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2019-03-20

【新入荷】2019年3月 その3(Alberto Anguissola、Il Moralizzatore、Cantina Giardino、Pacina、Il Censo、Lasserra、Forsoni)

先日、弊社スタッフを連れて現地9泊の弾丸イタリアツアーに行ってきました。行き先をエミーリアロマーニャ、リグーリア、ヴェネトと3州のみに絞ったのですが、それでも訪問先は最終的に計19カ所、帰国当日にも空港に向かう途中で2軒ほど寄ったら、危うく飛行機を乗り逃しそうになりました…。

帰国後、同行したスタッフが今回の旅の中で印象に残った事のひとつとして「かのアンジョリーノであっても、いまだ日々悩みながらチャレンジを続けていること。」を挙げていました。

「なるほど~、そういう風に思うのだなぁ。でも、あれ?オータ、ことある毎にそうなんだって言ってこなかったっけ??」とオータは思ったわけですが、そのスタッフ的にはうっすらと想像くらいはしていたことが、ボトリングを控えるワインを前に真剣に悩むアンジョリーノの姿を臨場感バリバリな状況で目撃したことでようやく完全に理解したというか、腑に落ちたのかもしれません。まさに百聞は一見にしかずってところなのかもしれませんが、オータとしてはちょっとした視点の転換さえできれば、“一見”なくとも“まざまざと想像できる”ようになると考えています。

ワイン造りも人生も、個々人によって回数の多寡やコトの大小の差こそあれど、自身がそれまでに経験したことのないことに挑戦し続けることで構成されている点に変わりはありません。そんな中、“こうなりたい”とか“こういったものを表出させたい”というような“目標”を設定してコトに取り組むケースがあると思います。走り高跳びという競技を例えに使うなら、自分が今まで飛んだことのない高さにバーを設定する感じでしょうか。偉大なアスリートであれ愛好家レベルのヒトであれ、リスクを冒す(=より高いところに目標を設定する)ことにしたヒトだけが、自己記録更新への挑戦権を得られるという事と、挑戦したからといって常に記録更新が叶うわけではない事実にも変わりはなく…。

先日来日したカーゼ コリーニのロレンツォも奇しくもこんなことを言っていました。

「伝統とは、先人の数々の失敗の賜物である。」

自身の欲目が邪魔してしまうからなのか、僕たちはついつい成功体験のほうにばかり目が行きがちですが、どんな偉業の陰にも必ず多くの失敗や数々の試行錯誤があるはずなのです。こんな極々自明な事柄をしっかりと心に刻めているか否かで、想像できることの質といいますか、リアリティが変わってくるのではないでしょうか。

そしてそのリアリティを自分の中に取り込んでいればいるほど、挑戦してみたものの最終的には良い結果が伴わなかった他者の行為に対しても、寛容になれるのではないでしょうか。最近のオータ、“寛容”というネタの周りをずっと回遊しているような…(笑)。

今回紹介させていただく、成功体験を味わうことのできなかった商品たちにも、どうか寛容な心で臨んでいただければと思います!それでは新入荷案内行きま~す!!

<em><span style="font-size: 10pt;">Alberto Anguissola</span></em>

オータがピアチェンツァ周辺のワイナリーを訪問する際のスケジュール管理、ワイナリーへの送迎に料理、近隣の造り手を集めての宴の手配から片づけまで、まさに八面六臂の活躍が素晴らしい、アルベルト アングイッソラのピノネーロで造るフリッザンテ、ハルサメ2014が待てど暮らせど終売の兆しを見せません!!!確かに滅茶苦茶白濁しているし、還元香もなかなか取れない…。YouTube上にもアップ( https://vinaiota.com/blog/3559 )しておりますように自家デゴルジュマンをすれば、問題のないレベルにまでなっている気もするのですが…。2014年の教訓を生かし、醸造にも最大限の注意を払って仕込まれた2016年ヴィンテージは、そりゃもう格段の洗練具合です!そんな2016、2014がなかなか売り切れない為、港で約1年間の強制冬眠に入っておりましたが、もういい加減起こしてくれ!とワインが言っているような気がしたので、リリースすることにしました。

●年齢的には若いですがもう既にすっごいオトナな雰囲気を醸し出しているカゼ2014
●バルベーラ&ボナルダというこの地域の伝統的なセパージュで造られる親しみのある味わいのカルカロット2014
●ちゃんと土壌の特性の差が味わいの中に表現されているリーヴァ デル チリエージョ2013の粘土&石灰ver.
●そして本領発揮までもう間近なところまで来ているリーヴァ デル チリエージョ2012

こちらも是非よろしくお願いします!!!オータ的には特にカゼ2014推しです!

