イル モラリッザトーレの紹介文で登場したので、次はカノーニカ行きます!
他の造り手たちから一番びっくりされたのが、カノーニカの参加かもしれません。
イタリア各地で催されているナチュラルワインのサロンにも参加することも極めて稀で、生産する7-8000本のワインは馴染みの客だけでなくなってしまうため入手は困難を極めます。
現地でもまさに知る人ぞ知る的造り手の1人。
彼との出会いは確か2002年頃だったと記憶しています。
ヴィニータリーという毎年春にヴェローナで行われるワインの見本市の時期は、ラ ビアンカーラ宅に泊まらせてもらっていたのですが、この年はフランク コーネリッセンも泊まっていました。とある日、フランクがとある造り手訪問から、ほぼ空のビンを抱えて興奮気味に戻ってきました。
約3週間前に抜栓したボトルだと僕に説明しつつ、注ぐとほとんど澱という状態(笑)。
ですが、フランクが嬉々として僕に飲ませようとしただけのことはあり、飾り気がないのにとてつもなく深い味わいで、まだこんな無名の偉大なワインがあるのかとびっくりさせられました…。
それがカノーニカのバローロの96年で、フランクと僕はすぐに彼を訪ねることに。
彼の住まいはバローロ村の集落のど真ん中にあり、僕も何回も前を通っていたことに2度目のびっくり(バルトロ マスカレッロのセラーから徒歩30秒!)。
ワインの味わい、ラベルのデザイン同様に、ジャンニ カノーニカ本人も飾らないし物静かだけど確固たる信念を持っている人で、僕もフランクもその人柄に速攻惚れ込んでしまいました。
是非ワインを売ってもらいたいとお願いしたところ、経済的事情で生産した大半のワインを桶売りしてしまうため、大した本数は用意できないけど…とジャンニ。
全然本数は問題じゃないと説得し分けてもらったのが、バローロ97年でその数120本(笑)。
98年は愛娘マリーアの生まれ年という事でボトリングしたものの一切販売はせず、99年と2001は全生産量を桶売りし、2000年は90本というもうどうしてよいか分からない本数…。
とこんな感じで待つこと5年(!)、2002ヴィンテージはまとまった本数をボトリングしたよ!という連絡をもらい、本格的な取引がスタートします。
それからはヴィナイオータのために生産量の約1/3のバローロを取って置いてくれるようになりまして、現在に至ります。
当然のことながらボトリングしたほうがワイン(特にバローロ)は高値で売れるのですが、ボトリングするためにはビン、コルク、ラベル、箱などへの初期投資が必要となり、それが2002ヴィンテージ以前のカノーニカにとっては非常に重いものだったのかと…。
恐らくですが、桶売りしたことで得られた収入で、もともと牛舎だったスペースをセラーへと改修し、樽を買い足し、ボトリング資金を貯めていったのだと思います。
派手なサクセスストーリーにばかり目が行きがちですが、決して無理をすることなく一歩一歩着実と前に進みながら自身の夢を実現させたジャンニも、これはこれでカッコいいなぁと思うのは僕だけでしょうか。
いちワインラバーのオータ的にも、最強のバローロのひとつです!
(造り手について、さらに詳しくは下記リンクよりご確認ください!!※ヴィナイオータのホームページにとびます。)