のみの参加となります。
会場では2015年ヴィンテージをご用意しております!!

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