造り手の来日&イベント開始まで、若干の余裕をもって全ての造り手の文章を書き上げようと思うと、2~3日に1造り手の文章を書かなければいけないという事実に気が付き、気が遠くなっているオータです。
ぎゃんばります!!!
まずは前回も来日した、アルベルト アングイッソラの2011年冬以降の話を盛り込んだ”その2”から行きます!!!
<造り手紹介 アルベルト アングイッソラ その1>も是非ご一読を!!
国際的なスプレー缶製造メーカーで働きつつ、ワイナリーを運営していた兼業農家のアルベルト、2011年12月、日本からの帰国早々に会社から、彼の働いていた工場を2012年1月に閉鎖することを決めたと告げられます。そしてアルベルト個人には、他の2工場でのより高い役職のオファーがありました。良い話のように聞こえますが、大きな問題点が…それら2工場が彼の住むピアチェンツァから200km離れたところで、とても通える場所でないという…。
もうしばらく働き続けてワイナリーに投資するためのまとまったお金を稼ぐか、それともサラリーマン生活にピリオドを打って専業農家となり、ワイン生産だけで生活していくかという大きな選択肢を突き付けられます。
まだ決めかねているという状態の時にもらったメールにはこんなことが書かれていました。
ブドウ栽培とワイン生産だけで生きていくという事、つまり生きていくための糧の獲得手段をすべて自然に委ねることで、より多くの教訓、そして大きな喜びが得られるって気がしているんだ。そして恐らく、家族が普通に生活していく位は、どうにかなるんじゃないか…ともね。
その3週間後に、やっぱワインだけで生きていくことにしたわ!というメールが届きました。この選択を予想はしていたのですが、それが今後の彼のワインにポジティブなものをもたらすことを確信している僕としては非常に嬉しかったです。この事とは関係なくですが、同時期にワイナリーとして大きな出来事が2つあります。 まずは2012年に、ワイナリー近くに1ha強のピノ ネーロを植えます。数年後には、彼のピノのスタンダードライン、カゼの生産量が増えることになると思います!
植えたばかりの畑
もう1点は2011年から、ワイナリー近くの、後継者に恵まれずに栽培放棄されそうになっていた高樹齢の樹が植わる区画を借り始めたこと。赤品種はバルベーラとボナルダで樹齢50年以上、白品種はマルヴァジーア、モスカート、オルトゥルーゴ、マルサンヌで樹齢40年以上にもなり、品質の良いブドウが獲れるのに放って置くのはもったいないというのもありますが、それ以上に高樹齢の樹を人が手をかけつつ維持すること自体が文化継承(の望みをつなぐこと)になるという思いがあったのだと思います。
この区画のブドウから、白は4品種を混醸、8-10日間の軽い皮ごとの醗酵を行わせたワインを、赤はバルベーラ&ボナルダという伝統的なセパージュでスティルワインをメインに造り、地場消費も目論んでかこの地域一帯の伝統に根差した微発泡性ワインも実験的に造っています。
今回の来日に合わせ、これらのワインも届いています!!
ホスピタリティ精神に富んだアルベルト、僕が彼を訪ねる時は、とことん楽しんでもらおうと、夜は友達(主にワインの造り手)を誘ってのパーティーにとなるのですが、まあボトルの開く本数がハンパなく…。
アルベルトとラ ストッパの醸造責任者にして自らデナーヴォロというワイナリーも運営しているジューリオ。彼らの周りには、ほんと素敵な造り手達が集っています。もっともっと日本で紹介されていいゾーンだと思います。
こういう雰囲気、いいですよね。