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2022-12-09

【新入荷】2022年11月その3(Santa Maria,Camillo Donati)


モンタルチーノの実験君、マリーノ コッレオーニサンタ マリーアからは5ワインが入荷です。マレンマ地方の信用の置ける農家から買い付けたアンソニカで造る白、ビアンコ アンソニカ2021が。2020ヴィンテージが、高アルコール度数な上に残糖まであるちょっと変な子でしたが、2021はしっかり辛口に仕上がっています(そりゃそうか)!タンニンもしっかりあるのですが、飲み心地はあくまでも軽やか。今すぐ楽しめちゃうワインですが、寝かせてもきっとステキなことになるはず!

ロッソ トスカーナは、2020(L.CIPRESSI 1)2021(L.SPERANZA)が届きました・・・あれ?ロッソ トスカーナ2020って、去年届かなかったっけ??とお気づきの方はかなりのヴィナイオータ&サンタ マリーア通(笑)。2021(ロット名:スペランツァ)は、モンタルチーノの南部にあるアミアータ山の麓の農家から仕入れたブドウで仕込んだワインで、去年届いた2020(ロット名:チプレッシ)も同じ農家から買い付けたブドウで造ったもの。

で、今回届いたロッソ トスカーナ2020のロット名は“チプレッシ1”で、セルヴァレッラとなるはずだったワイン(全体の約8割)に、サンタ マリーアのブドウで造ったワイン(ブルネッロとなるはずだったワインの一部・・・)をブレンドしたもの。ブルネッロ用のワインを混ぜてもいるのに、セルヴァレッラの約半額でリリースされるあたりに、マリーノの不満足感が伝わってきたので、少々ビビりながら試飲したのですが、普通に美味しい(笑)。ていうか、とある年齢に達してしまったオータとしては、若々しさ全開のロッソ トスカーナ2021よりもむしろ飲み進む・・・。

種明かしをしてもらうべく電話をしてみたところ、マリーノからはこんな答えが。「サンタ マリーアであれポッジョ サンタルナであれ、ブルネッロって落ち着いているというか、どっしりしているというか、そんな雰囲気があると思うのだけど、セルヴァレッラの特徴って、フルーツ、塩気、酸などが際立った、少しヤンチャなところなんだと思うんだよね。その雰囲気が2020年には全く感じられなかったって言うのと、ほんの少しだけ揮発酸が気になったってこともあって、そのニュアンスを和らげるべくサンタ マリーアのワインを少しブレンドすることにしたんだ。」繰り返しますが、オータ的には何の問題も見出せないですし、むしろクオリティに対して価格が安すぎることが気になるワインです。

カスティリオーネ ディ オルチャにある、森に囲まれた区画のブドウで造るセルヴァレラは、2019が入荷です。例年ですと、果実味に重心のあることが多いこのワインですが、2019はより醗酵&熟成が進んだ印象で、酸に特徴がある気がします。

そしてブルネッロは、リゼルヴァ2016が届きました。ひたすらジェントルで柔らかな味わいで、ある意味“分かりやすい美味しさ”があることが多い2016ヴィンテージのワインにあって、このリゼルヴァ2016の難解さ、硬さ、酸の強さには少々驚きました。

“ワインは人である”とオータは常々言っていますが、この言葉の裏の意味としては、ワインの佇まいというか質感には造り手の人柄が反映するというのがあったりします。そんなことを鑑みつつこのワインを飲むと、スーパージェントルで、人当たりがオータの1億倍くらい柔らかいマリーノが造ったワインだというのが俄かに信じられず・・・。大化けするタイプのワインなのかと!

Mr.微発泡(しばしば微発泡させる事に失敗しますが(笑))ことカミッロ ドナーティからは、マルヴァジーアソーヴィニョン2021が新入荷、トレッビアーノはまだ在庫があったので2020が再入荷、そしてトレッビアーノで造った甘口、トレッビアーノ ドルチェ フリッザンテ(スプマンテ?)2021が届きました!

カミッロの辛口微発泡ワインは、アルコール度数が4-5%の状態で醗酵をブロックし低温で保管しておいた甘口ワインを、収穫翌春に辛口に仕上げたワインに添加してボトリングし、その甘口ワインの糖分と冬眠していた野生酵母の力を借りて瓶内2次醗酵させます。例年ですと、マルヴァジーアが一番生産量が多いので、全ての白&ロゼの2次醗酵用にはマルヴァジーアの甘口が使われ、残ったものをそのままボトリングしたのが甘口のフリッザンテになります。

2021年は、春先の遅霜と夏の酷暑&乾燥により収量が激減(通常の半分以下)、中でもマルヴァジーアの収量が本当に少なかったそうで、2次醗酵用にマルヴァジーアを使ってしまうと、カミッロのフラッグシップ的ワインのマルヴァジーア フリッザンテ セッコの生産本数が異様に少なくなってしまう事に気づいたカミッロ、2次醗酵用にトレッビアーノのワインを使う事に。そのため、甘口微発泡もトレッビアーノという事に・・・。

先ほど“フリッザンテ(スプマンテ?)”と書きましたが、マルヴァジーア ドルチェ フリッザンテ2020と同じように旺盛な2次醗酵が起こり、3気圧を優に超えるガス圧があるとの事(日本では、3気圧未満のワインのことを微発泡、3気圧以上のものをスパークリングと定義しています)。どのワインも、それなりの量が入荷していますが、白&白泡が圧倒的に枯渇しているヴィナイオータだったりしますので、早々になくなってしまうかもしれません・・・お気を付けください!

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

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