思い起こせば事の発端は3年前、2011年の夏の暑い日にかかってきた一本の電話だった。
「鎌倉もやりたい〜?」
電話に出るなり聞こえたのは、ヴィナイオータの太田社長の、そんなイタズラっぽい、意味不明な第一声だ。
「は?何をですか?」
そう聞き返すのが普通だと思うが、そう聞いた僕に対して返ってきた言葉はやはり、
「だからぁ〜、かまくらも、や・り・た・い?」
ワケが分からないが、太田社長の「面白い事、あるよ〜」みたいな声の表情に拍車がかかる。社長のこういう誘いに乗らない手はない。
「やりたいです!」
そう返答した僕に、ようやく、
「そっか〜、いや、実はさ・・・」
と、事の次第を話して下さる。
太田社長の40歳の誕生日に、イタリアの15件のワイナリーの造り手たちが来日すること。日本の各地でイベントを開催すること。
その中に、鎌倉も候補として挙がっているということ。
またとない話である。断る理由などない(もう快諾しちゃってるけどw)。
他会場である、京都、大阪、仙台、東京と違うのは、都市とはいえない鎌倉に、200人収容のワインイベントを開催できる大きな会場は、事実上、ない点だ。
しかし、苦肉の策が、功を奏した。
鎌倉駅周辺の5店舗周遊のイベントにしたのだ。
5店舗に3生産者ずつ配置し、お客さんには自由に各店舗を行き来してもらうシステムは、お客さんの高い満足のみならず、造り手たちにも少なからず好印象を与えられたようだった。
そして今年、3年ぶりに開催されるヴィナイオッティマーナ!(続く)
(写真はトスカーナ、キャンティ コッリ セネージのパーチナ)