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2011-03-22

義捐ワイン もう1つの良心の参加!

さっきイタリアから凄いお知らせが届きました。

 まずは彼と僕の関わりのきっかけのお話しをしないと。
 1998年、3年間のダダ飲みイタリア生活に終止符を打ち、自分でワインの輸入を始めようと決心しました。
 が、この業界での経験が全くない(そりゃそうですよね、社会人経験ゼロでしたから・・・)僕、どのように輸入業務を進めて良いのかを全く知りませんでした。

 コンテナーにどんなサイズがあるか、
 そこに何本入るか、
 大体のコスト、
 各造り手のところにワインのピックアップを指示する方法、
 船旅にどれくらいかかるか、
 そして日本での諸々の手続き、事務処理など等・・・

 誰に聞いたのか全く覚えていないのですが、イタリアで一番信用のおける、ワインの扱いに慣れている輸送会社はどこかと聞いた時に、最初に挙がってきたのがDanzas(現DHLグローバルフォワーディング)という会社で、そこにはGiorgioGori(ジョルジョ・ゴーリ、以下G.Gori)というワインに特化した会社があるという・・・。

 うちの親父の数少ない名言に、”分からなければ、馬鹿になって訊け”というのがありまして、G.Gori社にこんな感じでいきなり電話してみました。
 ”すいません、オータっていう日本人なんですけど、今度ワインの輸入を始めようと思ってるんですが、なんせどうやって進めて良いのか全く分からないんで、近々そっち行くんで話を聞いてもらえませんか?”
 で、数日後本当にトスカーナ州はリヴォルノの本社まで訪ねに行きました。
 よほど面白い奴だと思われたのか、そこで相手してくれたのは、ゼネラルマネージャー(社長?ともかく最高責任者)のRiccardoPazzagliaリッカルド・パッツァリアさん、大将自らホワイトボードに書き書き丁寧に説明してくれました。意気投合したからなのか、ミーティング後もご飯ご馳走してくれたり、ピサ観光に連れて行ってくれたりで本当によくしてもらいました。
 で僕はというと、他の運送会社から見積もりなども一切取らず、彼らと仕事をすることにしました。
 イタリア人に僕達が抱くイメージからは遥かにかけ離れた、彼らの迅速で正確な仕事振りが大好きで今日現在まで気持ちよく仕事させてもらってきました。
 こういう仕事を13年も続けていると、弱小のヴィナイオータにも時々他の輸送会社から営業の電話があるのですが、まともに話を聞いたことは一度もありません。
 それからリッカルドと直接コンタクト取る事はなくなったのですが(普段の業務には当然のことながら彼の部下が当たるので)、ヴィニータリー(イタリアのヴェローナで行われる、世界で2番目に大きなワインの見本市)には彼らもブースを出しているので、リッカルドに挨拶がてらそこに行って、コーヒーをご馳走になりつついろいろな話をするのですが、
 ”ヒサトさん、動かすコンテナーの数がどんどん増えてるよね、頑張ってるじゃん!!”
 て感じで声をかけてくれ・・・僕の状況とかを大将がちゃんと知っているんですよね。
 大手に比べたら、けし粒ほどの量(質は凄いことになってますが!)のワインしか動かしてないのにもかかわらず・・・。
 
 で、震災後、彼の部下からメールが来て、僕がリクエストしていた次のコンテナーの準備を、震災の影響もあるかもしれないと考えて、遅らすべきかどうかを訊ねる内容のものでした。なんて細やかな気配り!
 ”お気遣いありがとう。でも日本は経済立国だし、前に進むためにもモノが必要なので、準備でき次第出しちゃってください。”
 という由のメールを書いたところ、リッカルドから直接メールが届き、
 “お前が無事で、そしてもうすでにコンテナーを動かそうとしていると聞いて嬉しいし、日本という偉大な国の早い再起を願っているよ。俺にできることがあったら、何でも言ってくれ”
と書いてきているではありませんか。

 ならばと早速、
 “実は今、取引のある造り手たちにお願いして、被災地への寄付金に充てる為にワインをただでもらっているんだけど、かくかくしかじか…、もし本気でそう言ってくれているのならリッカルド、お前も今回の輪に参加してくれないかな?具体的に言うと…、集める義捐ワイン分くらいコンテナー代まけて!”
と厚かましくもお願いしたところ、
 “喜んでお前のプロジェクトに参加させてもらうよ。義捐ワイン分とかややこしいから、次回のお前のコンテナー代はタダにしておくから。”
 くー、リッカルドかっちょ良いぞ。

 これで、
 うちの造り手達‐輸送会社G.Gori‐ヴィナイオータ‐そしてヴィナイオータのお客様‐そして場合によってはレストランさんを挟み、最終的な飲み手へと繋がる、
 良心の輪がさらに大きくなりました!

 子供と一緒に寝落ちしてしまって朝4時半からの仕事再開ですが、頑張って造り手紹介していくぞ!!

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