【新入荷】2019年4月 その2(Possa、Nicolini、Monte Maletto、Bressan、Il Colle)
ごっつい造り手の来日ラッシュが肉体的な疲弊を、イチローの引退とわが心の師匠の音信不通が精神的な空虚感をもたらしている気がしてならないオータです。イチロー選手には、彼のプロ意識や仕事への取り組み方を通じて、オータは沢山の気づきを頂いたと思っております。引退会見で彼が話したこととオータの前回メルマガの内容が酷似していたことも、イチローチルドレンの1人としては光栄な限りです!あ、チルドレンと書きつつも、僕の方が年上だったりしますが(笑)。
それでは、新入荷案内に入らせていただきます!
まずはニコリーニ!2013ヴィンテージより造り手から直接買いつつも、膨大な本数のバックヴィンテージを所有するパルマの鬼グルメからも各個撃破的に買い付けているため、アイテムによってヴィンテージが古かったり新しかったり…。小規模な生産者なのにアイテム数も多く、ヴィンテージによって名前も変わっていたりと、混迷を極めております…。というわけで、改めまして全ラインナップを整理してご紹介させていただきます。
●マルヴァジーア:ニコリーニのフラッグシップ的ワイン。高樹齢のマルヴァジーア イストリアーナをステンレスタンクで醗酵&熟成。現在2010と2013を販売中ですが、どちらも60本ほどの在庫となっております!2010は香りも味わいも全開バリバリ、非常におとなしい性格だった2013も少し(かなり!)心を開いてくれた気がします。両ヴィンテージが終わり次第、2011と2014を販売開始します!リリース当初から偉大な雰囲気を漂わせつつも親しみやすさも持ち合わせていた2011と、1年を通して良い天候に恵まれることがなく2013以上に痩せた印象が2014にはあったのですが、久しぶりに開けてみたところ思いのほか開いていてビックリしました!2010&2013の60本を早く終わらせて、2011&2014をリリースさせてください!!!
●マルヴァジーア イン ローヴェレ:上記マルヴァジーアよりは樹齢の若い区画のブドウを使用し、オーク樽での醗酵&熟成を施したワイン。2014が終売しましたので、2015をリリースします。敢えて稚拙な表現をさせていただきますが、すっごい分かり易く美味しいです!!
●アンブロージア:長年、オータにとって謎だったこのワインの正体が分かりました!ニコリーニがスロヴェニア側に所有する区画のブドウで造る白ワインになります。マルヴァジーアが主体で、このあたりの名もない土着品種が合計で数%ほどブレンドされているそう。2007と2008ヴィンテージには木樽が使用されていますが、現在はステンレスタンクでの醗酵&熟成(その樽は現在レフォスコを熟成させるのに使われています)。2016が終売しましたので、2017をリリースします!2017は、ブドウの品質的にも収量的にもニコリーニにとって厳しいヴィンテージで、味わい的には2013に似ているかもしれません。
●エウジェーニオ:マルヴァジーア イストリアーナ同様に、陸伝いでフリウリにまで伝播してきたモスカート ディ イストリアが使用されているワイン(他の地域で栽培されているモスカートは、島伝いで伝播)。この地域に古くから植えられてきた土着品種なはずなのですが、カルソDOCとヴェネツィア ジューリアIGTどちらのカテゴリーにもその名を見つける事ができません…。それが意味することは、シャルドネやソーヴィニョンに比べたら遥かに伝統的で、その土地に根差してきたにもかかわらず、モスカート ディ イストリアと名乗って売ることができないという事なわけで…。そんなこんなで、今現在は愛息の名前エウジェーニオを冠しています。健康的なセクシーさを持ち合わせていた2016が終売しましたので、2017をリリースします!
●ヴィトフスカ:土壌特性がヴォドピーヴェッツのゾーンのそれとは若干異なるからなのか、ヴォドピーヴェッツのヴィトフスカに比べると、ほんの少しだけ外向的な印象がある気がします。ニコリーニ家的には、甲殻類の料理を食べる時は断然ヴィトフスカ!との事(お料理にトマトを使った際は、ピッコラ ネーラもお勧め!だそう)。2016が残り150本ほどとなっております!
●ロッソ ニコリーニないしボルゴーニャ:イストリア半島の土着品種で、ボルゴーニャ ネーラ(ブルゴーニュの黒ブドウの意)と呼ばれるブドウで造る、香り味わいともにジェントルで均整の取れたワイン。こちらの品種もDOC、IGTどちらのリストにも登場しないので、苦肉の策的に“ニコリーニの赤”と呼ぶことに…。2009が180本、2014が80本の在庫です!こちらも早く次ヴィンテージ出したいです…(涙)。
●ピッコラ ネーラ:“小さな黒(ブドウ)”を意味するピッコラ ネーラという品種で造られるワイン。熟しても皮の色が濃くならない事、そのシンプルで素直な味わいから、“小さい”ということなのかと。可愛らしい香りのなかにも、野生の果実にありがちなワイルドな香り(メントール的で、少々青臭い感じの…)もあり、ハムサラミ類からズッパ ディ ペッシェのようなお料理まで意外と汎用性の高いワインだったりします。2016を絶賛販売中です!
