【新入荷】2017年7月 その4
先々週末は京都、先週は奈良、今週は種子島と屋久島、島から帰ってきたと思ったら長崎からの刺客がつくばに、そしてその数日後には再びイタリア出張、そして帰国の3ヶ月後にはヴィナイオッティマーナ…2017年も目も眩むような速さで過ぎ去ってしまいそうな予感…。そんな感じで日々忙しく過ごし、仮にやらなければいけないことが常に山積みであったとしても、身体は1つしかありませんので結局ひとつひとつ片づけていくことしかできない(効率を上げることは可能…なはず!)わけですから、忙殺されつつも良い具合の諦観の念を持ちつつ、個々の事柄に対して丁寧に、そして力を込めて臨んでいきたいなぁと思う今日この頃です。
それでは7月後半と8月上旬の新入荷ワインのご案内です!例年通り販売的に寒くなることが予想される時期に見逃しがたいワインをぶつけにいくという確信犯的内容となっております(笑)。今年も暑くも熱い夏にしちゃいましょう!!
考え続ける天才、パオロ ヴォドピーヴェッツから2011ヴィンテージの再入荷分がようやく届きました!!!皆さんも彼の進化、深化のとどまらなさ加減をワインから感じてくださっていることと思いますが、竹鶴酒造の石川杜氏もその1人。一昨年の夏、サンプル的に輸入した2011ヴィンテージを一通り石川さんに飲んでもらったのですが、「もちろん2009年以前のワインも凄いんですけど、2009年や2010年を飲んだ時、パオロが目指しているであろう“よりピュアで、より根源的で、より本質的なワイン”、言い換えるならもう削ぐものがないところまで削ぎ切ったワインを完全に具現化してしまったんだなぁと思っていたのですが…。2011年は、またそれらに輪をかけて本質というものに焦点を合わせてきている…。それが意味することは、僕には見えない“まだ削げる部分”がパオロには見えているということなわけで…。同じ酒を醸す者として、彼の進化と深化のスピードには本当に驚かされますし、どんどん差をつけられてしまうんじゃないかという危機感というか恐怖感さえ覚えます…。」と言いながら、あの巨人(外見、そして中身両方の意味で…)が頭を抱えていました(笑)。
畑の植樹密度は?そして単位面積当たりの収量は?
畑ではどういった薬剤で防除を行うか?除草剤を使うか否か。
醗酵形態は?熟成容器は?
ボトリング時に酸化防止剤を使うか否か。そして使うのならどの程度添加しているのか?
醸し醗酵の期間、そしてその手法は?
そして熟成の期間、濾過の有無、認証などなど…。
ワイン造り、そしてワインをレシピやスペックといった観点から話すことが多い気がするのですが、ナチュラルワインを語る上ではそれだけでは不十分な気が僕はしています。
パオロは、自身の考える理想のワイン造りが最終的には“いかにタイミングを計るか”という1点に集約するのだと言っています。剪定、収穫、醸す期間、澱引き、そしてボトリングのタイミング…。レシピの面からいっても彼ほど厳格なルールを自らに課している造り手はそういないと思いますが、その彼自身がレシピそのものではなく、素材(ブドウ樹、ブドウ、酵母、そしてワイン…)の声に耳を傾けたり、剪定からボトリングまでの過程の中でいかに“自然の流れ”のようなものを意識できるかという事が最も重要なのだと…。 “する”ないし“しない”といった、ヒトが主体的に選んでやったことが、そのワインに個性を付与するのではなく、その土地、その品種、その年、その瞬間のブドウが元来備えている素晴らしい個性をいかに余すことなく引き出すことができるか…それが本来のナチュラルワイン造りのコンセプトなのでは?とパオロは言いたいのではないでしょうか。
とある時こういう風にも言っていました。
「ブドウという果実に“完全”が存在するんだ。完全って言っても決して質の良し悪しの話ではなく、その土地その年のその品種が持つべき情報が余すことなく書き込まれた“完全体”っていう意味でね。その“完全”をワインという液体に変換しようとした時、ヒトは多かれ少なかれ何かしらをその完全から奪わなければならない。俺が目指しているワイン造りは、引く数をいかにゼロに近づけられるかってことなんだ。多くの造り手は、ブドウが元々持つ100(完全)を醸造というマジックで101にも200にもできるって考えているような節があるけど、俺はそうは思わない。その年の自然が余すことなく表現されたブドウこそが完全なのであって、ヒトはそれに対してプラス要素を与えることなどできない、それがナチュラルワインであるのならばね。」あまりにもカッコ良すぎて、時々嫌になるくらいです(笑)。
さて、今回届いたワインですが、
(左からオリージネ、ヴィトフスカ、ヴィトフスカT、ソーロ)
オリージネ(木製開放式醗酵槽で約10-14日間の醸し醗酵、大樽で3年熟成)
ヴィトフスカ(アンフォラで醸し状態で半年、圧搾後さらにアンフォラで半年、大樽で2年熟成)
ヴィトフスカT(全期間をアンフォラで醗酵、熟成させたワイン。TはテッラコッタのT。)
ソーロ(簡単に言ってしまうとヴォドピーヴェッツにとってのグランクリュ。仕込み方はヴィトフスカと一緒)
が届いておりまして、ヴィトフスカ以外の3ワインが今回入荷分で最後となります。ヴィトフスカだけは、生産量が他のワインよりも多かったこともあり年内にもう1200本入荷してくる予定です。稀少かそうでないかがワインの味わいに影響を与えることはありませんし、生産量がたくさんあるワインこそより頻繁に飲むべきだと思っております。
(左から100ml(スプレータイプ)、250ml、500mlの容量になります)
前回は、入荷数が少なかったこともあり瞬殺してしまったシルクの絶品ワインヴィネガーが再入荷しました!ちゃんとしたブドウで仕込んだちゃんとしたワインで仕込んだお酢(ややこしい!)がちゃんとしていることを知って頂けたのではないかと思います。今回はがっつりした本数を入れてきておりますので即欠品はないと思います。
シルクについて、是非こちらのページをご覧ください!(ヴィナイオータWebページ>造り手紹介>Sirk/シルク)
どうぞ、よろしくお願いいたします!!!!