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2016-07-25

【新入荷】2016年7月 その4

uf-fu

日頃より格別のご愛顧をいただきありがとうございます。

先日弊社店舗のダ ダダで紅茶とワインを食事とともに楽しむという会をやりまして、兵庫県は芦屋にある紅茶屋さん、ウーフの大西さんにつくばまでお越しいただきました。お互いの取り扱う商品や仕事ぶりを通して、大西さんとはあるレベルでの“相互理解”みたいなものがすでに存在している気がしていたのですが、今回いろいろお話させていただいて、その考えが間違っていなかったことを確信するに至りました。商業的な成功を会社としての第1目標とはせず、自分が大切にしているものを守るために自らが果たすべき役割を全うする…(それが僕たちの場合は“伝え売る”ということになるのかと)、使命感みたいなものを感じて仕事に取り組む人の強さを見た気がします。僕もワインの世界ではかくありたいと再確認しました!

大西さんとお茶の話をする中で、僕自身14-5年ほど前に中国茶の世界にどっぷりはまっていたことを思い出しました。テロワール、クリュ、ミネラル、余韻など、ワインとあまりにも似すぎている数々の特徴に感動&興奮したのを昨日のことのように記憶しています。そんな大好きだった中国茶から縁遠くなってしまった最大の理由…以前ほど時間的余裕がなくて…(涙)。中国茶は小さな急須に茶葉をしっかり入れて何煎も何煎も楽しむものですから…そう考えると、あの当時はいかに暇ないし怠惰だったのかと思うに至り…(恥)。

それでは7月後半入荷分のワインのご紹介行きます!!!

Piccinin2016_07_22

まずはダニエーレ ピッチニン! 前回はクアットロ ヴェンティという名前でリリースされたドゥレッラで造るスプマンテですが、アリオーネと名前を一新(学芸大学の某繁盛店の名物料理アリオーネはAglione、今回入荷のワインはArioneと書きます!)。今回入荷したのは2013年、完全醗酵をさせたドゥレッラに陰干ししておいた同年のドゥレッラのモストをブレンドし酵母添加もすることなくボトリング、2年間シュールリーの状態で熟成させ2016年2月にデゴルジュマン、目減りしたワインの補てんにはモンテマーグロ(ドゥレッラ)2015を使用、醸造のいかなる段階でも2酸化硫黄無添加。

お次はNewワイン、ローザ フリッザンテ2014です!(※弊社在庫は完売しております2016/7/25) 雨がちな年だった2014年のピノ ネーロはダニエーレが理想とするような熟度までブドウを引っ張ることが難しいと判断、早々に収穫し、そのブドウでロゼ フリッザンテ(?)を造ることにします。瓶内2次醗酵用にはアリオーネ同様に同年(2014)の陰干しドゥレッラのモストを添加、1年間シュールリーの状態で熟成、2016年2月にデゴルジュマン、補てんワインとしてはモンテマーグロ2015を使用したワインになります。名前に微発泡を指すフリッザンテを冠しているのですが、ガス圧が異様に高いです(アリオーネの約2倍!!!)。このワインを熟成させていたダニエーレのガレージの床には、暴発し割れた数十本分のボトルが散乱していました…。キッチリ冷やしてから開けるようにしてくださいね。

そしてこちらも初リリース、ダニエーレ印のオリーヴオイルです!!!ダニエーレの住むところはもともとオイル用にオリーヴを栽培する伝統のない地域なのですが、温暖化の影響なのか近年植える人が増えています。ダニエーレもその1人で、自家用の余剰分を販売することにしました。ヴェネト州で唯一オリーヴオイル生産の伝統があるガルダ湖周辺のオイル同様に、非常にデリケートな味わいです。風味が飛びやすいと考えたダニエーレは小さめのボトル(500ml)にボトリングすることにします。開栓後はできるだけお早めにご使用くださいとのことです!!

CaseCoriniイメージ2016_07_22

こちらも皆さんお待ちかね、ロレンツォ コリーノ博士率いるカーゼ コリーニのワインも入ってきました!

