【新入荷】2020年9月その3(P(h)antom、Two Metre Tall、La Calabretta)
オーストラリア在住のイタリア人で、ヨーロッパのナチュラルワインの輸入を手掛けるジョルジョという友人がおります。彼と初めて会ったのは、10年ほど前、バルトロ マスカレッロのセラーでだったと記憶しているのですが、僕がヴィナイオータのオータだと分かるなり手を差し出しながら、「初めましてヒサト!!そしてありがとう!!君に会った時には、まずはお礼を言わなきゃって前々から思っていたんだ。なにしろ、君のおかげで、俺は今ここにいるわけだからね。」…。曰く、カンティーナ ジャルディーノ、パーネヴィーノ、カノーニカなど、彼のポートフォーリオの核を成す造り手たちのワインは、全て日本で知った(飲んだ)との事…。2008年にソムリエとして働くべく来日したジョルジョ、当初は「俺、イタリアのソムリエ協会公認のソムリエだし、そもそもイタリア人なわけだから、料理やワインの事で日本人に教えてあげることこそあれど、教わることなんてないんだろうな。」といった感じで、日本のイタリア料理&ワイン事情を完全にナメていたそう。ところがどっこい、いざ日本で働いてみると、イタリア料理のレベルの高さ、ワインの圧倒的な選択肢等に度肝を抜かれるジョルジョ。そして、イタリアでも見たことのないワインで、横っ面をひっぱたかれるような経験をした時、ボトルにはいつもヴィナイオータの輸入者シールが…(笑)。その後イタリアに帰国し、彼が衝撃を受けた造り手たちを訪ね、ワインのみならずその人柄にも惚れこみ、自身が感じたエモーションをより多くの人に体感してもらいたいと考えるようになり、オーストラリアにナチュラルワインの輸入をすることにしたそう。
今現在は約50軒の造り手と取引し(ヴィナイオータと重なる造り手も多数!)、オーストラリアのナチュラルワインの造り手とも親交が深く、手法論としてのナチュラルワイン造りにとどまりがちな彼らに、自らブドウ栽培をすることの重要性を説いたりとステキな啓蒙活動もしているようです。
10年前には感謝されましたが、今や「どう調子は?」とオータが聞けば、「いやもう、バカみたいに忙しくて…。オーストラリアみたいな国に来てまで、こんなにあくせくと働くことになるだなんて!こんなはずじゃなかったんだけどな…。それもこれも全てお前のせいだからな! (笑)」と、うちの奥さんみたいなことを言うようになっちゃいました(笑)。
そんなジョルジョ、オータにオーストラリアのナチュラルワインマーケット、そしてワインの生産現場を見せたかったようで、何年も前からオーストラリアに来てよと誘ってくれていたのですが、イタリアとフランスの取引先を周るだけでも四苦八苦しているオータとしては、機会創出が難しく…。ですが、とある造り手に降りかかった不運が、オータをオーストラリアへと導くことに…。
というわけで新入荷案内です!
まずは農民詩人醸造家哲学者パン屋なジャンフランコ マンカのパーネヴィーノが、オーストラリアで醸したワインから!
以前にも書いたと思いますが、パーネヴィーノの2018年ヴィンテージは、春先の長雨(40日連続!)とその直後の酷暑で病気が蔓延し、その結果生産量はゼロ(!)…。そんなジャンフランコたちを経済的に支援すべく、先ほど登場したジョルジョが考えたのが、北半球とは季節が真逆の南半球オーストラリアでジャンフランコにワインを造ってもらって、その売り上げから必要経費だけを差っ引いたもの(ジョルジョ自身は一切利益を取ることなく)を全てジャンフランコに“寄付”しようというものでした。
この企画自体、当然のことながらジョルジョのジャンフランコたちを気遣う気持ちが端緒になっているのですが、実現にまでこぎつける大いなるモチベーションになったのは、「ジャンフランコがオーストラリアで醸したら、いったいどんなワインができちゃうわけ?」というジョルジョのごくごく個人的な興味だったのではとオータは推察しています。そんな無茶振り企画に快く協力してくれたのが、オーストラリアを代表する造り手のルーシー マルゴーのアントン ファン クロッパーとトム ショブルック。ブドウの手配から醸造場所&設備の提供と至れり尽くせりのおもてなしをしてくれます。
ジャンフランコは、長男にして専属のラベル デザイナーでもあるイザッコ画伯を伴い2019年3月にオーストラリア入りし、ブドウの収穫から醸造後に樽へと入れるところまでを見届けていったん帰国、イタリアでの怒涛の2019年シーズンを過ごし、11月下旬にボトリングするために再びオーストラリア舞い戻り…どちらの場所でも買いブドウでワインを仕込むだけならまだしも、サルデーニャでは農作業全般をこなしているわけで…もはや狂気の沙汰としか言えません…。
そして11月のボトリングの時は、オータもお手伝いにあがりました。
で、今回のプロジェクトについた名前ですが、PanevinoとAntonとTomをくっつけてPantom。そしてPとAの間にHを入れたら… Phantom(幽霊、幻)… (笑)。「(こんな辛い事は)もう二度とやらない!」とジャンフランコも言っていましたので、幽霊ワイナリーによる、最初で最後の企画という事になります!
