【新入荷】2016年4月 その1
先日、ナチュラルピクニックというイベントが福岡でありまして、弊社も参加させていただきました。日頃は日陰に回りがちな生産者に光を当てることに主眼を置いた、愛に溢れた本当に素晴らしいイベントでした。ワインであれ食品であれ、品質(味わい)が良いことはとても大切な事だと思うのですが、それだけでは不十分だと僕は考えています。生きる為に食べる(飲む)わけですから、その食べ物(飲み物)を摂取したことで次の日に体が重くなった…言い換えるなら“次の日、若干生き辛くなった”としたら本末転倒ですよね?その食べ物が身体に“楽”を、心に“楽しさ”をもたらし、なおかつそのプロダクトの生産過程が自然環境、動物、植物にとっても“楽”(極度に負荷がかからない)で、持続可能なスタイル(ヒトという種を長く“生かす”ためにも非常に重要な事なのでは?)であること…。生産者の言葉を直接聞いてもらうことで納得し、腑に落ち、品質(味)の“向こう側”に想いを馳せれるようになり、そして“身につける”もの以上に“身に入れる”ものの方が、身を守る上で遥かに大切であるということをより多くの人が強く意識できるようになる事…そういったことへの良いきっかけとなるイベントだったのかと。
それは、ヴィナイオータが食べる試飲会という企画を通じて皆さんにお伝えしたいことに他ならず…心強い同志ができたことを実感した福岡出張でした!!
それでは4月の新入荷案内第1弾行きます!!4~5月と非常に危険なワインの入荷が続くという事だけは前もってお伝えしておきます。心もお財布も準備を怠らないようにしてくださいね(笑)。
ナイーブ農民詩人醸造家哲学者パン屋な天才鬼才ジャンフランコ マンカのパーネヴィーノから、2014年の赤第1弾とビッルケ2013が届きました!
ワインの名前はSu chi no’seu(スキノセウ)で、イタリア語にするとQuel che non sono、無理くり訳すと「(事実、自身の意図とは)異なる事」ということになるのでしょうか。僕たちがヴィーニャ イタリアと呼ぶ畑のブドウを使用していて、同じブドウを使って2013年にはロゼワイン(パーネヴィアンローズ)を仕込みました。スキノセウという名前も、2013年の赤、Su chi no’nau(スキノナウ)にかけた形になっています。
で、ジャンフランコ的に何が異なるのか?
彼の、とあるワインの中に見出される特徴は、(ジャンフランコ)自身を代表する、中でもサルデーニャという場所に生まれ育ったことで持ち合わせることになった性格的側面によるものだと世間的に思われていることがあるようだけど、そうではなく、どちらかというとその瞬間の彼の気分であったり、好みのようなものに多分に由来しているということ。それぞれの畑(→ブドウ→ワイン)に(独特の個性を)付与するということが、彼が表現したかった事の中核をなすわけではなく、どちらかというと、様々な要素を造り手が統合、組み合わせることで1つのワインが生まれているという事をワインを通じて表現したかった。テロワールだけでも、ブドウ品種の個性だけでも、その年の気象条件だけでもなく、造り手自身の置かれている状況であったり、その瞬間の気分であったり…同じ人が、同じ畑の、同じブドウを醸したとしても、気分やその時の精神状態如何によっては全く違うワインが出来上がるのでは?
2013年には、ジャンフランコ自身の精神がロゼ(軽さ、フレッシュさと同時に複雑さも備えた…)を求め、2014年には同じブドウを使って濃密な果実+レモン数滴(揮発酸?(笑))と真逆なワインを醸し…スキノセウ、入荷しております!
スキノセウ 2014(セパージュ:モンテプルチャーノ、バルベーラ、チリエジョーロ)
ビッルケの2012年ヴィンテージになるはずだったワインは、2次醗酵用に畑に残して置いたブドウが盗難の被害に遭い、Incompiuto per furto d’uva(ブドウの盗難による未完成品)という名前でリリースされたのが2年前。2013年は、幸いにも盗難には遭わなかったのですが、ものの見事に発泡せず(笑)、2014年の収穫時に全てのボトルを開け(!!)、目分量でワインを捨て、そこに2014年のモストを添加し…と気の遠くなるような作業の末にようやく発泡したのですが、2014年の冬が暖冬だったこともあり澱(酵母)が酒石と一緒に沈まず、濁りワイン状態になってしまいました…。というわけで、ジャンフランコから正しいビッルッケの開け方を教示されまして、それをみなさんにもご説明させていただきます。
・ボトルを縦にして少なくとも数日は置いておく
・飲む際は比較的キッチリ冷やす
・カラフェを用意し、開栓時にワインが噴くということに心の準備をしておく
・王冠を開けたら、ボトルによってはシュワ―と噴き出すので、一気にカラフェに移し、澱を取り除く
・飲むべし!
澱がワインに回ったとしても、味わいにさして問題はありませんが、ジャンフランコ的にはそうしていただきたいとのことでした。ワインの噴きこぼれに関しても、ガス圧が恐ろしく高いわけではないので、1/3が無くなるとかそういうことはありませんのでご心配なく!
