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2021-08-25

造り手紹介 Daniele Portinari / ダニエーレ ポルティナーリ

造り手 : Daniele Portinari / ダニエーレ ポルティナーリ
人 : Daniele Portinari / ダニエーレ ポルティナーリ
産地(州): ヴェネト
ワイン : Tai Rosso, Nanni, Pietrobianco, Garganega
所在地 : Via S.Fermo 22, 36045 Lonigo (VI) – Italia <MAP>
Web : http://www.viniportinari.it

1970年代、ダニエーレの父親はヴェネト州ヴィチェンツァから南に30kmのアロンテにあるコッリ ベーリチの標高200m、石灰岩を含む粘土質土壌の4ヘクタールの畑にブドウを植え始め、近くのワイナリーにブドウを売って生計を立てていました。ダニエーレも父親の畑を手伝っていましたが、1990年代後半に隣の生産地域ガンベッラーラに住むラ ビアンカーラのアンジョリーノ マウレと知り合ったことで人生が大きく動き始めます。

ソアーヴェという巨大なワイン銘柄を支えるゾーンから外れたこの地域ではブドウを売却しても二束三文、有機栽培をしてもブドウの価値は重さでしか量られません。ブドウ栽培農家として限界を感じていた彼にとって、自分と同じように無名の土地から世界中にナチュラルなワインを発信するアンジョリーノは特別な存在に感じたことでしょう。

そんなアンジョリーノの勧めもあって、ダニエーレは子供たちの未来も考え覚悟を決めました。2004年から化学肥料や農薬に頼らない農業へと本格的に転換を図ります。その後、無名ではあるものの、特に赤ワインに関して偉大なポテンシャルを持つコッリ ベーリチという地域にもっと光を当てたいと考えていたアンジョリーノと、ブドウを売っているだけでは、どんなに質の良いものを作っていても意味がないと感じ始めていたダニエーレは、アンジョリーノの強い後押しで、2007年にアンジョリーノから使い古しのバリックを1つ借りてメルローを仕込み、出来映えに確信を得た2008年から生産量を増やし始めます。

2012年以降は、他のワイナリーにブドウを販売することをやめ、全量を自家醸造、自家瓶詰めすることに。アンジョリーノの元に集うもう1人のダニエーレ ピッチニンもそうですが、彼らの郷土に対する思い入れや愛情はただならぬものがあり、その気持ちが、その土地の伝統やルーツなどを守りたい、継承したいと思う気持ちとなり、それがブドウに乗り移り、さらにそれがワインへと昇華しているよう。ポルティナーリのワインからも、彼自身の魂をぜひ感じて頂きたいです。

<ワインラインナップ>

●Pietrobianco(ピエトロビアンコ)
品種:ピノ ビアンコ、タイ ビアンコ(フリウラーノ)

ダニエーレの父親が植えたピノ ビアンコ、タイ ビアンコで造られるピエトロ ビアンコは次男ピエトロの名前が付けられ、2009年がファーストヴィンテージ。例年8月下旬ごろブドウを収穫、除梗を行わず軽く潰し、そのままマセレーションと野生酵母によるアルコール醗酵を行う。圧搾後ステンレスタンクにて数週間醗酵の続きを行い、澱を沈める。澱引き後ステンレスタンクに戻し熟成。ノンフィルターで瓶詰め。

 

 

 

●Garganega(ガルガーネガ)
品種:ガルガーネガ

新たに植えられたガルガーネガは、2015年から本格的な生産態勢に入ってきた。赤土粘土質のコッリ ベーリチ特有の豊かな味わいが特徴的なワイン。収穫されたブドウは除梗し軽くプレスされた後、24~36時間マセレーションする。圧搾後はステンレスタンクに入れ、8か月間ほど醗酵の続きと熟成。ノンフィルターで瓶詰め。

 

 

 

●Tai Rosso(タイロッソ)
品種:タイ ロッソ

古くからこの地域で「トカイ ロッソ」という名前で親しまれてきたタイ ロッソだが、1950年代から続いたハンガリーとの「トカイ名称論争」に終止符が打たれ、2008年ヴィンテージ以降のラベルにはタイ ロッソと記載することが義務付けられていた。そして「トカイ フリウラーノ」はフリウリで栽培されたものを「フリウラーノ」、ヴェネトで栽培されたものを「タイ ビアンコ」と呼ぶことに。

スペイン原産のこのブドウ品種はスペインではガルナッチャ、フランスではグルナッシュと呼ばれ、イタリアでもサルデーニャ州ではカンノナウ、トスカーナとラツィオ、ウンブリアの各州ではアリカンテ、マルケ州ではヴェルナッチャ ディ セッラペトローナと様々な呼び名で栽培されている。コッリ ベーリチで収穫されたタイ ロッソは除梗され、2~3週間のマセレーション、野生酵母によるアルコール醗酵を行う。圧搾後ステンレスタンクにて数週間醗酵の続きを行い、澱を沈めたのち、使い古しの樽に移し替え熟成。ノンフィルターで瓶詰め。2009年がファーストヴィンテージ。

 

 

 

●Nanni(ナンニ)
品種:メルロー、カベルネ ソーヴィニョン

ダニエーレの父親が植えたメルローとカベルネ ソーヴィニョンで造られたナンニは長男ジョヴァンニの愛称が付けられ、2008年がファーストヴィンテージ。年によって異なるが、およそ10~15日間のマセレーション、野生酵母によるアルコール醗酵を行う。圧搾後ステンレスタンクにて数週間醗酵の続きを行い、澱を沈めたのち、使い古しの樽に移し替え熟成。ノンフィルターで瓶詰め。

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