ワインの詳細は、ジョルジョが資料を送ってくれることになっていたのですが、待てど暮らせど一向に届かず…。急かすべく電話をしてみたら、「ヒサト、システィーナ礼拝堂のフレスコ画がいつ完成するのかってミケランジェロに聞いたら、どう答えたか知ってるかい?「完成した時には、完成しているはずだ。」…。だから、アーティストを急かしちゃいけないよ。」…ジョルジョ、お前はミケランジェロではない!(笑)
というわけで、オータの知っている範囲でのご紹介になります!
● Changing 2019年 チェインジング: シャルドネ、セミヨンのブレンド。アルコール醗酵が終わって、ワインとしての素性がそろそろ垣間見えても良いのでは?という段階でも、なんとなく靄がかったワインの味わいが、突如晴れ渡ったように感じた瞬間があったそう。ラベルには、良く幽霊が被っている白布が床に落ちている様が描かれています。300本入荷
● Jet Lag 2019年 ジェット ラグ: グルナッシュ(=カンノナウ!)で造ったロゼワイン。アルコール醗酵が途中で止まってしまい、かなりな量の糖分を残して冬を迎えます。春になっても酵母君がうんともすんとも言わなかったため、荒療治を施すことに。11月のオーストラリアは、春の終わりないし初夏にあたり、走りのさくらんぼが出回る頃。近隣のオーガニック農家から分けてもらったさくらんぼを潰して、2日ほど放置、うっすらと醗酵の始まったさくらんぼをオータが手で絞り、なんとか10リットルのジュースをゲット、それをワインへと加え、翌日にボトリング…。ジョルジョ曰く、ボトルによってはうっすらと発泡しているそうですが、ほとんどのボトルはおとなしいとの事…。ワインの名前は、醸造のためにオーストラリアに初上陸したジャンフランコが、劇的な環境の変化と体験したことのない時差から、ほぼ1週間まともに寝ることができず、ラベルのデザインにある通り、疲れのあまり樽に突っ伏すようにして寝てしまったことに因んでいます。540本入荷
● Merlo Grigio 2019年 メルロ グリージョ: そのまま訳すと“グレー色のクロウタドリ(スズメ目ツグミ科の鳥)”となりますが、要はメルロー(MERLOt)とピノ グリージョ(pinot GRIGIO)を混醸したワインです(笑)。4ワインの中で最も品行方正といいますか、ジャンフランコ孝行な子かと。540本入荷
● Tribute 2019年 トリビュート: 上記3ワインは、ルーシー マルゴーで醸造したのですが、このワインだけトム ショブルックのワイナリーで醸造。醗酵途中のグルナッシュにアルコール添加を施した酒精強化ワインになります。トムがワイナリーを構える地域が、酒精強化ワインの伝統があることから、トリビュートという名前に。11月時点ではまとまりが取れてなかったという事もあり、このワインだけ更に数か月樽で追熟させ、トムとジョルジョがボトリングを担当。48本(!!)入荷
パントムのワインは全て限定とさせていただきます!
