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2023-05-29

ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】グラヴネル

①セミナー動画 (質問コーナー|02:48~)

ヴィナイオッティマーナ2023 P7 Day2に行われたセミナーの様子です。フリウリ・ヴェネツィア=ジューリア州より、当主ヨスコ グラヴネルの娘さんのマテイアが来日してくれました。1901年に現当主のヨスコの曾祖父が、2haの土地と家を購入することで農場としての活動を開始、1970年代後半にヨスコが自家元詰めを始めました。

②造り手紹介 (00:00~)

グラヴネルの造り手紹介、詳しくはこちらから。

③造り手への質問と回答

Q1. お父さんと一緒に仕事をすることに、難しさを感じることはありますか?(02:48~)

A1. ((“笑笑笑“))めっちゃいい質問!ヨスコは、マーケットが要求することとか、市場が要求することとかを理解させることとかは、全く意味がないことだと思っています。わたくしの父親というのはある意味、自由であるべきだし、自由でなければいけない。ありとあらゆる先入観とか市場が要求することとか、流行りにしたがうこととか、全ての事柄から、彼は自由であるべきだと私は考えています。マーケティングというのは、市場でどういうものが求められているのか?そこに対して自分たちが、どうアジャストできるのか?ということを考えていくのが一般的です。ですが、グラヴネルとしてのマーケティングというのはその逆で、ヨスコがその時そう感じて、あるべきだと思っていたから行ったとか、その時代時代で、ラディカルな決断をしてワインを造ってきたわけなのですが、むしろ、マーケティングのほうを、彼の考えや感じたことにアジャストさせなきゃいけない。普通の逆を行っていかなければならないため、ヨスコの考え方に自分がどれだけ逸れるか、市場(マーケット)にどれだけ自分が伝えられるかが重要で、要するに、そんなに簡単なことではないですね。

Q2. 2018年に取引を開始する際、ヴィナイオータにはどのような印象を持っていたのですか??(7:00~)

A2. 私たちの仕事というのは、今日みなさんが飲んでいるワインとか、白ワインでも2013年ヴィンテージとかを用意しているわけですが、つまり、10年前にヨスコが感じたり考えたりして造り上げたワインというものを今日みなさんは飲むわけで、10年前の彼のアプローチを体験しているわけですね。ですから、その過去から現在にかけての長い深いビジョンを経て、今10年後にこのワインが出ているのか、ということをちゃんと私たちの想いとお客さんの飲むという現場がなんだか上手く繋がらないな…という感じを覚えていました。そんな中、ヴィナイオータに関しては、友人である他の造り手からも、繋ぎ役としてはベストの存在だとは聞いていたので、そういう印象をもっていました。

Q3. 現在 32haの畑のうち15haがブドウ畑で、数年後には更に、18haに広がる予定…とHPで見ました。今後、何か計画していることはありますか?(10:30~)

A3. 畑での仕事は、私たち家族以外にも従業員がいる状態で運営していますが、収穫したブドウをセラーで、どうのようにまわすのかと考えたときに、20haくらいが自分たちが家族経営の規模で管理できる最大の面積なのではないか、と考えています。ですので、20haくらいまで栽培面積を増やしていきたいと思っています。グラヴネルの場合は、新しい畑を作るときに関しては、出来上がっている苗木を植えるのではなく、台木であるアメリカ系の野生のブドウの苗を植えて、ある程度数年経って育った段階で、畑の中で接ぎ木をしていくため、余計に2年が掛かるようなブドウの植え方をしていますが、ここ最近の酷暑や必要以上に渇いているシーズンが多かったせいで、あまりその台木が育ってきませんでしたので、今植えた18haが生産体制に入るまでにも数年遅れている状況が予想されると思います。最終的に20haまでいきたいと思います。今現在、15haの畑から2万本ほどのワインを造っています。それが、20haが生産体制に入った段階で、30,000本~35,000本ほどの生産量に到達することを目標にしています。それが意味するのは、1haから1,500本ほどを造れたら良いな、ということです。

Q4. グラヴネルのワインを、日本で飲む機会があまり頻繁にあるわけではないのですが、食事と合わせてというより、ゆっくり飲むというイメージで僕は飲んでいますが、造っているご家族の方々はどのように飲んでいますか?普段の食事で、自分のワインを日常的にで飲んでいるのか?それとも、日常では違うものを飲んだりするのか?(15:28~)

A4. 前菜替わりにすごい量のサラダを食べるのですが、そのあとに、パスタやリゾットを食べたあとにメインを食べます。メインは煮込み料理が基本的に多いのですが、そのあとにチーズなども食べるときもあります。私たちは生活の中で、ただワインだけを飲むというケースはほとんど無く、私たちがワインを飲むのは食べながらというケースでしか、基本的に飲みません。食事の間中、ずっと飲んでいます。ワイン自体がとても主張があるように、合わせるのがとても難しいという風にイメージされることが多いのですが、普通にサラダからリボッラジャッラとか飲んでも、ケンカするわけでも無いですし、最終的にはお肉やチーズに対しても負ける要素が無いワインです。ある部分、みなさんがイメージしている以上に、合わせやすいワインだと私は思います。

④まとめ

マテイア:「自然を相手にした、ヴィンテージが寛大ではなく、内心「キツイなー」と思うような瞬間もあるわけですが、それをも圧倒的に帳消しにしてくれるような精神的なバックアップなども感じられて、今回はとてもハッピーに思っています」とのことでした。私も彼らのワインを飲んだときには、深くため息が出るようなハッピーなひと時をプレゼントしてくれている気がしていますし、今回のセミナーで、更に絆のようなものが深まったように感じました。マテイア、ありがとうございました!(担当:小沼)

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