礼儀正しく、言葉遣いも丁寧で、酸化防止剤完全無添加ですべてのワインを仕込むだけあってセラー内は常に清潔に保つロレンツォですが、基本天然ですし、以前は本当に多忙だったこともあり、多くのことをないがしろにしていました。ボトリングしたワインは自宅兼セラーとは別の場所に保管しているのですが、そこにはつい先日まで電気さえも通っていませんでした。なのに懐中電灯も置いていないため(仮にあっても電池切れだったり…)、ロウソクに火を灯してお目当てのワインを探すのですが、最悪の場合はマッチが1本も残っていなかったり…。建築家である息子グイードが本格的にワイナリーの活動に参画するようになってから、様々なことがキッチリしてきています(さすがは建築家!)。(ボトルの保管場所にも)電気も通りましたし、砂ぼこりまみれも解消したしで…。

「僕はもう見ているだけで何もしてないよ。老人はこうやって徐々に若い人に席を譲っていかないと。」とロレンツォ。グイードが関わってくれることが本当に嬉しいようです。

CaseCoriniメインラベル2016_07_22

今回は9つのワインが入荷。(※弊社在庫は完売しております2016/7/25)

僕のゴリ押しで生まれたワイン、ヴィノット(ヴィナイオータ?)は2011&12&13のブレンドとなります。プレスワインをフリーランで出たバルラなどを加えて“補正”(とロレンツォは言います…でも僕には負け惜しみにしか聞こえない(笑))したワインです。07,09,10に続いて今回で4回目となるのですが、一番“危うい”感のあるワインかもしれません。今春訪ねた時に開けたボトルだけがそうだったのかもしれませんが、瓶内で揮発酸が若干高くなっちゃったかのような…“安牌なワイン”が欲しいという方にはまったくもってお勧めしません。逆に怖いもの見たさのお客様は大歓迎です(笑)。

バルベーラ&ネッビオーロのアキッレは、ほんの少しバルラ07が入っている07が再入荷、大樽を満たすためにエイやっ!と混ぜてしまった11&12のブレンドが、それぞれ届いています。どちらももう既に美味しいワインです。この後でご紹介するワインを開けるのをグッと我慢する間、アキッレでしのいでください!

樹齢80年を優に超える区画バルラの2010年も再入荷しました。07や09ほどのボリューム感はないので早々に飲み頃を迎えるのかと思いきや、若干閉じ気味の2010。それこそトリンケーロのノビウス2010の閉じ方に似ているかも…。もうしばらく猶予を与えてあげてください!!

そして超極少量入荷のワイン5つですが、以下の通りです。
1.ブリッコ2012
2.ブリッコ2011
3.バルラ2012
4.バルラ2007
5.チェンティン2011

ブリッコは、ロレンツォ宅に最も近い区画でロレンツォが父ピエリーノから譲り受けた初めての畑だったそうで、「お前の好きなように使いなさいと父は言ってくれたから、本当にありとあらゆることを試したよ」とロレンツォ。ほとんど栽培されることのなくなったピエモンテの土着品種を栽培したり、ボルドー液さえも一切使わないで栽培してみたり(その年は結局一切収穫できず…)…。ロレンツォが所有する区画の中で、最もタニックで野趣あふれるワインがこのブリッコのワインだと僕は思っています。

バルラ2012は、極端な天候で収量がとても少ない年になってしまいました(ですので、アキッレも2011とブレンドする必要があったのかも…)。ワインとしては09よりも10に似ているでしょうか。07は再々再々再々入荷くらいになるでしょうか(笑)。

チェンティンはアキッレの区画のネッビオーロほぼ100%(ほんの少しバルラをブレンドします。05だけが今のところ唯一ネッビオーロ100%でリリースされたのではないでしょうか。)のワイン。一言でいうなら…偉大すぎるワインです!!!!!!!!いちどジャンニ カノーニカを連れてロレンツォのセラーに行ったことがあるのですが、ジャンニがバルラの畑で見せた、なにか特別な宝物でも見つけてしまった少年のように興奮を抑えきれない表情と、セラーでチェンティン2011年を飲んだ時に見せた驚愕の表情は一生忘れません!

「今のカーゼ コリーニがあるのは、当初から私たちの哲学理念を理解し、強く支持してくれた日本の消費者のおかげだと思っています。ですから、日本の方が困っている時には、我々にできる最低限のことは喜んでやらせていただきます。」とロレンツォ&グイード。そんな彼らから今回入荷のバルラ07全量とアキッレ07を48本プレゼントしてもらいました!5年前の義捐ワインプロジェクトと同様に、これらのワインの売り上げ金全額を熊本地震で被災された方に寄付したいと思います。

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