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2021-12-13

造り手紹介 Nicolini / ニコリーニ

造り手:Nicolini / ニコリーニ
人:Giorgio Nicolini, Rossana Nicolini, Eugenio Nicolini / ジョルジョ ニコリーニ、ロッサーナ ニコリーニ、エウジェーニオ ニコリーニ
産地(州):フリウリ ヴェネツィア ジューリア
ワイン:Ambrosia, Eugenio, Malvasia, Malvasia in Rovere, Vitovska, Rosso Nicolini, Borgogna, Piccola Nera, Refosco
所在地:Località Fontanella 26/A – 834015 Muggia | TS – Italia <map
Web:http://www.nicolinitrieste.com/

フリウリの東南部、トリエステから南に15km、イストリア半島北部のスロヴェニアとの国境の港町ムッジャは紀元前8世紀ごろには砦(要塞化された村)が作られ、その後も西ローマ帝国をはじめ様々な民族や国家の干渉を受け、統治されてきました。1420年にヴェネツィア共和国の一部となり、1797年のヴェネツィア滅亡後、オーストリア帝国の統治下に入り第二次世界大戦後まで海軍造船業の重要な拠点として繁栄しました。

ニコリーニは、そんなムッジャの港から続く急な坂道を上がった高台の住宅街にある小さな家族経営のワイナリーで、彼らの畑も街を見下ろす丘の上に位置しています。イストリア半島のほとんどの地域と同じく、貝殻などの海洋堆積物が豊富な肥沃な粘土質と砂岩が混じった土壌からなる畑は約2ヘクタールの広さで(家族のための菜園が0.5ヘクタール、ブドウが1.5ヘクタール)、化学的な農薬に頼らない形で栽培を行っています。ブドウの平均樹齢は25年でこの地域の気候や土地をより表現できるのは伝統的な土着品種であるという考えから、数本残っていた樹齢100年を超えるブドウ樹から株分けし、単一で醸造をできるまでに徐々に収穫量を増やしてきました。コンパクトなセラーで使用される二酸化硫黄は最低限のみで、伝統的かつシンプルな仕込みを心掛けています。

ムッジャは、ハムやチーズをつまみながらワインを楽しむ、オスミツァと呼ばれる農家が営む居酒屋が近年まで地域の伝統として残っていた場所で、ニコリーニも古くから豚を飼いハムを仕込み自らのオスミツァで供していました。1918年頃からオスミツァ用のワインの生産を始め70年ほど続けてきましたが、1990年より自家ボトリングをはじめたことからオスミツァの営業は限定的なものになり、今は営業を止め、全てのワインをボトリングし販売しています。また一族の歴史を語る上で欠かすことのできないグラッパ造りは、小型の直火式蒸留機で自らのヴィナッチャを使用して行われ、ビアンコ(透明)とリゼルヴァの2タイプが生産されています。

当主のジョルジョと妻ロッサーナ、息子エウジェーニオの3人によって年間約10000本をボトリングしています。

 

<ワインラインナップ>

 

●Ambrosia(アンブロージア)
品種:マルヴァジーア主体、名もない土着品種が合計で数%

アンブロージアは、スロヴェニア側に所有する区画のブドウで造られるワイン。マルヴァジーア イストリアーナが主体で、名もない土着品種が合計で数%ほどブレンドされている。2007と2008ヴィンテージには木樽が使用されたが、現在はステンレスタンクで醗酵と熟成を行う(その樽は現在レフォスコを熟成させるのに使われている)。

 

 

●Eugenio(エウジェーニオ)
品種:モスカート ジャッロ イストリアーノ

モスカート ジャッロ イストリアーノ(イストリアの黄色いモスカート)から造られるエウジェーニオ。ギリシャが原産のモスカートで陸伝いでイストリアに伝わったと考えられる。イストリアは現在クロアチアとなった旧ユーゴスラビアの地名で、イタリア領であった時代もある。

海抜180mの畑からモスカート ジャッロ イストリアーノ(樹齢25年)を収穫、除梗後木製の開放醗酵槽に入れ、48~60時間のマセレーションとアルコール醗酵、大樽で8ヶ月醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。瓶内で1年間ほど熟成させてリリース。二酸化硫黄は移し替えのタイミングで極少量のみ添加。年間800本ほどをボトリング。

 

 

●Malvasia(マルヴァジーア)
品種:マルヴァジーア イストリアーナ

マルヴァジーア イストリアーナは、ギリシャのペロポネソス半島の小島モネンバシアが起源とされ、ギリシャから陸伝いにフリウリに伝播した、香り華やかなブドウ品種。1300年代にはフリウリの南部で広く栽培されるようになり、今ではヴェネト、エミリア ロマーニャ、サルデーニャ、トスカーナと様々な地域で栽培が行われている。

