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2023-05-25

ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】ボルガッタ

①セミナー動画 (質問コーナー|03:00~)

ヴィナイオータマーナ2022 P6 DAY2にて行われたボルガッタのセミナーの様子です。今回のオッティマーナの中で最高齢、85歳のエミリオが来日してくれました。オヴァーダに位置しているボルガッタ、バルベーラとドルチェットの栽培・醸造を行っています。ワイナリーはエミーリオと奥さんのマリアルイーザのご夫婦二人で営んでおり、お二人とも80歳を超えているにも関わず、すべての農作業をほとんど二人の手作業だけで行っています。

②造り手紹介 (00:40~)

ボルガッタの造り手紹介、詳しくはこちらから。

③造り手への質問と回答

Q1. 御年85歳でいまだに畑で作業されていることに驚きですが、いつまでも元気にいる秘訣は?(2:05~)

A1.常に動いていることを欠かさないこと。畑作業やセラーの仕事など常に動いていることをやめてこなかったので、だからこそ体力とかそういうものを維持できているんじゃないかと思います。あとは適度に美味しいワインを飲むことも大事かなと思います。もちろん奥さんが献身的にフォローしてくれることもすごい大事なことだと思います。

Q2. 2012年以降、ドルチェット・バルベーラでDOCを名乗らなくなったのはなぜですか?(3:32~)

A2.認証を得るために、提出しないといけない書類の多さに辟易したということと、 原産地呼称という名の、ワインの品質を保証する意味を成さなくなってしまった称号を得るためのコストが莫大すぎて取らなくなりました。今後も取り続けるかどうか悩んだ時に、とあるインポータ(オータの方を見ながら)に相談したことがありました。その時に「そんないらないよ、中身が大事なんだ」と言われたことも一つの要因です。

Q3. ピエモンテのほかの地域で飲まれるドルチェットは若いうちに飲んでしまうイメージですが、オータなどはオヴァーダのドルチェットは熟成に耐えれるという考えですがそれは同じ考えですか?また同じ考えであるならばどういう理由でそのような違いがあると思いますか?(5:40~)

A3.いわゆる大量生産型か、本質的な意味でのクオリティを重視する造り方か、で熟成のポテンシャルというのは分かれると思います。質よりも量という考え方で造られたブドウでは当然のことながら熟成のポテンシャルがあるワインは生まれないと思います。テロワールの違いというより、畑でどれだけ誠意を込めて仕事をするか、量よりも質を上げるための栽培方法を採用しているか、完熟しているブドウを使ってワインを造っているか、セラーでの正確性のある仕事かどうか、が大事だと思っています。
あとは当然ぶどうの木自体の樹齢の古さというのも重要な要素の一つだと思います。樹齢の古い木であればあるほどものとてもテンションの高いブドウが取れるので、比較的深みのあるワインを造ることができます。

Q4. 隣人だったジュゼッペ ラットからどのような影響を受けましたか?(9:00~)

A4.本当に小さい頃からの知り合いで幼馴染のような関係でした。20歳ごろから会う機会が減り、何十年かは疎遠な時期もありました。とあるワインのサロンで久しぶりに再会すると、再び関係がもどってくるようになり、よく一緒にそのサロンにでかけるようになりました。その頃には、オヴァーダという土地はイタリアのピエモンテ州の中でもちょっとマイナーの地域だったんですが、その中でもジュゼッペラットはかなり有名な造り手でした。一緒にサロンに参加することで私を紹介してくれて、すごく助けてもらったこともあります。人としてものすごく心は温かい人でファンキーな一面もありましたが、自分の中では大切な思い出は心の中に残っています。残念ながら比較的早い年齢で病気になり亡くなってしまっとことは本当に残念なことでした。

Q5. 今年初めてロザートを飲んで美味しかったんですが、なぜ造ろうと思ったんですか?(12:21~)

A5.5年前に初来日した時に大阪のオッティマーナで通訳をやってくれた方が何度かワイナリーに訪れてくれたことがありました。その時に彼に渡したプレゼントの中にかなり前に造ったロゼワインがありました。そのロゼワインが周り回って一度飲んだレストランの方からヴィナイオータに連絡がくることになります。 久人からこのことについて連絡があり、2021年ロゼワインを造りました。久人からのメールのやり取りで「ワインを飲まないでも僕はいくらでも買うことができるよ。だってもうこのワインの中にはエミリオのその時のベストが詰まってるって信じてるから、味見しなくてもワインを買えるよ」と言われたことを覚えています。

④まとめ

ボトルにサインをする際は、その方の人柄を聞いて一人一人に違うメッセージを送る姿など、とてつもなく優しい人柄がとても印象的でした。また、ヴィナイオータの倉庫でアルバイトをしている大学生の女の子に一目惚れしてすぐに口説きはじめたりとイタリア人らしいお茶目な一面を見せつつ、本当にみんなのことを気にかける姿はとてつもなく紳士的でした。会う人みんなを虜にする人柄で改めてファンになった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また是非もう一度お会いしたです。(担当:豊田)

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