Nov 15, 2017

造り手紹介2017 30 イル ヴェイ

前回のオッティマーナに参加した造り手の中で、最も無名というか、他の造り手たちとの接点や親交が全くなかった造り手といえば、イル ヴェイ。
ご近所さんのアルベルト アングイッソラでさえその存在を知らず、僕が紹介したくらいなんです。
今回もサヴィーノ&アンナ夫婦とアニメ&ゲーム大好きな愛息リッカルドが来日します。

前回のツアー中、他の造り手たちにイル ヴェイのワインを飲んでもらった後に蔵出し価格を伝えたのですが、皆の「なんて(激安な)値段付けちゃってんの!」という表情を僕は一生忘れないと思います(笑)。

ラ カステッラーダのニーコは、「値段が値段だからそんな風には考えないのかもしれないけど、どうしてなかなか、ちゃんと熟成に耐えうるポテンシャルも持ち合わせていると思うよ。」と言っていましたし、パオロ ヴォドピーヴェッツは「正直さ、誠実さ、謙虚さ、清廉潔白さ…、サヴィーノは大地に向き合う農民が持つべき全ての美徳を備えた人物だね。」とサヴィーノの人間性を激賞していました。

イル ヴェイは近くのお城で年一回開かれるオーガニック食品やエコ商品などのサロン以外の催しには一切参加せず、生産するワインの大半が量り売りで、そして残った分だけをボトリングし販売するという今時とても珍しい販売形態を採用しています。

もしも皆さんがダミジャーナ(約50リットルの大瓶)を抱えてイル ヴェイを訪ねて計り買い(?)をしたのなら、その価格の安さに開いた口が塞がらないくらい驚愕していただけると思います。
造り手からしてみたら、ボトル、ラベル、コルク、キャップそして箱などボトル販売する際に初期投資なく販売できるわけですし、バルブを開閉するだけでミッションクリアできる量り売りの方が圧倒的に手間要らずですので、安価で提供することができるのです。

逆にボトリングした時には、前述のマテリアル代以外に手間賃もかかりますし、彼らのワインのように廉価なものであればあるほど、中身(ワイン)以外の部分にかかるコストへのウエイトが高くなってしまいます。
とはいえ、それでもあんな価格で出せるワインなんです…凄くないですか?
有難いことに、その圧倒的コストパフォーマンスが知れ渡るようになり、びっくりするような本数のワインが入荷と同時に弊社倉庫から旅立っていきます。
カジュアルな価格帯のワインなので、できるだけ在庫を切らさずにして通年扱えるようになるのが理想的なのですが、それを実現するためには、ワイナリーを買収するくらいのことをしないとどうにもなりません(笑)。
買収は冗談ですが、最近では量り売りの量を減らし、かなり割合をヴィナイオータに回してくれているのにこんな状況なんです…。

「ワインは食事とは切り離して考えることができない…つまり極々普通、普遍、日常的に楽しむべきもの。真っ当なワインをより多くの人に気軽に手に取ってもらえる価格で…我々のワインはかくありたい…。」なんていう想いが彼らのワインには込められているのかと。

そんな彼らの気持ちには感謝しつつ、でも極端に有難がらずに、そして難しいことなど考えずに楽しんでいただくのが彼らのワインの正しい飲みかたなのかなぁと思ってみたり…。
凄い変なこと言うかもしれませんが、彼らの造るウルトラコスパワイン、ヴァル ティドーネビアンコ&ロッソなどは、ワイングラスさえも使わずにコップで提供するようなシチュエーションの中で使ってもらえるようになったら、ワイン界の裾野がまた大きく拡がるような気がするのは僕だけでしょうか?

オータは、サヴィーノ&アンナ的今回の旅の主眼と言えば…息子リッカルドに覚悟を決めさせることなのではないかと踏んでおります。文化伝統を守り継承することができ、多くの人にハッピーを提供できる彼らの仕事の素晴らしさをリッカルドに完膚なきまでに理解させたいのかと…。
というわけですので、皆さんからも「お前が継がなきゃ、俺たち飲みっぱぐれるかもしれないんだぜ!!それ分かってる???」って感じでリッカルドを叱咤激励してあげてください(笑)。

(さらに詳しくはこちらもご覧ください!)

造り手からのオッティマーナ感想文 その4 イル ヴェイ

造り手紹介 イル ヴェイ

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