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2014-09-04

【新入荷】2014年9月その1&2(Cantina Giardino,Il Colle,Le Boncie,Trinchero)


カンティーナ ジャルディーノのアントニオと奥さんのダニエラ

今年は、ほぼ全イタリア的に雨の多い年で、今夏も気温の高い日があまりなかったようで、収量的にもブドウの品質的にも難しい年になりそうです。ヴェネト州は雹害も激しく、弊社の造り手ですと、ダヴィデ スピッラレとラ ビアンカーラは甚大な被害を被りました。ダヴィデで通常の半分以下、ラ ビアンカーラに関しては、5月の雹でピーコはゼロ(残った僅かばかりのブドウはレチョート用に)、サッサイアも8月の雹で通常の20%程しか生産できないだろうとのことでした…。
ショックを受けたアンジョリーノから、何か元気づける言葉をかけてくれ!と言われたので、こんなメールを書きました。


アンジョリーノ、
一連の事、本当に残念に思うし、何と言葉をかけて良いのやら全く思いつかないよ。
とはいえ、良かれ悪しかれ、自然がうちらに与える“仕打ち”も、それ自体が自然の一部なわけで…。
自然が、そういったきつい冗談を時々かますという事をうちらは決して忘れてはいけないし、(その冗談、仕打ちを)受け入れる心構えは、常にしておかないといけないと思うんだ。
もしかしたらアンジョリーノは、
「こんな酷い被害は、(ワイナリーの歴史上)起こったためしがない」
と言うかもしれないよね。
だけど、うちらに起こる様々な事件・出来事って、過去に既に体験したことのあるレベルの事ばかりが起こるわけじゃないわけで、それ(前例のない被害を被ったという事)自体も、普通の事と言えるよね?
予想可能な事やコントロール下に置くことができる事ばかりが起こる人生なんて、面白くもなんともないと思わない?
話は一瞬逸れるけど、Crisi(英語だとCrisisクライシス)っていうと、今では危機的な状況そのものだけを指すような言葉として認識されているけど、もともとは決定、転機、機会を意味しているらしいよ。つまり、困難な状況をどう捉えるか、それをどう対処するかによって、好転させることができるってことなんだと思うんだ。様々な困難を乗り越えた先に、“成長”ってあるもんだよね。
落ち込む気持ちも分かるけど、起こってしまったことに関しては考え過ぎず、今は残ったブドウでベストを尽くすことに集中してよ!
アンジョリーノなら出来る!!!!                                                                 ヒサト


何年か前にパーネヴィーノのジャンフランコが、
「良く、“例年に比べると2-3割の減収”とか言ったりするけど、多い少ないにかかわらずブドウを、ちゃんと賜ったという事自体がすでに奇跡なんだと思うんだ。」
と言ったのを思い出しました。不測の事態が起こる可能性があると強く自覚できていれば、僕たちが普通と思ってしまっている事そのものが特別な事、有難いことなのだと思えるようになるのではないでしょうか?自然と強く関わり合いながら仕事をしているアンジョリーノでさえ忘れかけてしまうくらいですから、僕たちはそれをより意識していくべきなのかと…。
2014年にダヴィデ&アンジョリーノを襲ったクライシス(危機)は、2015年に日本(ヴィナイオータ?)にも“カジュアル白ワイン クライシス(飢饉)”という形で訪れることが分かっていますので、それを新たなチャンスとできるよう、しっかりと迎撃準備を整えていきたいと思います。実は、ある意味奇跡的なタイミングでなのですが、その価格帯の白ワインの造り手2軒との取引が決まっています!!!年内にはご紹介できると思いますのでお楽しみに!!!!
では、新入荷ワインのお知らせです。9月もヴィナイオータは火傷しそうなくらい熱いです!!!!
弊社が付き合っている造り手の中で最もファンキーな造り手は?と言われれば、間違いなくカンパーニアのカンティーナ ジャルディーノ(以下カンジャル)ということになるかと。既に多種類のワインを造っている彼らですが、彼らの遊び心&実験精神はとどまることを知らず、またしても新しいワインが出てきました!!!普段飲みできるようなカジュアルな価格帯のワインを!という事で生まれたのが、マグナム ボトルのワイン、 ヴィーノ ビアンコロッソです。白は2012年のフィアーノ(70%)、グレーコ(27%)、コーダ ディ ヴォルペ(3%)の混醸ワイン(当然のことながら皮ごと醗酵させてます!)、赤は、09,10,12ヴィンテージのアリアーニコをほぼ同比率でブレンドしたワインになります。そしてグレーコ100%のフリッザンテ、メトド オリンピア(オリンピア方式)2011も届いています。オリンピアは、カンジャルに高樹齢のグレーコのブドウを供給するおばあちゃんの名前で、彼女自身、自家消費用に微発泡のワインを造るのですが、その手法をカンジャルも真似て造ったのが今回のワインです。ベースのワインは普通に醗酵させて辛口に仕上げ、翌年の10月、凍らせて取って置いたグレーコのモストを添加して瓶内2次醗酵を促したワインです。2次醗酵が終わるのに1年以上かかってそうで、このタイミングでのリリースとなりました。酵母添加も行っていないため、ボトルによっては残糖があるものもあるそうです。コーダ ディ ヴォルペの白、パスキは12年が、アダム08は、カンジャル的には過去最高の出来だそうで、ビンでゆっくり寝かせ、満を持してのリリースとなります。ヴィーノ ビアンコとメトド オリンピアとパスキが極少量のみの入荷となっておりまして、限定ワインとさせていただきます。特にビアンコとメトド オリンピアに関してですが、皆さんからのリクエスト(の多寡)次第では1本もご用意できないお客様も出る可能性があるという事もご了承ください。チーム カンジャルの住むアリアーノ イルピーノは、小麦やオリーヴの栽培が盛んで、今までリリースされてきた彼らのオイルは今回届いた2013年の500mlのものも含め、カンジャル一家の持つオリーヴ畑で獲れた、ラヴェーチェ種100%のオイルで造られています。に対して、今回届きました3000mlの缶のオイルですが、数年前にタウラージのゾーン内のモンテマラーノに購入した畑のフラントイアーナ種とオリアローラ種をアリアーノ産のラヴェーチェとブレンドしたものとなります。

