造り手紹介 デ バルトリ その2(2015.1筆)

 マルサーラ編だけであの長さになってしまいましたが、実はデ バルトリ、別の場所にも畑&ワイナリーを所有していまして、今回はその話を。

 マルコの情熱はマルサーラだけに留まらず、パンテッレリーア島(シチリア本島とチュニジアのほぼ中間地点にある島)でのブドウ栽培&ワイン醸造にまで及びます。
 1980年頃、南西向きの標高200mのブックラム(アラブ語で“ブドウ畑の父”の意)という地区に5haの畑と、1700年代に建てられたこの島独特の建築様式の家屋、ダンムーゾを購入し、そこをワイナリーとします。

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ブックラム!

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ダンムーゾ

 パンテッレリーアでワインと言えば、天日干ししたズィビッボ(マスカット)から造られるパッシート ディ パンテッレリーアのことで、その歴史はギリシャ神話にも登場するほど古く、かのカサノヴァも女性を籠絡するのにパンテッレリーアのパッシートを利用していたそうです。
 暑く、常に乾いた風が流れる島の気候は、ブドウを干すうえでは理想的な環境だったため、ワイン用にとどまらず、食用の干しブドウの一大産地(イタリア国内で出回る干しブドウの大半がパンテッレリーア産だったそうです)でもありました。

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ジビッボ、添え木も何もなく、強い風をしのぐために低く仕立ててあります。場所によっては、クレーターのような小さな穴に一株ずつ植えてあるところも。

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オリーブの樹も風でこんな変な形に

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干しているブドウの天地返しをしています
 
 戦後、人口も減り、栽培放棄される畑も増えてきたこの地で、かつて(遠くは数千年前!)の名声を取り戻すべく、84年からパッシートの醸造を開始、現在では3種類のパッシートが造られています。
 89年からは、北東向きの標高400mのところでジビッボの栽培を始め、ブックラムと比べると糖分も低く、酸度も高いブドウから、ピエトラネーラというスティルワインの生産も開始します。

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栽培放棄された畑

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そんな畑にも、こんな立派で健全なブドウが普通に生ってました!!!そして普通に凄く美味しい!!!

 レナートの弟のセバスティアーノがパンテッレリーアに常駐し、畑の管理等を行っています。

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真ん中がセバスティアーノ、その隣にあるのは、彼の彫刻作品。家のいたるところに彼の作品が。

 で、今回来日するのは…、

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3人兄弟の末っ子、ジュゼッピーナ!!この写真のジュゼッピーナ、綺麗過ぎる…。加えて、シャイで、アニメ声…多くの日本男子の琴線に触れること間違いなし!!

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ブックラム1987!!おいしいぃぃぃぃっ!!!

 見ていただいての通り、彼女を見に来るだけでも、オッティマーナに来る価値はあるのではないでしょうか?(爆)

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