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2020-05-12

【新入荷】2020年5月その1(Colle Florido、La Calabretta、Tropfltalhof)

大好きなアウトドアスポーツに時間を割くために、流しのソムリエとして星付きレストランを渡り歩いていたアンドレア ウゴロッティが奥さんの実家があるアブルッツォで立ち上げた農場コッレ フローリドからは、2018年ヴィンテージのワイン2種類2019年もののトマト製品2種類が届きました!

トレッビアーノ100%で造られる白、イル ポスティーノは480本、モンテプルチャーノのモストだけで仕込んだロゼ、ラ レーナは180本の入荷です。2018年ヴィンテージは、2017年ほどの強さはありませんので、ボトリング直後からステキな感じだったと記憶しております。

エルバ サラータ2017(モンテプルチャーノ)も今すっごい美味しいです!こちらも是非!!

シチリアはエトナのラ カラブレッタからは、樹齢の若いネレッロで造るカジュアル赤、ガイオガイオ2018と標高900mオーバーの区画に植えられたブドウで造るピノ ネーロの2017年ヴィンテージが入荷です。

リトルA(2014マグナムと2015ノーマルボトル)、ネレッロカップッチョ2012、ノンナコンチェッタ2014の事も忘れないでええええ!

そして!2020年初の新規取引造り手のワインが届きました!

友達の造り手から噂を聞いてとか、うちのウェブサイトにあがっている造り手ラインナップに驚愕してとか、YouTubeで僕が自身のナチュラルワイン観について語っている映像を見て感動したからとか、本当にびっくりするくらい色々な経緯を辿って、オータのもとには、熱い造り手からのラブコール的メールが頻繁に届きます。どの造り手も、彼ら自身も弊社が取り扱う造り手同様のフィロソフィーをもって農業と醸造に勤しんでいるから、一度是非ワイナリーに遊びに来て欲しいし、もしも僕が気に入ったのなら取引を始められないか?という期待というか願いみたいなものも込めて連絡してきているわけです。非常にありがたいですし、光栄なことではあるのですが、未だに彼らの期待に十分に応えられるレベルに達していないことはオータ自身が一番知っていたりもしますので、非常に申し訳ない気持ちになってしまいます。

(僕が造り手から)買うのはある意味簡単なのですが、最終的な消費者である飲み手の方たちの「美味しい!また買って飲みたい!!」という評価を勝ちとるまでには、なかなかに長い道のりがありまして…。日本は、1人当たりのワインの消費量は決して多くないにもかかわらず、世界でも類を見ない豊富な選択肢(入手できるワインの種類)がありますので、当然のことながら個々のワインにとっては非常に厳しいマーケットでもあったりします。そんなこんなで、基本はとても消極的なスタンスのオータなわけですが、熱い想いがありありと伝わってくるメールだと、心も重い腰も動いてしまうようです。今回少々特殊だったのが、連絡してきたのが造り手本人ではなく、その友人だったという事。無名かもしれないけど素晴らしい造り手である自分の友人のワインを、理解のある人のもとへ旅立たせてあげたい…そんな純粋な気持ちが込められたメールに感銘を受けまして、昨年10月に造り手を訪ねてきました。

ここまでの前置きが非常に長くなってしまいました(苦笑)ので、造り手の紹介はごくシンプルに!

トロプフルタルホフという名のワイナリーで、アルト アディジェのカルダーロ湖を見下ろす場所にあります(標高500m)。現当主はアンドレアス ディクリスティン、主にブドウ、リンゴ、トウモロコシを栽培、羊も飼い(休閑期はブドウ畑に放ち、下草を食べさせています)、ワイン、リンゴ、リンゴジュース、ポレンタ、羊肉のサラミやスペック(豚の燻製生ハム、豚も知り合いが育てるビオのものを使用)と数部屋あるアグリトゥリズモで生計を立てています。

1997年からビオディナミを実践、2009年ヴィンテージまでは生産したブドウは全て販売していたのですが、販売先と揉めて、2010年ヴィンテージから自ら醸すことに。

「ワインをちゃんと造ったことはなかったけど、醸造の過程で自分がしたくないことだけは明らかだった(笑)。醸すための容器は、自然由来の素材でできたものをと当初から考えていたし、ブドウによっては長いマセレーションをすることを念頭に置いていたので、アンフォラと木樽を導入することに。幸い、近所にエリザベッタ フォラドーリという素晴らしい人がいたおかげで、アンフォラを入手するのに難儀することはなかったしね。セラーで気を付けることといえば、(セラーを)清潔に保つことと、熟成中は容器を常にワインで満たしておくことだけ。」とアンドレアス。

オータも数々のワイナリーを訪ねましたが、ポンプを一切使用しない(持っていない!)ワイナリーはここが初めてかもしれません。アンドレアスの言葉を借りるなら、エレベーターがポンプ代わりといったところなのでしょうか。ワインを醗酵&熟成させる場所は地下2階部分にあって、地上階で除梗したブドウは自重で落ちて行きますし、ワインを圧搾する時はアンフォラごと地上階まで運び、プレスしたワインを再び自重でセラーに…。フィルターも持っておらず、酸化防止剤はボトリング時にごく少量使用するのみ。

生産するワインは5種類。

●ル ヴィオニン:カルダーロ湖にほど近い区画(標高300m)に植わるヴィオニエ100%。収穫したブドウは、除梗、プレスされ、1晩~1日程度のマセレーションを経て圧搾し、大樽へと移されそこで醗酵&熟成。

●ガルネレン ソーヴィニョン:ワイナリーに隣接する畑(標高500m)のソーヴィニョン100%。除梗後にプレスされたブドウはアンフォラへと入れられ、7か月間の皮ごとの醗酵&初期段階の熟成を行い、圧搾後再びアンフォラへと戻され更に14か月熟成。

●ロゼ マリー:ヴィオニエと同じ区画のメルローを使用。除梗し、軽くプレスしたブドウに半日ほどマセレーションを施し、フリーランで出たモストを木樽で醗酵、熟成させたロゼワイン。アンドレアスの奥さんの名前がローズマリーで、ちょっとした言葉遊びになっています。

●ストルロンド:ロゼ マリー用のモストを取った後の、皮の比率が高くなったメルローで造るワイン。木樽熟成。

●バルライト:ヴィオニエ、メルローと同じ区画に植わるカベルネ ソーヴィニョンを使用。ガルネレン同様、7か月間のアンフォラでの皮ごとの醗酵&熟成の後、圧搾したワインをアンフォラに戻し、14か月熟成。

味わいに関しては、できるだけ皆さんに先入観を与えたくないので、一言だけ…。

何の破綻も欠点もエクスキューズもございません!

全くもって無名な上に、攻めた価格ですので、即完売はしないかもしれませんが、知らない(飲まない)と、ほんと後悔するワインだと思います!!是非!

ブログ掲載時には既に完売しているアイテムもございます。どうぞご了承ください。

文:太田久人
254 255 nuovo20.05.14

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