お次はステーファノ レニャーニです!
ヴィナイオッティマーナというイベントは、造り手と飲み手間の縁結びだけでなく、造り手同士の縁繋ぎにも一役買っているようです。フランス同様にイタリアにもナチュラルワインのグループがいくつかあって、それぞれが同時期に別の場所でサロンをやったりするものですから、接点の全くない造り手たちもいますし、イル ヴェイのようにご近所さんのアルベルト アングイッソラやラ ストッパのエレナ&ジューリオにさえ知られていなかった造り手もいたりします。2015年2月のオッティマーナでブレッサンとやたら意気投合してしまったのが、ステーファノ レニャーニ。2人ともめっちゃ知的な人なので、話していてお互いに刺激的なのだと思いますし、ステーファノがフルヴィオの言葉をうわべだけで理解しようとしないことも、フルヴィオのような誤解されやすい人的には嬉しいのかと。なんにせよ、オッティマーナがきっかけとなって、イタリアに帰ってからも交流が続いている造り手がいるのは本当に嬉しい事です。
“自分が造ったワインが飲まれる”という事に対して、ステーファノ以上にエキサイトする造り手を僕は知りません。「(自分が暮らす)このサルザーナという土地について雄弁に語ってくれる、僕にとっては大切な子どものような存在のワインがだよ、10000kmも離れている人に飲まれているだなんて…凄いことだと思うんだよ!」とステーファノ。
諸外国のインポーター、彼がお客として通っていた星付きのレストラン、仲の良い酒屋さんと彼の友人たちだけで、彼のワインはほぼリリースと同時に売り切れてしまいます。もともとの生産量が多くないことと、某日本のインポーターが50%くらい買っていることなどにより瞬殺しちゃうわけですが、まとまった本数を買っているその日本のインポーターも彼のワインを瞬殺できちゃっているのかというと、そういうわけでもないようです…。特に大量に買い始めたヴィンテージが2014年だったことは、もはや運命と言いますか、神から与えられた新たな試練だと思わずにはいられません。
ここからは、先日メルマガに書いたネタをリサイクルさせていただきます(笑)。
オータ脳内で“2014年問題”というタイトルを持つ、永久に語り継がれるであろうネタがあります。2014年はシチリアやサルデーニャなど島を除くイタリア全土で太陽に恵まれない年でした。雨はそれほど多くなくても常に曇り空のところもあれば、理想的でない時期に多雨に祟られた地域もあったり、雹で壊滅的な被害を受けることころがあったりと、本当に“光”に欠ける年でした。日本同様にイタリアも南北に長い国ですので、国土全体が天候的にここまで同じような状況になること自体凄く珍しいことな気がします。太陽に恵まれなければ、ブドウ樹は糖分もフェノール類も多く生成することができませんので、いわゆる“軽い”ワインが出来あがります。多雨などの影響で例年よりも軽く仕上がったワインは、早い段階から楽しめるというのが一般論としてあると思うのですが、2014年のワインではそうじゃないものが結構散見した…そんな風にオータは思っております。まるで過度のストレスを受けて、塞ぎ込んでしまったかのような…。例えばスロヴェニアのヴァルテル ムレチニックの2005年ヴィンテージでいうと、シャルドネはリリース当初から表情を見せていたのに対して、レブーラはムッツリした佇まいだったため通常よりも2-3年遅らせてリリースされました。近隣のラディコンやカステッラーダの白も比較的早い段階から楽しめましたし…。
実際、要素が例年よりも詰まっていないからと言って、全ての軽いワインがリリース当初から開いていなければいけないわけではないわけではないですよね…僕たちヒトがそれぞれ成長成熟のスピードが違うように。
弊社のように1アイテム当たりでシャレにならない本数を買っていると、そのワインの売れ行きを観察するだけでも、味わいが開いているか否かとか還元しているか否を読み取れる時があります。味わいが閉じていたり、還元している時にはゆっくりとしか売れていなかったものが、開いたり還元が取れた時に売れ行きのスピードが“自然に”上がっていくんです。そんなダイナミックな事象を目の当たりにした時、個々人の印象、感想の総体がマーケットを形成しているのだという自明なことを思い知らされるオータです…。
いや~~~~~~~~~~、ステーファノのポンテ ディ トイ2014年も塞ぎ込んでいる時期が長いワインでした…。ですがっ、今や結構素敵な表情を見せるワインになっているんです!!もしかしたら、彼のワインのことを誤解してしまったかもしれない人にも飲んでもらいたいなぁと思うオータなのでした!!
オッティマーナでは、未リリースの2015(陽気なワインです!)も飲んでいただく予定ですので、ヴィンテージによって背格好だけではなく性格さえも変わるんだという事を体感していただければと思っております!!!
より詳しくは以下もリンクもご覧ください!!