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2021-03-12

【新入荷】2021年3月その2 (Daniele Piccinin, Bressan, Massa Vecchia, Aia Vecchia, Lucie Colombain, Domaine des Miroirs)

外見も中身もイケメンで、ご家族みんなが色々美しいダニエーレ ピッチニンからは、ドゥレッラで造るナチュラルスプマンテ、アリオーネ2017年と、ビアンコ ムーニ2019年が届きました! 前ヴィンテージのアリオーネ2016年は、ダニエーレが望んでいたようには瓶内2次醗酵が進ます、その結果としてガス圧が低く(3.9気圧)、若干残糖があるタイプとなってしまいましたが、2017は糖も十分に焼け切っており、ガス圧も十分(5.9気圧)。濃密ですが、ザックザクです!

ビアンコ2019年も、現段階の2018年ほどではありませんが、なかなかに味わいが出ております! 還元する予兆も今のところは感じられない、グラスワインにも最適な1本かと!

2019年ヴィンテージから、モンテマーグロはビアンコ ムーニとは約1年の間を空けてリリースすることにしたそうです。お互いの持つ酒質を考えても、英断と言えるのではないでしょうか! 幸い、弊社には現行2018年の在庫が唸るほどございます! あ、唸るほどあるのは、売れてないからではなく、そりゃもう大量(4800本!)に買ったからです! いっぱい使っちゃってください!

2020年産のオイルも少し分けてもらいました!こちらも是非! そしてピノ ネーロ2016のことも忘れないでくださいね!

ブレッサンエゴ2013年とスキオッペッティーノ2011年が終売したので、エゴ2014年スキオッペッティーノ2012年をリリースします! エゴ2014年は、スパイスやドライフルーツを髣髴とさせる、いわゆるブレッサン香がすでに全開ではあるのですが、ブレッサンのワインらしからぬ軽快な酸もあり、例年よりもアルコール度数が低いせいかな? と思い分析表を確認すると、2014年ヴィンテージの赤全てが例年よりも0.5~1%ほど高いという…。アルコールだけが、濃さを司るパラメーターなわけではない事は重々承知しているのですが…。とても不思議なワインです!

スキオッペッティーノ2012年は、まだ港にあるため、日本到着後は未試飲ですが、美味であることは保証します(笑)。どちらも在庫が潤沢ですので、バンバン飲んでいただけると助かります!

みんな大好きマッサ ヴェッキアからもワインが届きましたぁ! とはいえ、遅霜と酷暑により例年の4割程度の収量だった2017年ラ クエルチョーラポッジョ ア ヴェンティ、春から夏にかけての長雨、嵐、雹で病気が蔓延し大半のブドウを失った2018年ヴィンテージ(秋は好天に恵まれ、獲れたブドウは美しく、醗酵もスムーズに進んだことは、不幸中の幸いと言えるかもしれません…)のアリエントロザートの入荷なだけに、まさにスズメの涙的な本数になります…。詳細はリスト部分をご参照ください。が!! 彼らからのビッグなプレゼント(タダではありませんが…(笑))も届いております!!

ワイン界での人付き合いやら噂話等々に疲れを覚え、自給自足的な生活を目指すべく、2007年にファブリーツィオ&パトリーツィア夫妻は人里離れたところ(彼らはアイア ヴェッキアと命名)に住み始め、マッサヴェッキアの仕事は2009年ヴィンテージから娘のフランチェスカに丸投げしたわけですが、ファブリーツィオがワイン造りから完全に足を洗えるはずもなく…。結局、彼らの家がある標高650mの場所にピノ ネーロを植え、2015年からワインを仕込み始めます。

皆さんが興味を持ちそうなことを箇条書きにしますと…

なぜピノ ネーロ?: ポッジョ ア ヴェンティに使われているブドウを産するフォルナーチェ(標高450m)がサンジョヴェーゼにとってはほぼ栽培限界で、フォルナーチェから更に200mほど高いアイア ヴェッキアにサンジョヴェーゼを植えても、完熟させるのは難しいと考え、比較的早熟な品種であるピノ ノワールを植えることに。徐々に増やしていった栽培面積は、今現在では1.2haに。

醸造: 当初は、山羊&羊小屋として使用する予定だった場所を醸造&熟成スペースに改装。ブドウ樹が生産態勢に入った際には、その部屋の中に醗酵槽を設置するのが不可能な事を見越し、友人のカルソ(フリウリ)の石工(スタンコ ラディコンの墓石も制作しています)に石灰岩の石板で醗酵槽を作ってもらい、2017年ヴィンテージ以降は屋外に設置した石灰岩醗酵槽で醸造。

