【新入荷】2019年10月 その3(Bressan、La Calabretta、De Bartoli、Longariva、Stefano Legnani、Luigi Tecce)
帰国してまだ一ヶ月程度しか経っていないのですが、またイタリアに行ってきます!今回はウンブリア、トスカーナ、リグーリア、エミーリアロマーニャ、ヴェネト州を巡ってきます。旅の後半には、ちょっとしたお楽しみもあったりするので、苦しくも楽しいことは約束されていたりするのですが…実はオータのツアーはこれで終わらないんです!なんと帰国後中2日でオーストラリアに、そしてオーストラリアから帰国して3日後には造り手が来日(詳細は近々!)し、1週間ほど日本国内をプラプラと…。つまり、ほっと一息つけるのは、師走に入ってから…そう考えるとくらくらしてしまいますが、自ら蒔いた種(スケジュール)ですので、体調面に細心の注意を払って、この殺人的スケジュールを乗り切っていきたいと思います!
皆さん的には、オータは頻繁にイタリアに行っているなぁという印象をお持ちかも知れません。ですが、取引先も90軒くらいにまで増えてしまった今現在、かつて年に2度必ず訪ねていた、オータに多大なる影響を与えた造り手たちを1年にいちど訪問することでさえ難しい状況に…。前回も書きましたが、人生もワイン造りも振り切っている彼らと過ごす時間は、僕にとってはかけがえのない気付きの場で、その機会が減ることは、取りも直さずインプットの減少を意味しており…。そうならないように、しっかり時間を捻出していかなければいけないわけですが、他者に還元(アウトプット)して初めてインプットは何らかの価値を持つはず。そしてインプットをアウトプットへと変換するためには、自身の感情・感覚を整理し、考え、様々な本を読んだりしたうえで、言語化(文章化)する必要があり、これらを実現するためにも当然のことながら時間が必要…。オータ、齢48を前にようやくそんなことが意識できるところにまで至りました。というわけで、徐々にではありますが、オータはオータの働き方改革に着手していきたいと思います!結果や効果が出てきたなと実感できた段階で詳細はご報告しますね。
それでは、10月最後の新入荷案内行きま~す!!
文化、伝統、芸術を愛してやまないフルヴィオ ブレッサンの家の敷地には、フリウリのさる貴族の邸宅に使われていた大理石の柱や床石ですとか、フリウリのとあるお城の牢屋の鉄格子、タイル、木製扉、鋳鉄製のストーブなど、ありとあらゆる古いものがそこかしこにありまして、それらを現在の住まいの道向かいにあるブレッサン家の旧家を改装&改築するのに利用しています。一部完成しているのですが、その微に入り細に入りのこだわりぶりたるや恐ろしいものがありますし、膨大な時間やエネルギーをかけ、考えに考えを重ねて作られたことが容易に想像できる佇まいにただただ唖然とできる空間だったりします。
「使えるものを捨てるなんて、愚の骨頂だし、それらには歴史が刻み込まれているんだよ。俺にとってそういったものを再利用することは、フリウリの偉大な文化、伝統に対するオマージュに他ならない。」
フルヴィオにとっては、ワインも文化、伝統、芸術を表現するためのひとつの手法なのだと思います。納得できない品質のブドウを、セカンドラインのワインに使うどころか収穫さえせずに畑に放置するというのは、彼のアーティストとしての矜持の表れなのかと。
そんなブレッサンから、欠品していたワインの新ヴィンテージとスペシャルすぎるワインがひとつ届いています。詳細は以下の通りです。
●カラット2015:リボッラ、フリウラーノ、マルヴァジーアという伝統的なセパージュで造られる白。2013年以上に外向的ですし、気難しいところのないワインです。
●グリージョ イン グリージョ2014:ピノグリージョを約半年間に渡ってマセレーションさせたワイン。前ヴィンテージである2006年(!!)は、リリース当初ヴァンジョーヌを思わせる産膜酵母由来の香りが強すぎて、なかなか気難しいワインでした(今サイコーです!)が、今回の2014年はそれっぽいニュアンスが少々あるものの、果実味も豊かですでに抜群の飲み心地が!!
●ローザンティーコ2015:モスカートローザで造るロゼワイン。香りのキュートさは2011年を、味わいの切れは2012年を髣髴とさせるものがあります。
●N°3(ヌーメロ トレ)2013:同区画に植わるカベルネソーヴィニョン、ピノネーロ、スキオペッティーノを混醸したワイン。国籍(ブドウ品種)不肖な雰囲気漂うミステリアスなワイン。近年満足のいく収量が得られない年が続いており、今回も120本のみの入荷となります!
●ピニョル1997ネレオ:ブレッサン、グラヴネル、ラディコンをして、フリウリの赤の土着品種で最も高いポテンシャルを持つという品種、ピニョーロで造るワイン。フルヴィオのお父さんネレオの名前を冠したこのワイン、あまりにも素晴らしい年だった1997年のワインの一部をボトリングせずに21年(!!!!)もの間、樽熟成を施したスペシャルキュベになります。価格もスペシャルすぎる(この価格でもウルトラ薄利なんです…汗)!