モンタルチーノの恐るべきハイコストパフォーマンスぶりの造り手、イルコッレからはロッソ12年が480本(僕の注文メールが遅れたために、こんな少ない本数となってしまいました…すみません)、ブルネッロ07(濃厚)の最終在庫300本とブルネッロ08(エレガント)が大量に入荷です!!!ロッソとブルネッロ07は限定とさせていただきます…。
みんな大好き、マッサ ヴェッキアからは13年のオイルと06のグラッパが届いています。彼らのセラーに、まだ05のグラッパの在庫があるからという事で、06のグラッパ、全量を引き取ってしまいました(笑)。と言っても、ワインの総生産本数が10000-12000本程度のワイナリーですので、全てのワインのヴィナッチャをまとめて蒸留しても僅かなもので、06で420本くらいにしかなりませんが。彼らの他のワインですが、来年早々に一通り入荷する予定ですが、入った瞬間に消滅するというサイクルは崩れないと思いますので、現在オンリストしている甘口のワイン(パッシート、現在は10年を絶賛販売中です!在庫僅少!!)とグラッパとオイルをどうぞよろしくお願いします!!
レ ボンチエのキャンティも気が付いたら09が売り切れてしまいましたので、10をリリースします!09に比べると端正な印象ですが、彼女のワインにありがちなつっけんどんな感じもなく、もう既に楽しめるワインだと思います(もちろん、数年寝かせてもらっても面白いのですが…)。ほんの少し前まで、3-4ヴィンテージの在庫を抱えていたような気がするのですが、ようやくリセットできました!!次はDOCGキャンティでなくなってしまったレ トラーメ11を今秋引き取ります!!ご存知のように、売れ残っていたらガッツリ買うつもりですので、皆さんもご協力よろしくお願いいたします!!!!!

そして!!!!!今回の目玉はといいますと…、
「ダダ(僕の呼び名)、遊月(ゆづき、娘の名前)ってどれくらいワイン持ってるの?100本?」と娘。
「ゆづちゃん、100本なんてもんじゃないよ!!いいいいいいいっぱい持ってるよぉ。そのうちアユート!みたいな、ゆづちゃんのワイン造ってもらうから、もうちょっと待っててね。」と、当てもないのに約束してしまった僕だったわけですが、チャンスは突然訪れました。
今春トリンケーロを訪ねた際、
「次のアユート!ロッソなんだけどさ、いいワインがあるんだよ。ヒサト、そういえばお前の娘って2009年生まれだったよね?」と言いながら向かった先にあった樽には、VinoRosso(ヴィーノ ロッソ)とだけ書いてある…。
近年、EUレベルでの法律が厳しく、樽ないしタンクの中にどんなワインが入っているのかをちゃんと明示しておかないと罰せられることもありまして、DOC、DOCGないしIGTのワインに関してはよく、
Vino atto a divenire XX DOC (XX DOCワインになる適性を備えたワイン)
と書いてあったりするのですが、ヴィーノロッソとしか書いていないという事は、VdT(ヴィーノ ダ ターヴォラ)、つまりテーブルワインで、ラベルへのヴィンテージ表記も許されないワインという事で…。