愛に溢れる造り手が多いヴィナイオータの造り手の中でも、自然、ブドウ畑、ブドウ樹、ブドウそしてワインに触れられている事に対する喜びを全身で熱苦しく表現することにかけては彼らの右に出る者はいない気がする、薬剤師アンドレア(3月いっぱいで辞めて、ワイナリーの仕事だけで生きていく覚悟をしたそう!)と獣医エンリコのイル モラリッザトーレヴェスパイオ2016、ボトルによってはトロンとしていたり、微微微微微発泡だったりと、なかなかに困ったちゃんなワインで、これまたなかなか売り切れてくれません…。原因となったであろうと彼らが考えているボトリング設備を万全の状態にカスタマイズし、それが功を奏したのか、2017年ヴィンテージはしっかり発泡しています!

新しいワインも届いております!その名をブレスパと言いまして、高樹齢の区画のヴェスパイオーラを手除梗し、3~4日間の醸し醗酵を施したワインで、今回届いたのは2016と2017のブレンドになります。皮ごと醸したことにより、ヴェスパイオ以上にヴェスパイオーラという品種の香りが表現されていると思います。こちらも是非!

変な言い方になりますが、ヴィナイオータ取り扱いのイタリアワインの中で、もっともフランスのナチュラルワインっぽい雰囲気のあるカベルネーレ2015が残り僅かとなりましたので、2016をリリースします!

お次はアントニオ&ダニエラ率いるカンジャルことカンティーナジャルディーノです!!壮大な計画をひっさげて2か月後に来日予定なのに、いまだに何も詳細を詰められておりません…(焦)。諸々決まり次第、皆さんにもご報告させていただきますね!

そんなカンジャルからは、揮発酸が高すぎてリリースするのを躊躇していたタラ ラ2012とボトル一新のヴィーノ ビアンコ フリッザンテ2017各種デカ瓶が届いております!

元々キャンティ コッリ セネージとしてリリースされていたパーチナのパーチナですが、キャンティを名乗らなくなってからの方が、より愛飲されている気がするのは僕だけでしょうか?

きっと原産地呼称委員会側は、自分たちが発行するラベルに大きなブランド力があると信じているのでしょうが、こういった真逆の現象を起こると非常に痛快な気分になりますね(笑)。そんなパーチナのパーチナ2012が売切れましたので、2013年をリリースします。若干極端な天候だった2012年に比べると2013年は調和の取れた年で、素晴らしい品質のブドウが獲れたため、例年よりもイル セコンドに回すブドウが少なくなり、結果としてパーチナ(ワイン名)の生産量が初めて30,000本にまで達することに。ヴィナイオータは、その2割を担当することになりました(笑&汗)。2009や2011のような濃密さがあるわけではないのですが十分にパンチもありますし、2012年よりもタンニンの質も柔らかなのでストレスフリーに飲めちゃうワインです。

皮ごと仕込まれた白ワインの中でも手の届きやすい価格帯という事もあり、たくさんご愛飲頂いているシチリアのイル チェンソが造るプラルアール2015ですが、某国に拉致監禁されていた分が売り切れましたので、後発分をリリースします!

2400本ほどありますが、2~3か月程度でなくなってしまうと思いますのでお買い逃しなきよう!入荷当初は心を開いてくれなかった、ペッリコーネで造る赤ニューロ2013年もいい感じになってきているのですが、見た目(色、香り)も中身(味わい)も派手目なプラルアールの陰に隠れがちとなってしまいます…。ですが、飲んでいただければ、そのキラリと光る個性に気付いていただけると思います。こちらも是非!!!!!

イル ブオンヴィチーノ改めラッセッラからは、2018年産の食品各種が届きました!

彼らから食品を買うようになって10年近く経とうとしていると思うのですが、今の今まで一度たりともインヴォイス通りの数で来たことがありません…。前当主である母イザベッラは、彼女が混乱を生み出しているのか、それとも混乱の神に彼女が祝福されているからなのかが分からなくなるほどにトラブルに事欠かない人なのですが、どうやら算数の神には完全に見放されているようで、信じられないくらいに数が合わない状態で荷物が届いたりしてました。

4人の子供に農場を託し、アグリトゥリズモ&食品製造部門は三男アキッレの担当となり、ジャム類専用の箱を使うようになる(母イザベッラはワイン用の箱に入れられるだけ入れるという手法を採っていたため、ビンの形状やサイズによって入数がまちまちでした…)などして、母親よりはちゃんとしているなぁと感心していたのですが、残念ながら今回も数は合っていませんでした…。訂正インヴォイスを作成するために何度かやりとりをしていく中でアキッレが、
「(面倒ばかりかけて、)本当にごめんね。ま、でも…知っての通り、俺もあの母親の息子なわけじゃない?というわけで、イケてない伝統はまだ続くってことで…。」
と母親並みに面白い切り返しをしてきました。

今回届いた商品ですが、柑橘類のジャムを除くすべての商品が関税撤廃となったため、ほんの少しではありますがお値段をお下げすることができました!

サングイネートのドーラおばちゃんの甥っ子と聞いて、どんなワイルドな奴が現れるのかと思ったら、風貌も言葉遣いも至って丁寧な人で逆にびっくりしてしまった、マッシモ フォルソーニの2017年産(!)オイルが今更ながら届きました!

文:太田久人

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(本ブログ掲載時には既に完売しているアイテムもございます。予めご了承ください。)

 

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