絶賛販売中のヴェルドゥッツォ2013、ピノグリージョ2013、スキオッペッティーノ2011、ピノネーロ2010、ピニョル2003のどれもステキに味が開いておりますので、こちらも是非お願いします!!
エトナのラ カラブレッタからは、カラカラ ビアンコ2018&ロッソ、カリカンテ2018、ロザート2018が届いております。カラカラ ビアンコは、2017年のようなマッチョなワイン(この価格帯のワインで、アルコール度数が15%を超えるのは非常に稀かと…)ではなく、極々普通な味わい(笑)。複数ヴィンテージのネレッロをブレンドして造るカラカラ ロッソ、今回入荷したロットのブレンド比率を当主マッシミリアーノの聞いてみたのですが、2018年のネレッロが約60%で、残り40%が2005年,2008年,2012年,2013年,2014年,2016年のブレンドというざっくりした回答が(笑)。若いヴィンテージのワインが張りを、熟成したワインが品をもたらしています。この価格帯ではなかなか体験できない雰囲気を持ったワインです。カリカンテは北のワインと見紛うばかりの切れのある酸が、そしてロザートはサクサク飲めちゃいます!
ネレッロカップッチョ2012やピエーデフランコ2014のような、弊社の努力足らずであまり動かない(涙)ワインたちも、ビンの中で素敵にこなれてきております!こちらも是非!!
先日デ バルトリを3年ぶりに訪問したのですが、混沌としていた膨大な量のヴェッキオサンペーリとマルサーラの眠るセラーが、すっきり&キッチリと整理されていました。すでに敷かれていた道をなんとなく進んでいたところから、自分たちの立ち位置、置かれている状況ややるべきことがより明確になったのだろうという印象を、オータはその整理ぶりの中に見出しました!! 以前に比べたら、マルサーラもヴェッキオサンペーリも普通に動くようになったとの事。オータはもちろんですが、天国のマルコもさぞや喜んでいる事かと!!そんなデ バルトリからは、欠品していましたワインがいろいろ再入荷しております!
パッシートの可能性を探るべく、通常のブックラムよりも長い樽熟成を施したワインを造ることにしたマルコ、一部の樽のワインをボトリングすることなく更に追熟させることにします。約10年の樽熟成を経てボトリングされたブックラム2000は、イタリアが誇る最強のデザートワインのひとつだと、オータは思っているのですが、その価格もあってか売れ行きは世界的にもいまひとつ…。今やヴィナイオータの十八番とも言える“残っているの全部買うから、ちょっと安くして!”をこのワインでもやることにしまして、約3割価格をお下げすることができました!値下げ後もそれなりの価格にはなりますが、ワインの中には壮大なストーリーが展開していますので、一度飲んでいただければご納得頂けるかと!実は…パンテッレリーアのセラーには、樽で熟成中の1998年ですとか、2001年とかが意味の分からない量で残っていたりします。そのお味たるや…ほんの少しお酢を垂らせば、極上のバルサミコ(ワインの賛辞としてこの表現が適当かどうかは疑問ですが…(笑))!樽で20年以上熟成させたパッシートとか皆さんも飲んでみたくありませんか??デ バルトリをボトリングに踏み切らせる唯一の方法は…今回のブックラム2000をデ バルトリから買い切る(そしてできれば売り切る!)ことなのです!皆さんの清き一本を!!
赤タマネギ色のアイツ、ヴィナイオータ創業当初からの取り扱いワイン、ロンガリーヴァのグラミネの2017年が入荷です!ガラスなどの原料価格の高騰により蔵出し価格は上がっているのですが、関税撤廃のおかげで弊社価格は少々お下げすることができました!
<新ヴィンテージリリース>
リリース当初から素直な味わいだったという事もあり、凄い本数が短期間で動いたステーファノ レニャーニのバンブーロード2016が終売しましたので、2017年をリリースします。甘くさえ感じるほどに濃密だった2016年と比べるとシュッとした印象ですが、2017年もなかなかにリッチですし、どこぞのCMでいうところの“すぐ美味しい、凄く美味しい”ってやつです。兄貴分のポンテ ディ トイ2015とマルヴァジーア ロッサで造った不思議ちゃんワイン、ペル ジーノ2013共々よろしくお願いします!
オータの中ではタウラージのカッペッラーノ的存在、ルイージ テッチェのタウラージ ポリフェーモ2011がやっと(涙)終売しましたので、2012年をリリースします。2011年ほどの尊大さというか、他者を寄せ付けない孤高感はないものの、そこはやはりルイージのワイン、しっかりツンデレです(笑)。今飲んでももちろん問題ありませんが、すっごい寝かせたら大変なことになるのでは?とオータは思うのでした…。来年には皆さんにご報告&ご紹介できると思うのですが、ヴィナイオータ、またいい仕事しちゃいました!こちらも楽しみにしていてくださいね!
文:太田久人
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