【新入荷】2020年12月その1 (Vodopivec, Davide Spillare, Gravner, Fonterenza, Santa Maria, De Fermo, Natalino del Prete, Stefano Berti, Pierpaolo Pecorari, De Bartoli)
「おいしさの起源」を書き上げたいと善処していたのですが、頭の中を整理する時間を捻出することができず、今回は断念することにしました…。学生だった時分、国語の成績が良かったためしがないオータにとって、作文は本当に苦行なんです…。とはいえ、作文に向き合うことで、気付かされることがたくさんあることも分かってきましたので、逃げずに頑張りたいと思います!
それでは早速12月の新入荷案内行きま~す!
昨年のこの時期配信のメルマガで紹介しました、ヴォドピーヴェッツのヴィトフスカ2014年がようやく終売しました! 1500本を売り切るのに、1年近くかかってしまいましたが、今年に関しては致し方がないような…。なんにせよ、2018年夏に某国に理由もなく拉致され、廃棄処分すると宣告されていたワインが、無事日本にまで届き、皆さんにちゃんと飲んでいただけていると考えたら、売れ行きがゆっくりな事など些末なことに思えてくるから不思議です。(拉致話をご存じない方、お時間ある時にこちら https://vinaiota.com/blog/5117 をご一読ください)
パオロにとってのグランクリュ、ソーロ2014年はまだ400本ほど残っていますが、ソーロだけというのも寂しいので、2015年ヴィンテージをリリースすることにします!
2014年とはうって変わり、2015年は太陽に恵まれたヴィンテージ。どのキュベに関しても、我々がMr.ストイックと呼ぶパオロが醸したとは思えないほどに明るく外向的で、享楽的な雰囲気さえ漂うものとなっています。
2018年の秋、石川達也杜氏、福岡の名店 (迷店?) Fの2人と日本が誇るスーパーサービスマンN氏と一緒に造り手を訪ね歩いたのですが、パオロは僕たちをトリエステの最重要観光名所であるウニタ ディタリア広場に面する、内装も恐ろしくゴージャスなレストラン(料理も素晴らしかったです!)に連れて行ってくれました。持ち込ませてもらった2015年ヴィンテージのワイン (トップバッターはオリージネでした) を飲んだ石川杜氏、その予想だにしなかった味わいに跳び上がらんばかりの驚きよう…ではなく、文字通り椅子から跳びはねて驚いていました (笑)。
2015年ヴィンテージですが、オリージネ、ヴィトフスカ、ソーロの定番3種類に加え、ヴィトフスカH (アッカ)というワインがっ!!
全ての区画を自身が生まれ育ったコッルドゥロッツァ村に所有するパオロ、以前から手に入れたいと考えていた区画の所有者が、2014年ヴィンテージを最後にブドウ栽培をやめることに。パオロは即座にその区画を購入したい由を申し出たのですが、売買契約は難航。結局パオロが入手できたのは2015年の6月頃で、剪定もせずに放置されていた樹にはすでに2015年ヴィンテージのブドウが…。もともと彼が理想とするブドウ樹の仕立て方ではなく、その年を最後に樹を抜き新たに植え直す予定だったこともあり、そのままのワイルドな状態で収穫を迎えることに。
当初、その区画で獲れたブドウは、ノーマルのヴィトフスカに使用する予定でした。他の区画のブドウ同様に除梗し、プレスしたブドウをアンフォラに入れていたところ、一部の果皮&種がアンフォラの外にこぼれてしまったそう。ですが、まずはその日収穫したブドウをアンフォラに入れることを最優先することにし、こぼれた果皮をセラーの床にしばらく放置することに。そして数時間後、全てのブドウをアンフォラに入れ終え、(こぼれた果皮を) キレイに片づけようとしたところ、果皮が異様なまでに褐変していることにパオロは気が付きます。パオロ自身、そのようなスピードでヴィトフスカというブドウが褐変する例をそれまでに経験したことがなかったそうで、彼が思うに、ヴィトフスカというブドウが剪定というある種の人為的“教育”を受けなかったせいで、半野生化したした際に顕在化する特性なのではとの事…。
