ヴィナイオータかわら版 ~瀧編 その壱(新人)~
メルマガをご覧の皆さま、初めまして!2025年4月に入社いたしました身長186cmの超大型新人(物理)、瀧久幸と申します!
入社当時は倉庫業務、現在は受注チームにて全力投球しておりまして、電話対応などもさせていただく機会がぐんと増えてきました。(電話の際に不慣れなメンズが出ましたら、わたくしです・・・!)今後の予定としてシステム部および製粉(まだ大きく動けておりませんが、小麦粉製粉の本格稼働に向けて動き出していきたい所存です!!)と、どちらかというと会社の内部的な部署がメインではありますが、チャンスがあれば外に飛び出し皆様とお話させていただきたく思っております。
さて、たった数行で何となく伝わっているかと思いますがわたくし、少々ふざけた人間でございます。ただ、ふざけるときは真面目にふざけます。入社初日の社内あいさつの際も、「常に全力!常に初陣!の姿勢で頑張ります!」と北海道のスーパースターよろしくのネタを入れて挨拶させていただいたのですが、真面目なトーンで言い過ぎたのか、ネタとすら気づかれていないのではないかというスベり方でした。挨拶でボケてはいけませんね、反省です。そんなわたくし、生まれは京都府の南部で、大学から修士の間まで石川県で電気を学ぶ傍ら、ナポリピッツァのお店に週4通い、たらふく食べながら薪窯でピッツァを焼かせてもらったりし、その後新卒で関西にて総合電機機器メーカーの研究所で働いておりました。その際、滋賀県守山市で生活をしていたのですが、そこで運命の出会い!!「守山に面白いワインのお店があるよ」と聞き、Wine shop AZURE BLUEさんにふらっと立ち寄ったところ店主の佐々木さんのお人柄とヴィナイオータの取り扱うワインの魅力に取りつかれズブズブとハマっていくことに…。とはいえ、その時はまだバリバリの技術系を仕事としており、まさか自分がワインのインポーターに入社するとは思っておりませんでした。転機となったのは、飲んでいたワインを調べるために見ていたヴィナイオータHPにひっそりと佇む求人ページ。なんとなしに読んでみると「ほー、加工部なんてあるんだー。何するんだろう……製粉所!?小麦粉作るの!?ワイン輸入する会社なのに自分たちの畑で育てた麦を自分たちで粉に!!??なにそれ面白っ、イチからピザつくれるじゃん」と思ったら履歴書が完成しており、今に至ります(笑)。いつか作りたいですね、自分たちの粉でピッツァ。
自己紹介が長くなりましたが、今回わたくしが紹介したいワインはルイージ テッチェのタウラージ リゼルヴァ プーロ サングエ2014 です。
倉庫業務をしている最中、さまざまなワインと文字通り触れ合っていた際、たった一度見ただけなのに、頭の中に残り続ける謎のキラキラの記憶…その時は仕事も不慣れで、ただ手に取って箱に詰めただけでしたので、どなたのワインだったかは覚えていませんでした。その後、かわら版制作にあたりワインを選ぶ際、「あれしかない!」と思いキラキラの記憶を頼りに倉庫を探しまわると…見つけました。そして、キラキラの記憶の理由がわかりました。金!!エチケットでこんなに金色を見たのは初めて!そして青との美しいコントラストと中心には宝石の散りばめられたゴブレット!お金もそれなりにかかるであろうこんなにこだわったラベル、作り手はさぞかし硬派な芯を持ったお洒落さんなのかと。最初はラベルの素敵さに惹かれただけでしたが、調べてみると造り手のルイージ テッチェという方、なかなかに面白い人で、社長曰く「アーティスティックで唯我独尊な完璧主義」でブドウ農家の四代目ですが、当初のお仕事はなんと騎手!そこからワインの造りへ転身とはなんとも異色の経歴。2022年のオッティマーナに来日された際は、スーツケース4つにジャケットとボルサリーノ帽をパンパンに詰めてこられたとか(見事なアズーロ・エ・マローネの組み合わせ。やっぱりお洒落さんでした!)。