<写真は左からTrinchero、右上Campi di Fonterenza、右下Massa Vecchia>

「で、このワインて中身なんなの?」と僕が聞くと、
「ああ、ヴィーニャ デル ノーチェ(以下VDN)の09」と平然と答えるエツィオ。
当たり前ですが、滅茶苦茶美味しいぃぃぃっ!!これがなぜヴィーノ ロッソ?なぜ普通にVDNとして売らないの??という疑問が頭に渦巻いたままのところに、
「09といえば、もう1つすげえいいワインがあるんだよ」と言って飲ませてくれたのは、パルメと呼ばれる区画に、1982年に約2ha植えられたバルベーラでした。これまた更にパワフル&タニックでVDNよりも荒々しいけど、すんばらしいワイン…。なんでも、東向きにやや傾斜した畑で、日光を1日中浴び、土壌も素晴らしく、いつもアルコール度数、ストラクチャーがしっかりしていて、素晴らしい香りのブドウを生み出す土地だそう。
「VDNが1樽、VDNとパルメが半々のが1樽、パルメ単一の樽が2樽あるんだけど、どうよ?」とエツィオ。
「え、それって合計4樽で1樽5000リットルだから…約3万本??????ひええええ。でも、1樽分ずつ引き取っていいのなら行く!!!」と僕。
味わいを一定にするために4つの樽のワインをブレンドし、ボトリングしてもらったものが今回のa-iuto!(ア ユート)ならぬ、a-yuzuki!09(ア ユヅキ)となります。息子の遊人には申し訳ないですが、彼のヴィンテージ05に比べると09は全てがリッチですし、欠点のかけらも見当たらないワインです。(ですが、アユート!05も、もうしばらく時間を与えてあげて、あの揮発酸が落ち着いた頃にはとんでもないことになると思います!!)
そんな凄いワインをなぜテーブルワインとしたのか?という疑問に関しては、概ね答えは分かっていたのですが、一応聞いてみたところ、こんなメールが届きました。


2009年のバルベーラは、アルコール度数も高いし、マッチョで、色も物凄く濃いワインとなっちゃったから、絶対に官能検査を通らないと思って、最初からDOCGの申請をしなかったんだ。自分たちに限らず、テロワールを内包したワインを造ろうとしている他の(誠実な)造り手たちも、彼らのワインが官能検査では理解、評価されず、(ワインを原産地呼称委員会の望むように補正したうえでの)再検査を指示されたり、落第という烙印を押されたりしているのは、ヒサトも知っての通りで、だからうちらはDOCGを申請する量を意識的に減らしているんだよ。
彼ら(委員会)は、多くの製造過程での多くの補正により実現した醸造学的に欠点のない完璧なワインを支持してるけど、うちらはそんなワインに興味ない。だから、できるだけ原産地呼称という権威の力を借りずに前に進むために、ヴィーノ ロッソとして出すようにしているのだけど、マーケット全体がこの選択を理解してくれるわけでもないから、DOC,DOCGから完全に“足を洗う”というのはなかなか難しくて…。
2010のバルベーラも半分は落とされて、もう半分は通りはしたけど、“(酸化防止剤を添加して、)もっと保護すべし”という一言と共にギリギリ通った感じ。
そして一度、DOCGの認証をもらったら、6か月以内にボトリングをしなくちゃいけなくて、それを過ぎてしまうともう一度申請し直さなきゃいけないっていう…。1回通ることだってうちらには大変な事なのに、再申請してまた合格するだなんてお気楽に考えてられないし…。そして6か月ってあっという間なんだよね。例えばなんだけど、今年の5月に2010年のバルベーラの認証が取れたんだけど、11月中旬までにボトリングしなきゃいけなくて、今回の場合それが意味するのは225ヘクトリットル、つまり30000本分のワインをボトリングするという事で…セラーのどこに30000本ものワインをストックしておくスペースがあるっていうんだよ…はああああ。            エツィオ


というわけで、ヴィナイオータとしましては、今後もガンガン引き取っていきたいと思っております!!!何しろ3万本です。皆さんの清き1本が必要です、何卒よろしくお願いします!!味は保証しますので。
ア ユヅキ!の兄弟分、アユート ビアンコ11も入荷しています。こちらも本数買う条件で安くしてもらっています!!
ちょっと最近反抗期(笑)かもしれないノビウス09(ネッビオーロ)の残っていた現地在庫もかっさらってきました。結局生産量の7割くらいを弊社が買ったんじゃないでしょうか。
トラビック メルロー11も600本追加で入荷しております。どれも素晴らしく美味しいトリンケーロのワインの中で、ある意味最も(見た目的に)地味なのかもしれませんが、味わいはなかなかのものですので是非!
近年リリースされるエツィオのグリニョリーノは、毎年毎年自己ベストを更新している気がするのですが、今回入荷の12年は、とある“高み”に到達したワインだと思います。グリニョリーノというブドウの個性、特性を掴み切って、醸造、ボトリングのタイミングを決めたワイン、はっきり言って傑作です。
そして、樹齢70年オーバーの畑、バルスリーナの07も届いています。エツィオ曰く、本当に個性的で偉大なバルベーラとしては、1999に比肩する年との事です。こちらも是非!!
文:太田 久人

111 nuovo14.09.04

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