次はエミーリオ&マリアルイーザ老夫婦が営むワイナリー、ボルガッタです!
エミーリオは、今回来日する造り手の中で最年長の御年80歳!!!でも滅茶苦茶元気なんです!
とはいえ、彼の日常から考えると真反対のような生活を2週間ほどさせるわけですので、あまり無理させないようにしないと…。
ボルガッタを扱うことになった経緯等に関しては、2014年10月に書いた記事を丸写ししちゃいます…。
僕たちがブドウ品種の特徴だと信じているものの多くは、「ブドウ品種+土地」、つまりとある土壌、微気候、環境下に置かれたブドウが表現したもので、ブドウだけに由来するものではない、と僕は考えています。例えばピノノワールというと、やはりブルゴーニュを基準にその特徴を考えるわけですが、弊社取扱いのアルベルト アングイッソラのピノ ネーロなどは、ブルゴーニュのピノとは似ても似つかない表情を持っていたりしますし、バローロ&バルバレスコのゾーンのネッビオーロとヴァルテッリーナのネッビオーロ(キアヴェンナスカ)では、本当に同じブドウなの?とでも言いたくなるくらい香り、タンニンの質、味わいに差があったりします。
ドルチェットという品種にとって、ドリアーニとオヴァーダという2つのゾーンとのセッションは、化学変化に富んだ刺激的なものなのではないでしょうか。
ドリアーニは、咀嚼しなければいけないくらいのタンニンと圧倒的果実味を備えた血気盛んなドルチェットを生み、若飲みというイメージのドルチェットにあって、そのやんちゃさが収まるのに長い熟成を必要とし、オヴァーダは、ドリアーニのように強い打ち出しはないのですが、静謐な雰囲気の中に確固たる信念を秘めているかのような、非常にネッビオーロ然した(もちろん、“ごく一部の”ネッビオーロを髣髴させるという意味で、です)ワインを産する土地です。
オヴァーダのドルチェットに関して、そういった認識を僕たちに与えてくれた造り手がジュゼッペ ラット翁(2014年11月逝去)であることに異論をはさむ余地は全くないと思います。
家族のフォローを受けられずに、最後は廃業という形でワイナリーを閉める事となり、現在は擁護施設に収容されているという話を聞きました…。
晩年の彼のワインには、樽のバクテリア汚染に由来した危険な雰囲気(笑)のものもありましたが、1991のオリーヴェなどは本当に凄かった…。
明確にイメージしていたわけではないのですが、いつかあんなドルチェットにまた出会いたいなぁと思っていたら、本当に出会ってしまいました(笑)。
ワイナリーの名前はカシーナ ボルガッタ、1948年創業の、奥さんのマリアルイーザが父親から相続したワイナリーで、現在は夫エミーリオと共に営まれています。
もともと薬剤に頼らない農業を実践してきたのですが、エミーリオに畑&セラーでの仕事や哲学に関してもっとも影響を与えたのが、友人だったジュゼッペ ラットだという…初めてボルガッタのドルチェットを飲んだ時、真っ先にラットのことを思い出したのは決して的外れじゃなかったことを後から知りました。師匠同様に商売が下手なのか(笑)、在庫がいろいろあるようでしたので、古いヴィンテージから各個撃破することにしました…。
取り扱い始めてちょうど3年経つわけですが、おかげさまで大変好評いただいております!
地元では全く見向きもされないけれど、日本で自分のワインが楽しまれているということが嬉しくて嬉しくて仕方のないエミーリオ、一昨年訪ねた際には、目に涙を浮かべながら僕に家の鍵を差し出し、「この鍵を君にあげてもいいっていうくらい、君の事を信用しているし、君が僕たちの為に日本でしてくれている仕事に対して最大限の敬意を払っているよ。」だそう。
そして、お客さんが来るたびに見せて自慢しているものがあるというので、見せてもらうと…、
輸出するための貨物に貼り付ける、ヴィナイオータの社名と住所の記載された紙(笑)
あまりにもキュートでピュア!!
こんな爺さんに僕もなりたい!でも無理か(笑)。
前回来た全造り手の中で一番熱狂興奮していたのがカ ルマーコのエマヌエーレなら、今回一番感動しちゃうのはこのエミーリオだとオータはすでに確信しております!!
こちらもご参照ください!
(ヴィナイオータのホームページにとびます。)