マレンマ地方は、トスカーナ州の中でも温暖&寛大な気候がある上に、イタリアでも屈指の人口密度の低さを誇る地域ですので、容易に開墾もでき、ブドウ栽培にも適した場所を見つけるのに一切困らないような土地。ですから、わざわざ標高の高いところに品種を厳選してまで栽培しようとする、ファブリーツィオのような奇特な人は今までいなかったのかもしれません(笑)。マッサ ヴェッキアのワインが、マレンマ地方の伝統(ワイン文化、テロワール、土着品種…)へのオマージュでありつつも、南のワインが陥りがちな野暮ったさとは無縁な、軽い飲み心地の実現をテーマに掲げていたのに対し、ファブリーツィオがアイア ヴェッキアで表現しようとしたのは、マレンマ地方のワインに抱くステレオタイプ的なイメージからの脱却と、一切のエクスキューズを排した完全無添加ナチュラル ワイン…という事になると思います。

ピノ ネーロの繊細な香りを活かすためには、樽香が邪魔になると考えたファブリーツィオ、質の良い(バクテリア汚染などのない)使い古しの樽を探しますが、見つからなかったので、ダミジャーナ(50-60リットル入りの大瓶)で熟成させることに。ダミジャーナは、木樽と比べ密閉性の高い容器なので、ワインが還元方向に向かうフェーズでは、微細な酸素を供給するためにコルク栓を、それ以外の時はゴム栓を使用。セラー内の徹底した清潔ぶりも、彼の人となりからは想像できないレベルです(笑)。

今回入荷したのは、初期に植えたブドウ樹が生産態勢に入った2017ヴィンテージのもので、本数的にも、840本とそれなりにまとまった量が届いています! 曰く、ヴィナイオータ以外には、このプロジェクトを発足当初から見守ってくれていた3-4軒の小規模なお客さんにのみ販売するという事でしたので、生産量の大半は日本に来たという事なのかと…(喜)。

今回入荷のマッサ ヴェッキア&アイア ヴェッキアの全ワインを限定とさせていただきます。

フランスからもコンテナーが到着です!! まずは、ルーシー コロンバン! 今回リリースしますのは、下記4ワインとなります。

ピノ グリ ピジェ2019年:ピノ グリに皮ごとの醸し醗酵を施したワイン。前回は、ゲヴュルツトラミネールの醸しVer.を分けてもらったのですが、2019年ヴィンテージはシュレール名義で出すことにしたそうで、今回は少量だけ造ったピノ グリVer.が届きました。ヴィナイオータに醸しの白を何も出さないのは違うでしょ! と考えてくれたのでしょうか(笑)。300本入荷

リースリング シャン デ ゾワゾー2019年:  2020年の3月に試飲した時点では、かなり残糖があったのですが、今現在どうなっている事やら…。660本入荷

ゲヴュルツトラミネール プェルシックベルグ2018年: ルーシー コロンバン名義のワインも含め、シュレール家で醸された2018年のワインの中でも、際立ったテンションを持ち合わせたワインだと思います。コロンバン家が所有する区画ですから、ルーシー コロンバン名義で出すのが筋…かと思いきや、ちゃっかりシュレールの刻印の入ったコルクでボトリングしていたブルーノ(笑)。今回入荷分に関する彼らからのオファーの中に、ゲヴュルツトラミネールのワインがなかったので、「えー、2019年のゲヴュルツ分けてくれないの? だったら、あのプェルシックベルグ2018年をうちに回してよ!」とゴネてみたら、本当に分けてくれました(笑)。現段階では難解なワインかもしれませんが、将来的には大化けすることをオータが確約いたします! 360本入荷

ピノ ノワール ラングセール2019年:セラーで色々試飲する中で、やんちゃなワインが多かった2018年と比べると2019年は、2年連続でスーパーファンキーなシャルドネと、クリュの違いに関わらず全般的に残糖があったリースリング以外は、概ね優等生的だった…と記憶しているのですが、このラングセールは2年連続で優等生的佇まいだったような…。アルコール度数的にもほぼ15%あります! 惜しむらくは、2018年よりも3割ほど収量が少なかった事でしょうか…。240本入荷

万全を期して、少量入荷のピノ グリ ピジェ、ゲヴュルツトラミネール プェルシックベルグ、ピノ ノワールは限定とさせていただきます!

