造り手紹介 ダニエーレ ポルティナーリ その2(2015.1筆)

あと4人にまで来ました‼︎
予想通り、1月中に全ての造り手の紹介文を書くことは出来なさそうですが、日々の業務に差し込まれながらも、込めるべきものをちゃんと込めた文章を書けているので、それだけでちょっと満足しちゃってる僕(笑)。

というわけで、ダニエーレ ポルティナーリ行きます!

ポルティナーリ情報の収集に関しては、3年前からはあまり進展がなかったようで、書くネタがあまりありません!!!(涙)頑張って、ひねり出したいと思います…。

ダヴィデ スピッラレと時期を同じく、3年前あたりを境にワイナリーとしてのドラスティックな変革を進めます。
2011年は、ダニエーレにとってはブドウが酷暑に苦しんだ、非常に大変な年だったのですが、その影響が残っている上に、2012年も雨の少ない年で、ブドウ樹はストレスに苦しみ、結果ブドウの収量も激減します。ですが、収穫量も少ないし、全部自分で仕込んでみるか!ということで、他のワイナリーにブドウを販売することをやめ、全量を自家醸造、自家元詰することにし、以降も全量を自ら仕込むことにします。
それに伴い、セラーの改修にも着手、2014ヴィンテージからはNewセラーで醸造をしているはずです。それまでは、本当にこんなとこで大丈夫??と言いたくもなる、下の写真のような、ガレージのようなところで醸造していました…。

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どんなに丹精込めて作ったブドウも、他のワイナリーに売ってしまったとしたら、二束三文にしかならず、ましてやコッリ ベーリチというマイナーな生産地域なので、三文にさえならないかもしれないですよね…。

不作という、造り手的には全くもって喜ばしくない出来事が、考えたり、踏ん切りをつけたりするきっかけを与える事もあるというのも面白いですよね。
生産量に対して、その量に近いだけの需要が見込まれるということも、後押しをしたのだと思います。

退路を断つというか、”ワインで生活していくんだ!”という不退転の決意に至ったことと、毎年積み重ねていく畑&セラーでの経験が、年を追うごとに彼のワインに特色というか、アイデンティティをもたらしているような気がします。

先ほども書いた通り、ポルティナーリとのエピソードの欠けるオータ、お客様向けの新入荷ワインの紹介文で、彼の事を書こうにも情報があまりにも少なく、いつも小ざっぱりした文章になってしまいます(笑)。ワイン自体もヴィナイオータのラインナップの中では非常におとなしめのキャラですし、僕の紹介文も小ざっぱりですから、大きな反響というのはないのですが、新しいヴィンテージが入って来るたびに、着実に動きが早くなっているのを感じます。まるで、市場(しじょう)が、彼の覚悟が固まってきているのを感じているかのようで…。
2011年のオッティマーナに来日したことで、多くの飲み手の方たちにとって身近な存在になって、ワインが動くようになってきたというのもあるでしょう…。

アンジョリーノの後押しで、2007年にバリック1樽から始まったワイン造りが、5-6年後には30倍の規模となり、去年新しくブドウを植え、今後はさらに増産態勢に…。

こういうのを、正の連鎖というのでしょうか??
僕は、相互に強く関わり合うというのは、こういうことなのかなぁと思いました。恐らく、どの要素が欠けても、今現在の状況はなかったのかと。もちろん、数年遅く実現できていたりとかは、あり得ると思いますが。

カンジャルの記事にも、「日本が一番最初に自分たちの事を強く信じてくれた」と彼らが思っていると書きましたが、ポルティナーリも然りなのでしょうし、ヴィナイオータの扱う造り手の大半が本気でそう思ってくれているのだと僕は確信しています。
彼らのとっての日本窓口は僕ですが、僕一人の力でその彼らの認識を勝ち取ったわけではなく、飲み手の皆さんと共に手にしたものだと思っています。
リスクを冒した量を仕入れてきますので、そのきっかけは僕なのかもしれませんが、みなさんに楽しく飲んでもらって、またさらに別の機会に飲んでもらってと、一連のサイクルを継続しないことには、造り手達に僕たちが彼らの事を強く信じているということを信じてもらえなくなるわけで…。

何が言いたいかといいますと、僕は、日本の飲み手の方たちの事が非常に誇らしい!!!
うちの造り手達は、皆さんに生かされているんです!!(あ、僕も!笑)

「イタリア国内に、ヒサトっていうワインのディストリビューターがいたら良かったのに…」
というありがたい言葉を、多くの造り手から頂いているオータですが、僕は日本に生まれ育ち、日本からワインを見て、飲んで、日本でワインを紹介できていること、これらすべてが僕にとって最大の幸運であったと思えてなりません。
イタリアで、僕が扱う造り手のワインを、僕が今買っている(つまり売っている)量と同じだけ売れと言われても、絶対にできない自信があります!(なんじゃそりゃ)
このミッション インポッシブルは、来世で僕がイタリアに生まれる時までペンディングということで!!

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