造り手紹介2017 27 デ バルトリ

お次はデ バルトリ!
男子に朗報です!!
今回もジュゼッピーナちゃんが来ます!!! アニメ声に癒されてください(笑)。

ワイナリーの紹介文に関しては、過去に多数熱苦しく書いておりますのでそちらをご一読いただくとして…、どのワインよりもマルサーラという土地、そこの気候と歴史文化を体現しているのにもかかわらずマルサーラ名乗ることのできないワイン、ヴェッキオ サンペーリ(以下VS)が初めて世に出てから40年近い時間が経っているんですね…。
ヒト1人の人生レベルから見たら、40年という時間はまあまあ長いものなのかもしれませんが、保管状況さえ良ければヒト以上に長生きかもしれないVSのようなワインからしてみたら大したことない気もしますし…。
ブレッサンのところで、ワインはブドウという唯一の原材料に、時間というこれまた唯一の調味料を加えて造る料理のようなものだという話を書きました。
そもそも料理という言葉は、理(ことわり)を料る(はかる)と書きます。
つまりモノの特性を見極めて適切合理的に処置をすることを指すのだと思います。生で食べて絶品のものもあれば、少し火を入れたほうが味の集中力が増すものがあったり、もしくは火を入れない限りヒトが安全に食べることができないものなど、それぞれの特性に応じて適切な調理法を選択することが料理の根幹を成すコンセプトと言えるのかと。
そういった意味で言うとVSは、この土地で育つブドウ(グリッロ)と土地の気候環境という2大特性を余すことなく表現した究極の“どクラシック”料理と言えるのではないでしょうか?
この夏グラヴネルを訪ねた時に、なぜだかデ バルトリの話になりました。
何年も前に長男レナートからスプマンテを造ろうと思うんだという話を聞かされた時、VSっていう偉大なワインだけ造ってりゃいいんじゃね?と真っ向から否定してやったとヨスコ。
その話を聞いて若干キレたオータ、
「じゃあヨスコ、VSを仕込むのに相応しい力のあるブドウを自然が毎年きっちり用意してくれるとでも言うのかい?そんなの無理だよね??その無理だった年のブドウをどうすりゃいいわけ???そんな状況下で苦肉の策的に生まれたのがあのスプマンテなんじゃないの?幸いスプマンテってヴィンテージ表記がなくても変じゃないし。そりゃ俺にとっても彼らの造るワインの中でスペシャルなものはって言ったら、VSとブックラムってことになるし、レナート自身もVSだけ造って生活できるのならそれに越したことないって言ってるよ。でも、VSだけで生きていくというのは社会状況的にもブドウの特性的にも無茶があるんじゃないのかな?」

先ほどの料理の話で言うと、長期間にわたる酸化的熟成に耐えうる酒躯を持たない素材(ブドウ)を、その別の個性を活かすためにスプマンテという調理法を選んだ…と言えるのかと。

値段も値段ですので、おいそれとはいかないというのも理解できるのですが、このワインがもたらす幸福感は本当に特別な気がします。
ど酸化したワインですので、お料理との合わせ方が難しいのではないかと思われることが多いのですがむしろ逆で、どんなお料理にも合わせられる懐の深さがあります。
少し冷やし気味で前菜(生ガキなんかもステキ!)とでもいいですし、お肉料理、スパイシーな料理、はたまたチーズやデザートとも面白いですし…。
そして料理に使うと一撃で局面を変えられます! 焼いた油揚げとかに醤油とVSを半々くらいで割ったものつけて食べても美味しいですし、そのタレにイカとかを少々漬け込んでから焼いたりしたら、もうお酒が止まりません。
前回のオッティマーナ東京会場では、メチャウマチーズを輸入するヴィア ザ ビオさんが用意していた、パルミジャーノチーズをVSに漬け込んだものにジュゼッピーナちゃんも悶絶していましたっけ。

飲んでよし、料理に使ってよしのVS、オータ家からは絶対に切らしたくないので、残り在庫が300本あたりを切るとちょっとドギマギする僕がいます(笑)。

そんなオータが大好きすぎるVSにも唯一難点がありました。(平均熟成年数で)10年物、20年物、30年物という表記しかないために、いつごろボトリングされたワインなのかが分からなかったのです!
通ともなると、ボトルの形状で概ね何年代にボトリングされたかを類推できるのですが、それを一般の人に覚えろというわけにもいかず…。というわけで、何年か前から、ボトリングした年だけでも分かるようにした方がいいと彼らに言っていたのですが、NewVSのボトルには…

これで、概ねいつの時代のワインを飲んでいるのかが分かるようになりました!!

さて、残り200本さえ切ってしまったので、早く注文しないと(笑)。

と大好きすぎるVSの話だけで長くなってしまいましたが、当然のことながら他のワインもお出しします!!マルサーラないしVSとサバディのチョコなどもステキかと!!!!

(さらに詳しくは、以下のリンクもご覧ください!)

造り手からのオッティマーナ感想文 デ バルトリ

造り手紹介 デ バルトリ その1(2013.1筆+2015.1加筆)

造り手紹介 デ バルトリ その2(2015.1筆)

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