「ヒサトがオーストラリアに来た時、是非とも紹介したいタスマニアのビールの造り手がいるんだ。」と前々から言っていたジョルジョ。オータ的には「(ジョルジョがそこまで言うのだから、)きっと面白いのだろうけど…。でも、ビールかぁ…。」といった感じで、興味がないわけではないけど、そんな乗り気なわけでもなく…。前提としてお断りしておきますが、オータはビールも大好きです。苦いものから酸っぱいものまで、どういったスタイルのものであっても、バランスと飲み心地さえあれば選り好みもしません(そのバランスと飲み心地があるものが少ないのですが…)。覚えている方もいらっしゃると思うのですが、17年ほど前にはベルギーのビール(ランビック)の輸入もしていました。今でこそ、ランビックやサワーエールのような酸っぱいビールも、世界的に愛飲されるようになりましたが、当時はホント売れなくて…。どうやら時代を10年くらい先取りしていたようです(笑)。ランビックという自然醗酵ビールの存在を僕に知らしめてくれたフランク コーネリッセンと造り手との間の揉め事やら疎遠になる関係性などに巻き込まれ、輸入していた2生産者との取引も自然消滅…。
昨今のイタリアクラフトビール事情を聞きつけたお客様からも、(イタリアの)ビールの輸入をしないのかという質問を何度かされたこともあります。そして実際に、オータのツボにどハマりなビールに現地で出逢うことも何度かあるにはあったのですが、「是非とも扱いたい!」といった渇望や、「これは絶対にうちが扱うべき!」といった意義のようなものを見出せずに現在にまで至っていました。
が!!とうとう出逢ってしまったんです!でも、その造り手はイタリアではなくタスマニアにいました!その名はTwo Metre Tall(トゥー ミーター トール、以下2MTと書きます)。アシュリー(身長2m!社名はここから付きました!)&ジェーン夫妻の2人だけで生産から販売までをこなすマイクロブリューワリー(ワイナリー?)になります。アシュリー本人と出会う前の晩、メルボルンのバーに彼のビール(後程紹介させていただくクレンジング エール)があるのを発見したので、注文し飲んでみることに。いや~、久々に食べ物(飲み物)で動揺しました。圧倒的な酸があり、アルコール度数がとても低い(僕が飲んだロットは4%でした)のに、飲み応えがあり、危険な飲み心地を備えているのに、偉大なワインのような複雑さを備え…。
ラベルには、「さまざまな微生物による醗酵」「瓶内2次醗酵」「狙わない醸造&ボトルヴァリエーション」「時と共に進化」とステキなスローガン的ワードが並び…。
次の日、メルボルンで開かれたナチュラルワインのイベントで、パーネヴィーノの隣にブースを出しているアシュリーを発見、自己紹介し、前の日飲んだビールが素晴らしかった事を伝えると、「うおおおおお、(気に入ってもらえて)サイコーに嬉しいよ!じゃあ、是非他のも試してみて!」と、ジャンジャカ出てくるプロダクトがどれも素晴らしい!2mの巨漢が、大げさなまでのジェスチャーを交えて小さいオッサン(僕)に話しかける様は、傍から見たらかなりシュールだったことでしょう(笑)。ジェントルで、キュートで、好奇心や探究心に溢れていて、熱苦しくて、プロダクトは唯一無二の個性がある…これぞオータが探し求めていたものではありませんか!そして当初の予定にはなかったのですが、急きょタスマニアに彼を訪ねることに。そこで見聞きしたものは、僕がなぜ一瞬で彼のプロダクトに心を奪われてしまったのかを雄弁に物語るものばかりで、完全にノックダウン&白旗、是非とも取引を!とお願いしました。
「僕のプロダクトが、素晴らしい食文化がある日本で受け入れられるのかどうか、以前から凄い興味があったんだ。一般的なビールに比べると、ちょっと変かもしれない僕のビールのことを、繊細な味覚を持つ日本人はどう受け止めるのか…。そう考えただけで、ガタぶるとワクワクがない交ぜな気持ちになるんだよ。実を言うとね、日本の他のインポーターから、取引できないかっていう話もあったんだけど、その事をジョルジョに相談したんだ。そしたらジョルジョは、そのうちヒサトがオーストラリアに来るはずだから、それまでは待ったほうがいい。彼が気に入ってくれて、彼と取引できたのなら、それが2MTにとってベストの答えなはずだってアドバイスしてくれたんだよ。」
この瞬間、ジョルジョが僕にオーストラリアに一度来てよと言っていた真意と言いますか、最大の目的を確信しました。ジョルジョさ~ん、グッジョブ!!
オータが考える、2MTの特徴を箇条書きしますと…
・穀物、ホップ、果実等々、プロダクトに使われる原材料は全てタスマニア島ないし島周辺(如何せん、海産物も原料として使うので…)でとれたもの。
・ビール&ミードの醸造には、ダーウェント川の水と雨水を溜めたものを、炭素濾過したもの(塩素処理もしません)を使用。
・培養酵母(極めてニュートラルな種類)は、醸造からボトリングまでの期間の短い5つのスタンダードラインのビールにのみ使用。他のプロダクトは野生酵母による醗酵。酵母以外のバクテリア等の添加は一切行わず、すべての醗酵は自然界に遍在する子(バクテリア)たちに一任。某I杜氏が言うところの、放し飼いの酒造り!