絶賛販売中の2018年ヴィンテージの3ワインも面白くなってきていますよ! ピノ ブラン ジャルダン デ ロピタルは、ボトル内で微細な醗酵が起こったことで、ほぼ辛口になり、香味も増してきた感じがあります。入荷当時のシャルドネは、危険なまでにファンキーでしたが、1年経った今現在もまあまあファンキーです(笑)。ですが、こちらもボトル内で醗酵してくれ、ボトルによっては完全な辛口に。ピノ ブラン同様に、ワインらしい香り(じゃあそれまでの香りは何だったんだ?という質問は勘弁してください(笑))も出てきてはいるのですが、揮発酸が主役の座を降りるまでには、もう1-2年かかるかもしれません。揮発酸に対しては女神的な寛大さを示すオータ妻的には、今の状態で十分OK!との事(笑)。ピノ グリ アイヒベルグも、ピノ ブラン&シャルドネ程度には落ち着いてきた気もするのですが、畑由来とおぼしき尊大さを持ち合わせている分、力を完全解放するまでにはもうしばらく時間がかかるかもしれません…。

入荷の時期、入手できるか否か等の連絡をいただく件数的には、ヴィナイオータでぶっちぎりの1位、鏡健二郎&真由美夫妻のドメーヌ デ ミロワールからもワインが届きました! 2017年の記録的不作を受け、2015年~2017年ヴィンテージのワインを設定価格よりも15%値上げをして販売していた彼らですが、今回入荷のヤ ナーイ2018年は、通常(?)の価格に戻っております。律儀すぎる!!

4ワインとも限定とさせていただきます。

以下、鏡氏からのメッセージです!

今回出荷したワインは4種類あります。品種と収穫年を見ると、ソノリテ ドゥ ヴァン2016年モン リズム、ソン リズム2016年アントレ デ ブルー2017年ヤー ナイ2018年です。

いつものように、飲んでいただく方には先入観を持っていただきたくないので、詳しい説明は避けたいと思うのですが唯一2018年に関しては一つ二つ参考までに書きたいと思います。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、2018年ジュラ地区は2015年のようにブドウの生育時期は酷暑、という言葉をもって表現できる年でした。しばしば色の薄い赤ワイン品種と捉えられているプールサールも、今回出荷した2018年は色も濃く味わいもしっかりしたものとなりました。もちろん今でも飲めるのですが、少々時間が必要だと思っています。個人的には現時点ではよく熟したしっかりめのワイン。数年経てばよく熟したプールサールとなるのでは。毎年違うからこそ面白みがあり、だからちょっとした気遣いで楽しめる幅もより出てくると思います。このため出荷を遅らせることも考慮したのですが、何かを出荷せざるを得なかったため最終的にプールサールを出荷、昨年出荷しなかった2015年の赤をもう一年寝かせることを選びました。またトゥルソー2018年も出荷を見送っています。皆さんに寝かせることばかりお願いしていて心苦しいのですが、私自身も瓶詰め後最低でも1年置いてから出荷するようにしています。可能であれば、ワインに携わる方々が少しずつ時間を稼ぐことで、ワインの表現力も増すと思いますので、お付き合い頂ければ幸いです。

2017年のサヴァニャンはアルコールが高いわけではありませんがかなり凝縮しています。またどのワインに関しても数時間前もしくは一日前抜栓を試されてもよいかと思います。

話は少し移って…。ここ伝統的なワイン生産国であるフランスにおいても、時代の変化とともにワイン文化の薄まりを感じる日々です。私が渡仏した頃は、ワインの飲み頃や、どんなタイミングでどんな料理と、などと意識する人ももっと多かった気がします。現在はここでもインスタ映えのみですぐ開けたり、勢いだけで飲む方も多いし、世界のどこに居ても同じことができる反面、失っているものが多すぎるように感じます。

今一度、土地や気候、年、人などによって同じものが存在しないワインというものの魅力を再認識して、皆でそういうワインを分かち合えたらうれしい限りです。

ちなみに日本を旅するこちらのフランス人やその他の国の人に、「日本のレストランにはフランスよりも寝かしたワインが多い」と言われることがあります。日本人としてとても誇らしく感じますし、ぜひもっともっと言われるようになりたいです!

鏡 健二郎

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

文:太田久人

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