自分史そしてヴィナイオータ史 その5
1997年 冬 レストランで働き始める。
オーナーがソムリエなせいもあり、小さい店ながらにワインの品揃えはなかなかでした。彼が働かない(きたくない)時に僕が働くというスタンスで、ホールは僕以外1人しかいなかったので(ひどい時は僕1人)、ほんとに好き勝手にやらせてもらいました。自分が飲みたいワインを開けちゃってそれをグラスで出したり。なんでいきなりそこまで信用されたのかは分かりませんが、全部自分の裁量でできたっていうのは色々為になりました。
学校も仕事もない日で火曜か金曜だったりするとよく行ってたのが、ローマの高級住宅街にある酒屋。ここの兄ちゃんとひょんなことで仲良くなって良く行くようになったのだが、火曜と金曜は午後7時ごろから常連お客さんが集まりだして、誰かがワインを1本そこで買って開けみんなに振舞うのを皮切りに、次は誰の奢り、次は誰といった感じでワインがどんどん開いていく。みんなお金持ちだからご馳走してくれるワインが豪華でした、Krugのヴィンテージものとかブルゴーニュの有名どころとか。
おっと97年の出来事としてもう一つ大きなことがあったっけ。今は、南青山にある恐らく自然派ワインの品揃えでは世界一であろう、リストランテFのシェフO氏との出会いだ。
日本に一時帰国来た際に、フィレンツェ時代に同じ語学学校だった女の人で、よく一緒に食べ歩きに行ってた人が食事に誘ってくれた。六本木にあったRというお店で、彼女曰く通常のワインリスト以外にも膨大な量のワインを持っているとのこと。彼女が僕と行きたがったのは、僕をそのお店でしゃべらせることで何か面白いワインが出てくるんじゃないかという目論見があってのことだったらしい。白1本、赤1本は普通にリストからお勧めされたもので、白はLa CastelladaのSauvignon1994、赤はVilla Monte Rico1993だったと思う。しかしこの後が凄かった。赤の注文の時か、セコンド終わったあたりかでシェフO氏自らが出てきて話し始めたのだがすぐに意気投合。
で、彼が持ってきたものが、
Hauner Malvasia delle Lipari 確か1990
Dal Forno Nettare 1988
Dal Forno Recioto della Valpolicella 1988
Marco De Bartoli Vecchio Samperi 20anni
Anselmi I Capitelli 確か1990
にRomano Leviのグラッパ。
これ全部ご馳走してくれた。
特にこの時始めて飲んだLeviのグラッパには驚きました。
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