・全てのプロダクトは瓶内2次醗酵で炭酸ガスを生成させます(市場に出回る大半のビールは、2酸化炭素をボトリング時(缶詰時)に封入します)。ビールの場合、ショ糖ではなく未醗酵麦汁をブレンドし、2次醗酵を促します。
・ランビックのように、長期熟成のポテンシャルあり!
・5種類のスタンダードラインのビールとドライ サイダー(シードル)を軸に、季節ごとにスペシャル プロダクトをリリース。
今回は合計で8つのプロダクトが届いています!以下詳細です!!
● クレンジング エール: 2MTのフラッグシップ的ビール。今回のロットは2019年10月と2020年5月の仕込み分をブレンドし、2020年6月にボトリングしたもの。
アルコール度数4.9%
原材料:麦芽(ペール、クリスタル、サワー)70%、大麦30%、ホップ(エラ、サマー、カスケード、エニグマ)、酵母
● ダーウェント ファームハウス アロマティック スペルト エール: 古代品種であるスペルト小麦をフィーチャーしたビール。最大の特徴は、麦汁にナチュラルな乳酸発酵を起こさせた後に酵母添加をし、アルコール醗酵を行わせる点。2019年11&12月醸造、2020年6月ボトリング。5.2%
原材料:大麦&オーツ麦麦芽、スペルト小麦、ホップ(ウィラメット、エラ、ギャラクシー)酵母
● フォース オール グレイン ファームハウス エール: ホップを一切使用していないビール!ホップの代わりに籾のついたままキヌアを使う事で、ビールに苦みをもたらしています。原料は全て、フォース川流域で有機栽培を行うダメン家が栽培したもの。2020年3月醸造、6月ボトリング。3.5%
原材料:大麦麦芽、キヌア、ソバ、ライ麦、酵母
● ハオン ファームハウス ドライ サイダー2018年: スターマー ピピンは、ヴィクトリア朝(時代)には非常に重宝された古いリンゴの品種。19世紀後半にタスマニアに持ち込まれ、栽培されるようになったのですが、現在ではまとまった量を生産するのは、ハオン渓谷のグリッグス家のみに…。そのグリッグス家のスターマー ピピンで造られるのがこのドライ サイダー(シードル)。追熟させることで糖度が増すという品種特性があるため、収穫後に3か月ほどセラーで寝かせたリンゴを圧搾し、約4か月間、皮、種、果肉ごと、酵母添加も行わずに醗酵&初期段階の熟成を行う。圧搾し、液体だけの状態にしたサイダーを更にステンレスタンクで熟成、無濾過、酸化防止剤完全無添加でボトリング。今回のロットは、2018年ヴィンテージのリンゴを使用し、2020年5月にボトリングしたもので、ボトリング時に瓶内2次醗酵用のリンゴジュースがなかったため、若干量のショ糖を添加しました。7.5%
原材料:リンゴ、ショ糖
● サワー チェリー エール2016年: ブリューワリーのあるダーウェント渓谷で2016年1月に収穫されたモレロ チェリーを、半年前から樽で自然醗酵させていたファームハウスエールの入る樽に投入(ビール1リットルにチェリー300g以上を使用!)、2年後(!!)にチェリーの果肉&種を取り除き、液体だけの状態にして更に18か月追熟させ、澱が完全に沈むのを待ち、2019年9月にボトリング。
● サワー パンプキン エール2016/17/18年: 麦芽&麦と同量のカボチャを使用したサワーエール。パンプキンエールというと、カボチャのほっこりとした甘い香りをフィーチャーすべく、スパイスなどを加え、プロダクトの仕上がり自体も甘く感じさせるように仕立てることが多い気がするのですが、このビールを何の情報もなく飲んで、カボチャが入っていることに気が付ける人はほとんどいないと思います。糖質さえあれば、どんな材料からでも“普通の”ビールが造れることを証明するというのが、このビールを醸す大きな動機としてあったようです。とあるセミナーでは、「別にニンジンでもいいくらいさ!」とうそぶいていたようです(笑)。
誰もが使ったことのないような副原料を使う事や、原料、様々な品種のホップや副原料、酵母、バクテリアなどの“組み合わせの妙”にブリューワーのセンスとか才覚が問われているような風潮が多少なりとも存在するビール界に対して、“(野生)醗酵の質”の重要性を問う作品とも言えるかもしれません。5%
原材料:大麦&オーツ麦芽、小麦、カボチャ、ホップ(エラ、ヘルガ、ウィラメット)