ビッルケ 2013(セパージュ:ヴェルメンティーノ、ヴェルナッチャ、トレッビアーノ)
エミーリオ爺さんのワイナリー、ボルガッタからもワインが届きました!地元で全く見向きもされないけれど、日本で自分のワインが楽しまれているということが嬉しくて嬉しくて仕方のないエミーリオ、先日訪ねた時には、目に涙を浮かべながら僕に家の鍵を差し出し、「この鍵を君にあげてもいいっていうくらい、君の事を信用しているし、君が僕たちの為に日本でしてくれている仕事に対して最大限の敬意を払っているよ。」だそうです…。こういうこと言われちゃうと、更に頑張らなきゃってなっちゃいますよね?というわけで、また沢山買ってきました(笑)!!ドルチェットは2010年と新入荷の2011年、バルベーラは2011年が再入荷です。ドルチェット2010は一瞬で終わると予想されますのでご注意ください。ドルチェット2011も、2010よりはアルコール度数が低いのですが、それでも14.7%あります…強いのにザクザクです!ガツンガツン使ってください!!
おっちょこちょい度合いと、小さな不運を呼び寄せるセンスに関しては天才的と言わざるを得ないイザベッラ率いるイル ブオンヴィチーノからは、ワイン3種と夏の作物で作った瓶詰各種が届いています。ワインは全て2014年で、アウグスト(ドルチェット)、アキッレ(ブラケット)、ターツィオ(モスカート)。どのワインも2014年という太陽に恵まれなかったヴィンテージの特徴が反映して、例年よりもアルコール度数的には1%低いです(それでも13%以上あるようです!)。どのワインも限定とはしませんが、瞬殺必至です!瓶詰もいろいろお試しください!!!オータ家的いちばんのお気に入りは、トマトの瓶詰でしょうか。一切水を入れずに生のトマトを少量の塩とバジルと共に瓶にギュウギュウに入れ蓋をし、湯煎で調理と加熱殺菌を同時に行ったという代物、絶品です!!
ヴィナイオータとしては初輸入の造り手がバルバレスコから到着しました!!カシーナロッカリーニという、息子パオロと母ルチアーナの2人によって営まれるワイナリーになります。1978年生まれのパオロ、小さな頃からトラクターに乗ることに憧れ、14歳の時(!)には農作業を手伝い始めます。中学を終え、この先どういったことを学ぶかを決めるにあたって、デスクワーク的職業ではなく自然と触れ合う仕事がしたいと考え、アルバにある醸造学校に通うことに。1993年から2004年まではブルーノ ジャコーザにブドウを売っていたのですが、2005年からは自らブドウを醸すことにします。ジャコーザはもともと畑を持たないワイナリーで、高いポテンシャルの畑を持つ優良なブドウ栽培家からしかブドウを買わないことで有名ですし、パオロの畑のそばには、ガヤが誇るグランクリュ、ソリ ティルディンがあり…。当然のことながら畑では化学的薬剤を一切使用せず、畑自体周りを森に囲まれているので、調和を大事にする農業を行う上では理想的な環境です。パオロを紹介してくれたMr.モスカート、エツィオ チェッルーティは彼の事を“労を一切惜しまない、ホンモノの農民”と評していました。ワインのお味はと言えば…新規造り手を増やすつもりがあまりないと標榜するヴィナイオータが始めたわけですから…ご期待ください!!今回は2012年のバルバレスコが入荷です。
去年の秋ごろ、フリウリでソーヴィニョンスキャンダルなるものが発覚しました。なんでも、ソーヴィニョンの香りを助長する違法の酵素ないし酵母の一種を使用している造り手がいるということで、計18ワイナリーに警察が“ガサ入れ”に入りまして、その中にはペコラーリの名前も…。結果から言いますと、シロでした。彼らがワインの分析をお願いしている分析所にその酵素ないし酵母を勧めたとされる人が働いていたために、ペコラーリも疑われる羽目になったようです。他の人からも話を聞いていくと、非常に不思議な事ばかり…まるで誰かが仕組んだかのような…。自己顕示欲、他者よりも優位に立ちたいという願望、妬みそねみ…経済的な成功に最大のプライオリティをおく人達によって、こういったしょうもない事件が起こる、世界の縮図を見た気分です。
で、ワインですが、スタンダードラインからクリュ物まで一通り入荷しております!!
131,136,144,145 nuovo16.04.04
【新入荷】2023年8月その3(La Biancara,Il Moralizzatore,Borgatta,Nicolini,Camillo Donati,Montesecond,Pacina,Il Cancelliere,Arianna Occhipinti) ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】ボルガッタ 【新入荷】2023年3月その2(Davide Spillare,A Maccia,Trinchero,Borgatta, AR.PE.PE.,Daniele Portinari,Cantine dell’Angelo,Il Cancelliere) 【新入荷】2023年1月その4(Luigi Tecce,Conti,Daniele Portinari,Montesecondo,Alberto Anguissola,La Collina,Natalino del Prete,Camillo Donati,De Fermo,Borgatta,Arianna Occhipinti) 【新入荷】2023年1月その1( Sanguineto,Pierpaolo Pecorari,La Visciola,Francesco Brezza,Borgatta,Il Moralizzatore)