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2020-09-08

ヴィナイオータ かわら版 ~五月女編 その弐~

五月女の“飲んでもらいたい”ワイン紹介!!

トッレファヴァーレ2016年(Cantine dell’Angelo)

2回目のかわら版となりました。

「だだ商店 だだ食堂」の店舗スタッフ 五月女(ソウトメ)です。

週に何度も足を運んでいただくお客様も増え、販売している食品・ワイン・お惣菜の感想などをお話しくださることへの嬉しさ、初めてのご来店、弊社のことをご存じないお客様にヴィナイオータという会社・お店・扱っている商品の想いを伝える大事さなどを日々感じています。生産者さんの元を訪ね直接見聞きすることもとても貴重な機会ですし、直接お会いできなくとも今はSNSなどで発信される想いを受け取ることもできる良い時代です。

きちんと向き合い、かみ砕いて、魅力をお客様にお伝えしていけるようもっともっと頑張ります!

今回、飲んでもらいたいワインは「カンティーネ デッランジェロ」の「トッレファヴァーレ」です。

このワインが造られるカンパーニア州アヴェッリーノ県のトゥーフォという場所は元々イタリア最大の硫黄鉱山があった土地で、鉱山は既に閉鎖されていますが、あちこちに硫黄がころがっているという…。造り手アンジェロ・ムート氏のインスタグラムにも敷地?庭先にも硫黄らしき薄黄色?薄緑の岩が転がっていましたし、ワインのイベント出店風景などでもこの特徴ある土壌を表現したディスプレイとともにワインを紹介されています。どことなく愛嬌のあるお顔立ちのムート氏。手のひらが大きくて(笑)強くて、賢くて、面白い方だと。アクティブにお仲間と自分たちのワインをアピールなさっているようです。

インスタグラム:https://www.instagram.com/aziendaagricoladellangelo/
#cantinedellangelo #torrefavale

現在カンティーネ デッランジェロのワイン2種類を扱っており、鉱山・採掘所を意味する「ミニエーレ」とこの区画からえげつない(byオータ社長)斜度の坂道を上った、標高600mの急斜面にある1ha弱の区画の名前が「トッレファヴァーレ」。1860年代から約120年もの間稼働していた硫黄採掘所だった場所の真上に畑があるということで、トッレファヴァーレのボトルに描かれている風景画の中心にあるクラシカルな建造物が硫黄鉱山だった旧Miniere di Zolfo。その右上に色濃く描かれている場所がムート氏の畑。ここには1700年代からグレーコが植えられていたことが文書としても残っているそうです。栽培するブドウは伝統品種であるグレーコ種のみ。区画の一部には、伝統的な仕立てであるラッジエラ アヴェリッネーゼの高樹齢のブドウ樹も…。ムート氏のおじいさんの代からその土地にあったグレーコ種を育て、目と手で選別し伝統的な製法で、特徴ある土壌からの賜物である色と香りを大事にしたワインです。

(※初回入荷時のメルマガでご案内した文章も是非ご覧ください。 https://vinaiota.com/blog/4964 )

プンッと独特な香りがあるものの果実感があって、開栓してから時間が経つにつれて雰囲気は柔らかくなるのにしっかりさを感じます。日々、味見をしながらお好みの飲み頃を見つけて変化を楽しんでいただけるような気がします。グラスで提供をなさるのにも適しているかと。

今回このワインを選びご紹介したのはグレーコ種のブドウには少し思い出があったので、ブドウの種類でチョイスし飲んでみたいなと思ったワインでした。

25年ほど前、アルバイトをしていた輸入子供服屋の出張。ピッティという展示会でフィレンツェに行ったのが私の初イタリアでした。とにかく言葉も通じないだろうし…ともかく旅程は自分が組むことに。「オーナーの奥さんが日本人なので、言葉に不安があっても安心」というガイドブックのコメントを見てとある小さなホテルを選びました。そこに泊まって、本当にオーナー夫妻に親身に親切にしてもらったおかげで不安も吹っ飛び、フィレンツェという街が大好きになりました。そしてイタリアの人たちの陽気さや食文化も大好きに。それから数年間は毎年11月に友人の誕生日を過ごすフィレンツェ旅を決行していました。

南イタリアの出身だったそのホテルのオーナーが必ず飲ませてくれたのがグレーコ ディトゥーフォでした。フィレンツェなのに魚中心のリストランテ(カメリエーレも南イタリア出身)で必ずこれだよねー!という感じで自分たちの故郷エリアのワインだから愛着があったんですね。きっと。そして毎回必ずお土産にグレーコ ディ トゥーフォを持たせてくれるので、日本に帰ってきてから旅を思い出しつつ飲んでいました。

ある時の滞在日記?メモを読むと…

白身魚のタリアテッレ、小タコのパスタ、鯛の塩蒸し焼き ポテト添え、

魚のフライ、リンゴのタルト、白ワイン2本(グレーコ ディ トゥーフォ、リビエラの白)、スプマンテ。帰りのもう一軒バールで グラッパ×3

という記述が…。よく食べよく飲んでいることに変わりなし!!!

このかわら版を書くにあたり、20数年前のことなのに風景やにおいまで思い出すような。旅の飲み食い記録や電車バス美術館などに使った金額(もちろんリラ!)を書いたメモやノートや切符などいろいろ引っ張り出して脳内イタリア旅行を楽しみました。そして数日前にはエピソードにも出てくる11月生まれの友人とトッレファヴァーレを一緒に飲みましたが「ブドウの品種なんて覚えてなかったー!!!(笑)よく覚えてるね。」と。きっとその晩に飲んだワインも忘れてるなー(涙)

こんなエピソードではございますが、飲むきっかけになってくださったら嬉しいです。

≪五月女の飲んでもらいたいワイン紹介≫
銘柄:Torrefavale 2016 / トッレファヴァーレ2016
造り手:Cantine dell’Angelo / カンティーネ デッランジェロ
地域:伊 カンパーニャ州
ブドウ:グレーコ100%  D.O.P.(D.O.C.G.)
希望小売価格(税抜) :3,900円

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