● ブラックスネーク: ビールを同量のサイダーで割った、スネークバイトというカクテルを皆さんはご存知でしょうか?デンマークのウルトラ有名なレストラン、ノーマがオーストラリアで期間限定のレストランをやることになり、料理と合わせたドリンクのデグスタシオンの内容を選定していく中で、トップバッターに2MTのプロダクトを据えることにします。ただノーマサイドからは、可能ならば今までにリリースしたことのないプロダクトだと嬉しいなぁというやや乱暴なリクエストまであったそう…。じゃあ、樽で熟成中だったダークエールにキッチリ熟成させたサイダーをブレンドして、2MT的スネークバイトでもやっちゃう?と試したところ、アシュリーもノーマ側も気に入り、商品化することに。今回のロットは、2019年4月に醸造したダークエールに2016年産のサイダーをブレンド(総量の35%)し、3か月後にボトリングしたものになります。
原材料:モルト(ペール、クリスタル、チョコレート)、ホップ(エラ、カスケード)、酵母、リンゴ(サイダー)
● スパークリング ミード2017年: 初リリースのプロダクトです!2MTの敷地内(実に580ヘクタール!!!)に巣箱を設置し、ミツバチに自生する様々な植物の花の蜜を集めてもらい、そのハチミツからミードを生産することに。今回入荷したものは、2016年の11月と12月にミツバチが集めた百花蜜を、無殺菌のままの状態で2017年に醸造したもの。ハチミツを水に溶かし、野生酵母のみで醗酵。約3年の熟成の後、若干量のハチミツを添加し、無濾過で、酸化防止剤も加えることなくボトリング。添加したハチミツの糖分を利用して2次醗酵を促したミードになります。当然のことながら、無濾過、酸化防止剤完全無添加。
SNSの彼らのアカウントでの紹介文には、「ミードは未来だ」とだけ書かれているのですが、「ミード生産のあり方は、2MTが理想とする未来像を指し示すものだ」というのが、アシュリーの真のメッセージとの事。
その土地の自然、テロワールを体現する原材料を使用し、その土地に棲む微生物に醗酵を一任、何も足さず何も引かずにボトリングする…これこそ、2MTが創業当初から目標と掲げてきた事なわけですが、今後は全てのプロダクトにこの理念を踏襲するつもりらしいです。
サイダーのボトリングはリンゴジュースが用意できる時にしか行わないようにし(ショ糖の不使用!)、スタンダードラインのビールも培養酵母を添加せずに野生酵母にアルコール醗酵を担当してもらう…。それらが実現した暁には、正真正銘名実ともにオーストラリア初の“野生醗酵ブリューワー”に!
次々回入荷予定のスタンダードラインのビールから、“野生醗酵”ものになる予定です。2MTにとって、大きく舵を切る瞬間に立ち会えることを本当に光栄に思います!皆さんも驚いちゃってください!
シチリアはエトナのラ カラブレッタからは、カッリカンテ2019年とネレッロで造るロゼ、ロザート2019年が届きました!絶賛販売中のグリッロで造る白、カラカラビアンコ2018年も残り150本ほどとなっておりますので、終わり次第2019年に切り替えさせていただきます。赤ワイン各種もよろしくお願いします!
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。
文:太田久人
266 269 nuovo20.09.17
【新入荷】オータのアツアツ新入荷・2024年10月その3(Daniele Piccinin,Casa Coste Piane,Cristiano Guttarolo,Possa,Fonterenza,La Calabretta) 【新入荷】オータのアツアツ新入荷・2024年7月その3(Maison Vevey Albert,Possa,La Biancara,Il Cavallino,Alberto Anguissola,Pacina,Le Boncie,De Fermo,La Calabretta,Arianna Occhipinti) 【新入荷】2024年4月その2(Daniele Piccinin,Le Boncie,La Calabretta,Longariva) 【2024義捐ワインプロジェクト 第一弾】 【新入荷】2023年10月その1(Canonica,Gravner,Natalino del Prete,La Visciola,Il Maiolo,La Biancara,La Calabretta)