さて、プーロ サングエを飲んでみて、わたくしの頭の少ない引き出しをひっくり返しながら、一般的な表現をするなら、開けたては甘い樽香、カシスや乾燥イチジクのような香りで、味はタンニンと酸のバランスが良くミネラルと果実味豊かで力強い印象を受けました。開けたてからこちらに寄り添ってくれる外交的な面を持ちつつ、まだまだ熟成の可能性を持ち合わせた、今飲んでも熟成を待ってもよいワイン、といったところでしょうか?普段は「おいしー!」しか言わないので皆さんに伝わる表現というのは難しい…!!香りや味の表現についてはこれから勉強していきますが、一方こんなわたくしでも強く感じたのは、非常に真面目なワインと造り手という印象です。真面目といっても、堅苦しいほうの真面目ではなく、超ド級のおしゃれさんなテッチェ的に言うと、サヴィルロウ仕立ての鎧のようなスーツではなく、ナポリ仕立てのマニカ カミーチャ(雨降り袖)のアンコンジャケットとでも言うべきでしょうか? 神は細部に宿るとよく言いますが、着る人の着心地を第一に考えてパット使用を最小限で立体的に仕上げるために一針一針丁寧に縫われた雨降袖のように、テクニックではなくブドウの木と土地のことを第一に考えた細部までの丁寧な仕事を想像します。
プーロ サングエに使われるブドウは、テッチェ自らが土地を開墾し植樹したものが植えられています。コルドーネ スペロナートといわれる、腕枝を水平に伸ばした仕立てで植えられており、この仕立ては、木に太陽の光が当たりやすく、風通しがよいこと、木の成長後の誘因作業がなく剪定が行いやすいことが特徴とのこと。テッチェは、トラクターでの耕作と凝縮したブドウづくりのためにこの仕立てにしたようです。豊かな果実味を感じる裏には、完熟までの時間が非常に長いアリアーニコを、標高も高く内陸性気候で冷涼なためさらに熟すのが遅い中、完熟を辛抱強く待ち、見極め、収穫することを徹底したテッチェの姿を感じます。また、裏ラベルに書かれた真面目さを超えた覚悟のような、培養酵母の使用・酵素の使用・乳酸菌の使用・タンニンの追加・除酸・清澄・濾過・アラビアガム、すべて“NO”の表記には、「ワインは醸造ではなく農の現場から生まれ考えなければならない」というテッチェの考えを表しているのかと。“NO”の数々は醸造的テクニックに捕らわれず、6世紀頃から存在が確認されている歴史あるアリアーニコというブドウと、それを育むヴェスヴィオ火山の恩恵を受けたパテルノーポリの地そのものを表現するという思いが詰まっているのではないかと、私は考えます。
ワインだけでももちろん良いのですが、やはり料理と合わせることで楽しみが広がるもの。このワインに合わせるならサシ入り牛肉ステーキ…もいいと思いますがピッツァ大好きわたくし的おすすめはピッツァ「コンドル」!!プーロ サングエならコンドルに乗る、スモークモッツァレラの香りにも負けず、チーマ ディ ラーパ(イタリア版菜の花)の苦みともマッチし、サルシッチャの脂を程よく和らげてくれるはず。最高の組み合わせですね!
書きながらお腹が空いてきたのでここらへんでおしまいにします!!それでは!!
【かわら版 瀧の飲んでもらいたいワイン!!】
https://ec.vinaiota.com/product.php?id=812
銘柄:Taurasi Riserva Puro Sangue 2014 / タウラージ リゼルヴァ プーロ サングエ
造り手:Luigi Tecce / ルイージ テッチェ
地域:カンパーニア
希望小売価格 (税抜) :7,300円
【2024義捐ワインプロジェクト 第一弾】 【新入荷】2023年7月その2(Fonterenza,Pacina, Camillo Donati,Luigi Tecce,Cristiano Guttarolo) ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】ルイージ テッチェ 【新入荷】2023年1月その4(Luigi Tecce,Conti,Daniele Portinari,Montesecondo,Alberto Anguissola,La Collina,Natalino del Prete,Camillo Donati,De Fermo,Borgatta,Arianna Occhipinti)