同じマルヴァジーアであっても、アロマティカ ディ カンディアはギリシャのクレタ島(昔の呼び名がカンディア)から海伝いにシチリアへ伝播したと考えられている。イストリアーナは、「イストリアの」又は「イストリア人」という意味で、現在クロアチアとなった旧ユーゴスラビアのイストリア半島の人々が好んだブドウとしてマルヴァジーア イストリアーナと名付けられた。

海抜180mの畑からマルヴァジーア イストリアーナ(樹齢30年)を収穫、除梗後木製の開放醗酵槽に入れ、36~48時間のマセレーションと野生酵母によるアルコール醗酵、ステンレスタンクで8ヶ月醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。瓶内で1年間ほど熟成させてリリース。二酸化硫黄は移し替えのタイミングで極少量のみ添加。年間1800本ほどをボトリング。

 

 

●Malvasia in Rovere(マルヴァジーア イン ローヴェレ)
品種:マルヴァジーア イストリアーナ

以前はAmbrosiaアンブロージアと呼ばれていたワインで、ノーマルのマルヴァジーアがステンレスタンクで熟成させるのに対して、イン ローヴェレはノーマルよりも樹齢の若いブドウを使い、大樽で熟成を行ったもの。

海抜180mの畑からマルヴァジーア イストリアーナを収穫し、除梗後木製の開放醗酵槽に入れ、48~60時間のマセレーションとアルコール醗酵、大樽で8~12ヶ月醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。瓶内で1年間ほど熟成させてリリース。二酸化硫黄は移し替えのタイミングで極少量のみ添加。年間800本ほどをボトリング。

 

●Vitovska(ヴィトフスカ)
品種:ヴィトフスカ

海抜180mの畑からヴィトフスカを収穫し、36~48時間野生酵母のみで皮ごと醸し醗酵させ、伝統的な手回しのプレス機で圧搾。大きなオーク樽に移し替え約8か月間熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

 

 

●Rosso Nicolini(ロッソ ニコリーニ)
品種:ボルゴーニャ ネーラ

「黒いブルゴーニュ」という意味のイストリア半島の土着品種の黒ブドウ ボルゴーニャ ネーラ。この地域に古くから植えられてきたブドウで、ナポレオンがこの地に持ち込んだという逸話も残され、現在ではクロアチアでも広く栽培されている。収穫したブドウを軽く潰しステンレスタンクにて48~72時間ほどマセレーションとアルコール醗酵を行い圧搾、ステンレスタンクにて醗酵の続きと熟成を8か月間行い少量の二酸化硫黄と共に瓶詰め、瓶内で1年間休ませリリースされる。

 

 

 

●Borgogna(ボルゴーニャ)
品種:ボルゴーニャ ネーラ

「黒いブルゴーニュ」という意味のイストリア半島の土着品種の黒ブドウ ボルゴーニャ ネーラ。DOCやIGTのカテゴリーの中では、ラベルにこのブドウ品種名を表示できないため、ボルゴーニャの名前でリリース。2013年以降はロッソ ニコリーニという名前に。

 

 

 

●Piccola Nera(ピッコラ ネーラ)
品種:ピッコラ ネーラ

ピッコラネーラは、「小さな黒(ブドウ)」という意味で、この地域でも絶滅寸前の土着品種で、ニコリーニも自分の畑に残っていた樹齢100年を超えるブドウ樹から株分けし量を増やしてきた。元々はネグラ テネーラ(柔らかな黒ブドウ)というこの地域の方言で呼ばれており、生食でも美味しいため食卓で愛されてきた歴史もある。十分な糖分があり結果的にアルコールという形でワインの味わいにリッチさを与えるため、レフォスコの酸味を抑えるためにブレンドされてきた一面もある。

海抜180mの畑からピッコラ ネーラ(樹齢15年)を収穫、除梗後木製の開放醗酵槽に入れ、48~72時間のマセレーションとアルコール醗酵、ステンレスタンクで8ヶ月醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。瓶内で1年間ほど熟成させてリリース。二酸化硫黄は移し替えのタイミングで極少量のみ添加。年間2000本ほどをボトリング。

 

 

 

●Refosco(レフォスコ)
品種:レフォスコ

レフォスコはムッジャを代表する黒ブドウ。海抜180mの畑から収穫し、アンブロージアで使用していた木樽を使い48~72時間野生酵母のみで皮ごと醸し醗酵させ、伝統的な手回しのプレス機で圧搾。約8か月間熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

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