【新入荷】2017年5月 その2
インフルエンザなるものに罹ったっぽいオータです。当初はただの風邪だと言い張っていたのですが、腰や太ももの付け根にだるさがあることから、インフルと認めないわけにはいかず…。ゴールデンウィークなんだから休みなよという神のお告げなのかもしれませんが、やらなきゃいけないことが山積しておりますので、お布団の中で本メルマガを書き始めることにしました。連休ですから、本当でしたら家族孝行をしなければいけないところなのですが、家族みんなが僕をそっとして置いてくれる…そうか、仕事しろ!という神のお告げなのかっ!!!!(笑)
それでは5月の新入荷案内第2弾いきます!
11月のヴィナオッティマーナには家族4人全員の参加が決まっている(彼らのただならぬ想い&期待感を感じずにはいられません…オータ、いささかビビってます)パーチナからはワイン&食品が届いています!商品のご紹介の前に先日緊急メルマガを送らせていただいた件に関してもう一度おさらいと言いますか、僕とステーファノのやりとりのコンプリート版を載せさせていただきます。
現在弊社が販売している彼らのカジュアルライン、イル セコンド2014にかなりの量見受けられる浮遊物のことをステーファノに質問したところ、まずこんな回答が。
まさかパーチナのワインで起こるとは思わなかったのでとても驚いているよ。
写真を見る限り、クェルセチンの仕業ではないかと。クェルセチンはブドウにも含まれているタンニンの一種で、近年多くのキャンティの造り手に問題を引き起こしているんだ。
このフラボノイドが過剰にブドウ中に含まれている際、ボトルに沈殿(?沈まないのでなんと言ったものか…)したりすることがある。場合によってはボトリングから数年たってから起こることも…。
(ブドウ中の)クェルセチンの過剰な含有は気候環境の変化によるものと考えられていて、(クェルセチンの)沈殿が起こるのは、(澱引き等のための)移し替えなどをあまり行わなかった、言い換えるならあまり酸素との接触を持たなかったワインに起こるものと言われている。例えばうちのイル セコンドの場合、木樽での熟成期間が全くないワインなわけで、確かに該当するとも言えて…。
昨今この問題に関しては良く話されていて、(キッチリしたワインを造ることが世間的にも求められている)多くのキャンティの造り手にとっては非常に深刻な問題となっているんだ。
この沈殿物がワインの味そのものを変質させることはないのだけど、とても軽くて沈殿することなく液体中を浮遊してしまうんだ。
可笑しいことに、この物質には強い抗酸化作用があって、多くの薬効があることも確認されているから、(クェルセチンを多く含む)植物から抽出されて薬製造にも用いられているくらいなんだよ…でも残念ながら、ワインの中に多く含まれている際には見た目が悪くなるという…(笑)。
送ってくれた写真を見る限り、1回目にボトリングしたロットっぽいね。今ここには2回目にボトリングしたロットしかないのだけど、全く沈殿は起きていないようだよ。ちなみに次回ヒサトに届くのは2回目のロットの方。
このクェルセチン問題でイル セコンドの販売に問題が起こって、僕たちに 何ができる事があるのならなんでも言ってね。
このメールに対しオータは、
返事ありがと!!
この問題で極端に売り困るってことはないとは思うよ。
ステーファノの返事を訳したものをスタッフにも渡したし、早々にメルマガでお客さんにも説明することになるんじゃないかな…自然の神秘についてさ!
と書いたところ非常に真面目なステーファノから再びメールが
ヒサト、ありがと!!
他の造り手たちから聞いた話も総合しつつ、もっと深く考えてみたんだけど、このクェルセチンの不安定な状態って、その当時キャンティ クラッシコ協会が推奨した何種類かのサンジョヴェーゼのクローンを植えた、樹齢が比較的若い畑のブドウから造ったワインに起こっているような気がして…。そのクローンはより濃い色をワインに、ということで開発されたらしいのだけど…。実際うちでも2007年に植えた区画に植えたサンジョヴェーゼにはそれらのクローンも含まれていて、イル セコンドの約半分にこの区画のブドウが使われているんだ。
2014以降のヴィンテージでは全く起こってないようだから、ブドウ樹自身が調和を見つけたのかもしれないね。
もっと詳しく知るために、今後ボトリングするワインも分析にかけてクェルセチンの含有量を調べてみることにするよ。
ヒサトは自然の神秘っていうけど、ヒトが自分の都合に合わせてブドウがもともと持つ特性の一部だけを強調するようなことをしておいて、それを再びバランスを取り戻させるのに苦労しているっていう…なんとも皮肉な話だよね。
オータのゴリ押し(?)から本格的に生産されることになった白ワイン、チェッレティーナ2014の2回目のボトリング版が届きました。前回入荷したのは従来使ってきた小さなサイズのオーク樽で熟成、夏前にボトリングされたものだったのですが、今回入荷したのはオークよりも目が細かくワインに木の風味を与えないと言われているアカシア製の樽で熟成させたものが主体となっていて、8月の下旬にボトリングされたものになります。
カナイオーロという品種の個性をもっと把握したいというステーファノの個人的欲求から生まれたワイン、カナイオーロの2015も入荷です。キュートですが、シンプル過ぎないワインかと。
そしてパーチナのフラッグシップ的ワイン、パーチナの2011とアルコール度数17%のモンスターワイン、パクナ2011が入荷です。パーチナの方はまとまった本数が入ってきています。
切らしておりましたひよこ豆、ファッロ(正確にはエンマー小麦という品種のようです…)とレンズ豆も届きました!こちらもパーチナオイル共々よろしくお願いします!
前回の初入荷時にはおかげさまでご好評いただきましたカラーブリア州のラーチノからはスタンダードラインの赤、コーラ ロッソの2015年と新しい白ワインが2種類届いています。
1つはグアルダヴァッレ(無理くり訳すなら、”谷を望む”といった感じの意味となるのかと)という名前のブドウ品種で造られるワイン、フォルセ ソノ フィオーリ(多分、花なのでしょう…とでも訳せば良いのでしょうか…)の2015。グアルダヴァッレはカラーブリア州でのみ栽培されている品種なのですが、混醸されることが多いようでグアルダヴァッレ単一でボトリングされているワインはそんなに多くないのではとの事。もう1つは樹齢50年超のグアルナッチャ ビアンカで造るワイン、その名もGの2015。当主のディーノとしては、マントニコと並んでその潜在性を信じている品種のようです。
文:太田 久人
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【新入荷】オータのアツアツ新入荷・2024年8月その3(Arianna Occhipinti,L’Acino) 【2024義捐ワインプロジェクト 第一弾】 【新入荷】2024年2月その1(Casa Coste Piane,L’Acino,Nicolini,Pierpaolo Pecorari,De Bartoli,) ヴィナイオータかわら版 ~小沼編 その五~L’Acino / Kannazuki 2019