なんにせよ、他のアンフォラに入れたブドウ同様に、約半年間のマセレーションを施したとしたら、オレンジどころか茶色いワインができてしまうと危惧したパオロ、翌朝に圧搾し、モストだけを別のアンフォラに戻し醗酵を行うことに。果皮がなかったからか、醗酵は遅々として進まず、終わったのが翌春だったそう。そのまま澱と触れ合った状態で更に半年熟成させ、2016年秋に澱引きし、再びアンフォラへと戻して18か月熟成させた後にボトリングしたのが今回入荷のアッカです。アルファベットのHは、イタリア(語)では“無”を指すそうで、果皮がない状態で醗酵させたのでH (アッカ) という名前にしたそうです。
2018年の春のサロンでこのアッカを試飲した際、ワインをサーブしていたパオロの弟ヴァルテルは他のイタリア人のお客さんに向かって、
「皆さんがこのアッカというワインを飲むのは、今日が最初で最後の機会になると思います。なぜかと言うと、とある(ここだけ少々声大き目にして、僕に向かってウィンクをしながら)日本人が全部買うことになっているんです。」とオータにとっても寝耳に水な話をしているではありませんか。なので、「えええええええ、そうなんだぁ…。そうなのね… ホントに知らなかった…。皆さん、大変申し訳ありませんっ!」と謝っておきました (笑)。
ホントにヴィトフスカだけなの? マルヴァジーアとか少し入ってるんじゃないの??と疑いたくなるほどのアロマティックさを備えた、なんの引っ掛かりもない危険な飲み心地のワインです。恐らくですが、ヴォドピーヴェッツ史上最初で最後となるマセレーションを施していない、正真正銘の白ワイン (実際には鮮やかな黄金色を呈していますが…)となるのかと! 今回は生産量の半分に当たる600本の入荷となります。限定とはしませんが、オータは瞬殺すると踏んでおります…。お買い逃しなきよう!
ヴィトフスカ2015年の入荷数は潤沢ですが、オリージネ2015年は900本、ソーロ2015年は600本の入荷です。特にオリージネに関しては、持って2~3ヶ月といったところでしょうか…。第2便の引き取りも近々かける予定です!! そして、2015年ヴィンテージが終売次第、2013年ヴィンテージを再々リリースしようかと考えております。こちらもお楽しみに!
ご参考までに、オータの私見による味わいの開き具合チャート(?)を…
アッカ2015年&オリージネ2015年 > ソーロ2014 年> ヴィトフスカ2015年 > ソーロ2015年
といった感じとなっております!
ここ日本では、“(ラ ビアンカーラの) アンジョリーノの二番弟子” などという枕詞が一切必要なくなった感のあるダヴィデ スピッラレからは、2018年ヴィンテージのワインが一通りと、セラーに残っていたビアンコ ルーゴリの2017年が480本届いています。
ダヴィデのお祖父さんが植えた高樹齢のガルガーネガで造るワイン、ヴェッキエ ヴィーニェ2018年は、204本と入荷量も少ないこともあり、限定ワインとさせていただきます。
ルーゴリ2017年とクレスタン2018年 (1200本入荷)、エッレウーノ2018年 (540本入荷) に関しては、限定とはしませんが、早々に完売することが予想されますので、お気を付けくださいませ!
先日リリースしました、グラヴネルのビアンコ ブレグ2009年が早々に売り切れてしまったので、一緒に入荷していた2010年をリリースします!底抜けに明るい印象の2009年に対して、2010年はやや重心低めではあるのですが、とても外向的なワインです。こちらも300本程度の入荷本数ですので、一瞬で終わっちゃうかも…。お気を付けください! 2010年が終売次第2011年を、2011年(200本入荷)が終わったら2012年 (100本のみの入荷で、お値段も大変な事に…) をリリースする予定です!
前回のメルマガに登場したフォンテレンツァですが、もう1つご紹介すべきワインがあることを失念しておりました…。ビアンコスピーノ2017年がちょうど完売したこのタイミングで、新しい白をリリースします。トスカーナ州最南端沿岸部にあるカパルビオという地域の、信用のおける農家から入手した、ヴェルメンティーノ、アンソニカ、マルヴァジーア、トレッビアーノのブレンドで造ったフレッシュ&サクサクな飲み心地のワイン、ビアンコ2018年(L.2018) です! 他のワイン共々よろしくお願いします!!