●レフォスコ:レフォスコは濃い色調と鋭い酸が特徴の、この地域を代表する黒ブドウ品種。ニコリーニに言わせると、この地域では白を寝かせることはあっても熟成した赤を飲む文化はなかったそうで、このレフォスコに関しても比較的若い時分に飲むことをお勧めされるのですが、オータはむしろ寝かせたほうが酸が他の要素との親和性が上がる気がしています。グーラッシュ、ロースト、野鳥のお料理などと最高!との事。2005、2006、2013を現行として販売しておりますが、それぞれ100本前後の在庫となっております!
チンクエテッレの希望の星、ハイディ ボナニーニのポッサからは、小さなトラクターを入れて作業することができる畑のヴェルメンティーノで造るカジュアル白エルジャンクゥと、ボナミーコとモスカート ロッソで造るロゼ、ロゼダムールの2017を、そしてポッサのフラッグシップ的ワインであるチンクエテッレとカナイオーロ&ボナミーコで造る赤ワイン、ウ ネイグルの2015をリリースさせていただきます。
2015年あたりから全ワインを酸化防止剤完全無添加で醸造、ボトリングするようになったと記憶しているのですが、年を追うごとにワインの飲み心地は確実に増している気がします。チンクエテッレ2015は、もう良い感じで開いていますし、ウ ネイグル2015はフランクのかつてのコンタディーノを思わせるようなやんちゃな雰囲気もありと、かなり楽しいことになっております。
ピエモンテ州のヴァッレダオスタ州との州境にあるカレーマでは、急峻な斜面にある段々畑でヴァルテッリーナから伝播してきたと考えられているネッビオーロが栽培されています。チンクエテッレ並みの作業効率の悪さと後継者問題などが起因して栽培放棄が進む状況を嘆き、自らブドウを育てワインを醸すことにしたジャンマルコ ヴィアーノが立ち上げたワイナリーがモンテ マレットになります。
そんなモンテ マレットが造る白ワイン、エルバルーチェ ディ カルーソの2017ヴィンテージが届きました!2015、2016年に仕込んだワインに関しては、恐怖心に負けて培養酵母を添加して醗酵させましたが、2017年は野生酵母のみで醗酵を行わせました。樽醗酵、樽熟成。2017年が酷暑の年だったこともあり、エルバルーチェとは思えないほどに果実味の押し出しがあるワインです。ネッビオーロで造るバッティト デル マレット2015もよろしくお願いします!
見た目も厳ついし、言動もまあまあ攻撃的なので誤解されることの多いフルヴィオ ブレッサンですが、オータは彼から電話がかかってくると「よう、フェイク熊!」と挨拶するのですが、今のところ怒られたことはありません(笑)。オータは、恐ろしい表情をした熊の仮面をかぶっているだけの、驚くほど知的で心優しい人がいることが分かっているからこう呼ぶわけで、そのことをフルヴィオもちゃんと理解してくれているのかと。
そんなブレッサンとの取引も早5年になるんですね…。5年の間に少しは認知されたような気もしますが、彼らのワインが持つ力を考えたら、もっともっと飲まれて然るべき…。ラディコンのワインはまさしく飛ぶような勢いで動くのに対し、ブレッサンのワインがテンション、クオリティ面でラディコンに劣っているわけでもなく…。ヴィナイオータの力不足さ加減を痛感せずにはいられません。とはいえ、ワインに魂がこもっていて、造り手と売り手(ヴィナイオータ)が弛むことなく情熱、執念、忍耐を以て事にあたれば、どんな大きさの風穴も開けられると信じています!!ブレッサンの赤ワインは、すでにどのワインも圧倒的なテンションを持ち合わせていると思いますし、白に関してはヴィンテージを追うごとに軽さが備わってきている気がします。
そんなブレッサンの赤のトップキュヴェ、ピニョーロで造るピニョール2001がようやく終売しました(足かけ5年!!!)ので、2003をリリースします!堅牢な印象の2001に比べると、2003はフレンドリーです。もちろんちゃんとすっごい渋いですが(笑)。
イル コッレのブルネッロ ディ モンタルチーノの2011が終売しましたので、2012をリリースします!当主カテリーナ的には、近年で最もテンションの高いヴィンテージが2012だそうです。マッチョな2011に対して、しなやかさと強さを持ち合わせているのが2012なのかと!
(本ブログ掲載時には完売しているアイテムもございます。予めご了承ください。)
文:太田久人
160 207 210 212 221 nuovo19.04.09
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