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2007-02-07

自分史そしてヴィナイオータ史 その3

1995年 春 渋谷にある某イタリア語学校の”留学準備コース”なるインテンシブなコースに通う。理屈っぽい日本人、そして文法の難しいイタリア語なので、基礎はしっかりさせようと思いまして。
初冬 渡伊、Sienaに住む。ラッキーなことに学校が紹介してくれたアパートが町のど真ん中(カンポ広場のすぐ近く)でとっても贅沢な気分を味わせてもらいました、世界遺産の中に住むわけですから。通った語学学校には、その月に目覚しい進歩を遂げたと先生たちが思う生徒に賞金の出る月間MVP みたいなシステムがありまして、それを知ったのが試験の1日前で、友達には”俺が取る”と公言して憚らなかったのですが、誰にも取り合ってもらえず。しかしMVPゲット、その賞金で初Pergole Torte(92でした)ともう1本、普段は買えない様なワイン(どこかのBrunelloだったような)を買ってみんなにご馳走した。あの時は気分良かったなぁ、とちょっと自慢。

96年 冬 フィレンツェに引っ越す。語学学校では文法の理解度は高かったからなのか、最初から一番上のクラスに入れられるが一緒のクラスの人たちが、旦那がイタリア人の日本人とか、スペイン人とか反則な人たちばかりで落ちこぼれる。ボキャブラリーが全然ついていけてなかったんでしょう。この頃から学校には週1回しか行かず、町に出るといったらワインバーか食べに行くかワインを買いに行く時だけに。この時あたりからフリウリの白を飲み始めたような。
僕の住んでいたアパートにはなぜだか僕以降日本人ばかりが住むようになり、いつからかフィレンツェ荘と呼ばれるようになる。他の日本人生徒に比べて圧倒的に暇な僕はいつからかみんなの夕食を作ることになった。その代わりとして、食事の時に開けるワインは僕の好きなものを買っていいという条件を取り付ける。

週末にはみんなでスーパーへ買い物行って、パスタやオイルなどを大量購入。向こうのスーパーの凄いのが、肉コーナーの端のほうに肉よりも骨の割合が高い部分や、バラ肉でも脂が多い肉のパックとかが安く売っていて、普通のお肉などには目もくれずそんなやつばかりひたすら大量に購入し、鍋にぶち込んでコトコト煮ておいて、その間賭けトランプなどをやって過ごし、夕食前にどういう味付けにするか考えるという、”週末煮込み”が定番メニューでした。
後半はみんなも舌が肥えてきて、骨髄の詰まっている骨を奪い合うようになる。とにかくこの当時、僕達日本人からしてみたら信じられないほどに食べ物は安かったです。COOPで、セールの時はパスタ(スパゲッティなどのメジャーなパスタではなく、蝶の形をしたものとか利用頻度の低いパスタだけが安くなってました)が500gで390リラ(20円強)、トマト缶は210リラだったのを良く覚えています。夏、トマトが沢山取れる時期にスーパーで、5kgは軽く入っているであろう木箱に入ったサンマルツァーノが3900リラ(下の写真)で、あまりの安さに家に帰ってきて値札のところを写真取っちゃいました。トマトソースも2回戦に分けて作りましたっけ。

フィレンツェでAIS(イタリアソムリエ協会)なる団体があって、コースを各所で開催してることを知る。どういう形でワインにアプローチしていくか模索中の僕はとりあえずこのコースにでも行ってみようかと考えるようになる。が、フィレンツェでこのコースを受けようとすると、最後のコースが終わるまでに2年と3ヶ月かかることを知る。このソムリエの学校は、3つのコースで構成されていて、授業は週1回で1コース12-13回だったと思う。それがフィレンツエの場合、1年の同時期に3つのコース全てを行うため、2つ目に進むためには9ヶ月待たねばならないため、3つ目のコースを終わるのには2年3ヶ月かかるという・・・。どうするべきか迷う。
4月 初ヴィニータリー(ヴェローナで行われる世界でも有数の規模のワイン見本市)。この時期、ヴェローナで宿を取るのがいかに大変か全く考えもしなかった僕はホテルも取らず見本市会場に行き、その規模と人の多さに圧倒される。日本で飲んでて好きだった造り手とか、イタリアに来てから好きになった造り手とか、もうミーハーな感じでまわる。その後、いざ町に行ってみるとホテルはどこも満室・・・親切なホテルの人が離れたところにあるユースを紹介してくれる。そこでローマでソムリエのコースを終えたばかりだという日本人とたまたま同室に。ローまでだとコースとコースの間のインターバルが短く早く終えられると聞き、ローマに引っ越すことを決意。

夏前 初グラヴナーと初ヴァレンティーニ、確かBreg93とTrebbiano92。ラモスに似た兄ちゃんのやっている酒屋兼ワインバーで。どっちも変なワインだなぁと思ったが特にヴァレンティーニにはびっくりしました。あまりにもそれまで飲んできたワインと違ったので。ちょっとピリピリするし。c0109306_1250308.jpg

 

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