同じくモンタルチーノのサンタ マリーアからは、年によっては農薬を一切使わない栽培といった野心的な実験に利用されることもある、カスティリオーネ ドルチャの畑のサンジョヴェーゼで造られるセルヴァレッラ2016年の在庫が極少となりましたので、2017年をリリースします! 年の影響もあり、より果実味が前面に出たワインとなっています。
もうすでにサイコーに美味しい、ブルネッロ サンタ マリーア2015年も在庫が僅かとなっています。お買い逃しなきよう!
アブルッツォのキラキラ家族デ フェルモの、今やフランスでも見かけることの少なくなった古いクローンのシャルドネで造るワイン、ラウネギルドの2016年が終売しましたので、2017年をリリースします。2016年の白は、少々気難しいというか、なかなか心を開いてくれないという印象があったのですが、2017年はのっけから美味しく飲めちゃいます! 明るいのに、抑制がきいていて (上品)、抑制がきいているのに、硬さといった印象からは無縁… すっごいお育ちの良い一家にありそうな気質とでも言えば良いのでしょうか…。そう、まさにデ フェルモ家みたいな味わいのワインなんです!
ザックザクなコンクレーテ ビアンコ&ロッソ、アブルッツォ人にとってのテーブルワイン、モンテプルチャーノで造るロゼ、レ チンチェ2017年、濃くて渋いのにちゃんと飲み心地もあるプローロゴ2015年も是非いいいい!
心優しきナタリーノと濃紅のルージュが似合いすぎるナチュラルワイン界の次期ディーヴァ、ミーナ率いる、ナタリーノ デル プレーテのプリミティーヴォで造るワイン、ナタリー2017年が終売しましたので、2018年をリリースします! Theプリミティーヴォ的味わいの2017年に対し、2018年は品質、収量どちらの面でも非常に難しい年でしたが、ナタリー2018年の味わいはサイコーです! ある程度の天候に恵まれた年のプリミティーヴォは、香りと味わいどちらの点でもセクシーで肉感的な雰囲気になりますが、2018年はとてもキュートな感じのワインとなっています。
買い過ぎたというのもあるかもしれませんが、売り切るのに4年以上かかってしまった、ステーファノ ベルティが造る酸化防止剤完全無添加ワイン、ノナ2014年がようやく終売しましたので、2015年をリリースします! ラヴァルドやバルティメオのように、木樽に頼らずとも、価格からは想像できない重厚さを備えることが多い彼のワインにあって、良い意味で肩の力が抜けたワインです。2014年と比べたら、明らかに濃いのですが、飲み心地は軽やか、かすかな還元香さえ (本当に僅かですので、ご心配なく!) も美徳のひとつになっているようなワインです。
他のワインも、次ヴィンテージが今か今かと出番を待っております。皆さんの清き1本を!!
ピエールパオロ ペコラーリのフリウラーノ2017年が終売しましたので、2018年をリリースします! こちらも出番待ちのワインがたまってきております…。是非!
デ バルトリがパンテッレリーア島で造る偉大すぎるパッシート、ブックラム2012年 (オータはこのワインに恋をしました!) が残り僅かという事で、2014年をリリースします! これからの季節、気の利いた焼き菓子やナッツ類と楽しむブックラムは無敵の存在です。
このブックラム、十分すぎるくらいに尊大な佇まいのあるワインなのですが、もっと高みを見てみたい…という方は、10年樽熟成を施したブックラム2000年を! 干しブドウだけで造っているにもかかわらず、様々なハーブやスパイスを浸漬して造ったリキュールのような香りと味わいが皆さんを待っているはずです。
どうやら、このブックラム2000年を継続的に買っているのは、世界を見渡しても弊社だけのようで、その分スペシャルプライスで分けてもらっています。もう400-500本ほど現地に在庫があるはずなのですが、オータとしては早々に引き取って、売り切りたいと考えております。なぜかと言いますと…パンテッレリーアのセラーには、ボトリングを待つブックラム1998年やら2001年やらといったヴィンテージがまだ樽の中に…その美味しさたるや、絶句ものなんです!! 早く皆さんにも飲んでいただきたいなぁ…。でも飲んでいただくためには、現行ヴィンテージを終わらせる必要があって、終わらせるためには…はい、皆さんの清き1本が必須となります!
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。
文:太田久人
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