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2023-05-23

ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】 イル カンチェッリエーレ / カンティーナ デル バローネ / カンティーネ デッランジェロ

①セミナー動画 (質問コーナー|11:10~)

ヴィナイオッティマーナ2022 P4 DAY2に行われたセミナーの様子です。今回来日したのはカンパーニャ州から、カンティーネ デッランジェロの当主のアンジェロ、カンティーナ デル バローネの当主ルイージ、イル カンチェッリエーレのクラウディオです。それぞれのワイナリーは20~30kmしか離れておらず、とても近くご近所さん。それぞれ栽培しているのは1種類のブドウのみ。ルイージは、フィアーノ。アンジェロはグレーコ(ほんの少しコーダディヴォルぺを栽培)、クラウディオはアリアーニコ。ご近所かつ栽培しているブドウも異なり、それぞれ異なる土地を体現しているということから3人でサロンに出展するなど一緒に活動しています。

②造り手紹介 (00:00~)

イル カンチェッリエーレの造り手紹介、詳しくはこちらから。
カンティーナ デル バローネの造り手紹介、詳しくはこちらから。
カンティーネ デッランジェロの造り手紹介、詳しくはこちらから。

③造り手への質問と回答

Q1. カンティーナ デル バローネとカンティーネ デッランジェロと、どちらもカンティーナつまり、イタリア語で「セラー」を意味する単語が入っていますが、カンティーナ(単数)と(カンティーネ)複数ですが、理由を教えてください。(11:10~)

A1. (アンジェロ)僕のセラーは、ボトリングしたワインをストックして置いておく場所、醸造設備がある場所など、色々な設備がそれぞれの建物になっています。なので、建物がいくつも点在しているということで、カンティーナ(セラー)の単語を複数形にしています。

一方で、ルイージのセラーには建物が1つなので単数になっています。

Q2. 3人で一緒にサロンなどに出ていますが、どのようなキッカケで仲良くなったのでしょうか?(13:45~)

A2. (クラウディオ)僕らは2006年に知り合いました。その年はアンジェロが初めてワインを仕込んだ年でもあり、そして奇しくもルイージは父親からワイナリーを引き継いだ年でもありました。その年に同じカンパーニャ州のカンティーナ ジャルディーノの開催したサロンで初めて会って話してみると、畑でのアプローチの仕方や、ワイナリーでの仕事の仕方など共鳴する部分が多かったのです。つまり、人為的な介入をどこまで避けることができるか、というコンセプトの部分です。

モンテマラートはアリアーニコにとって理想的なテロワールといえますし、グレーコ ディ トゥーフォと呼ばれるワインが生まれるように、トゥーフォはグレーコに適したテロワールであること。3人ともとても近いにも関わらず、それぞれのゾーンを余すことなく表現する土着品種があること。その土地に適したブドウがあって、その土地でそのブドウでワインを造ることが、ワインの素晴らしさなんです。

僕達はイルピニア地方のことやワインを、もっと世界に広めていきたいと思っています。イルピニア地方のことを広めたいと思った時に、自分のワインだけではなく、全く異なるテロワールを表現するワインがあるのだから一緒に活動するのが良いと思ったからです。

Q3. ルイージがアンジェロのワイナリーの醸造責任者(エノーロゴ)を務めているとのことですが、同時に畑の責任者でもあるのでしょうか?(22:00~)

A3. (ルイージ)はい、どちらもアンジェロのワイナリーで務めています。

Q4. 同じアリアーニコから造るカンティーナ ジャルディーノのレ フォーレというキュヴェと自分のワインと比べると、特にどんなことが異なると感じますか?(24:00~)

A4. (クラウディオ)僕らの畑には樹齢50年の樹が植わっている区画があるのですが、そこのブドウはカンティーナ ジャルディーノ専用の区画です。そこで取れたブドウは、年によって使われるワインは異なりますが、ドロゴーネ、クラウン エノローグ、ヌーデなどに使われています。そのため、厳密には比較のしようがないのです。

④まとめ

カンパーニャ州の造り手のなかでも控えめな3人のワインですが、その土地をワインで表現するという覚悟や、イルピニア地方のことを世界に広めたいという想いのもとサロンなどで誰かが欠席する時には、代わりにワインを紹介したりするという話からも、3人で助け合いながら活動している姿が印象的でした。今回のセミナーがこれからの彼らの活動に注目するキッカケになったらいいなと思います。
(担当:中林)

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