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2016-06-09

【ほぼ毎】ニコリーニ、ラ カラブレッタ (2016年6月)

malvasia

4月にスタートしました新企画、『 ほぼ毎月つくり手紹介!』

5月はご紹介出来ずにスミマセン。。6月からまた”ほぼ毎月”でご紹介させていただきます!第2回目となります今月は私、佐藤が担当させていただきまして、フリウリ ヴェネツィア ジューリア州の「ニコリーニ」と、シチリア州の「ラ カラブレッタ」をご紹介させていただきます。

★無名中の無名!だけど唯一無二の心に残るワインを造る 『ニコリーニ』

nicoli

先日のWine For Charityでもマルヴァジーアがとても好評で、持っていった6本が真っ先に無くなりました。

実は5年前、東日本大震災を受けて開催された第1回目のWine for Charityでも、ニコリーニマルヴァジーアを出していたのです。当時、ワインとは全く無関係な仕事に就いており、ワインに興味を持ち始めたばかりの私。とあるきっかけでその存在を知りすごく気になっていたヴィナイオータもチャリティーに参加すると聞き、いそいそとつくばから子連れで出かけて行ったのでした。

そこで初めて出会ったのがニコリーニのマルヴァジーア。甘口ワインなのかと思わせるほどのアロマティックな香り、飲むと想像を絶するミネラル!濃厚なのに軽やかで、いくらでも飲んでいられそう…それは自分が今まで持っていた漠然とした白ワインのイメージを覆すものでした。その日帰宅してすぐに検索し購入した、私の思い出のワインなのです。

ニコリーニは、トリエステの東のムッジャというイタリアの一番端っこ、スロヴェニアとの国境の港町にある家族経営のワイナリーです。当主のジョルジョ、奥さんのロッサーナ、息子エウジェーニオとジョルジョのお父さんの4人で、ヴォドピーヴェッツ同様にカルソの石灰岩質の畑で恐ろしく凝縮したワインを生産しています。

ムッジャはもともとオーストリア領だったこともあり、自家製のハムやチーズをつまんでもらいながらワインを提供する、オスミツァと呼ばれる農家居酒屋(?)が近年まで地域の伝統として残っていた場所で、ニコリーニ自身も数年前までオスミツァを経営し、豚を飼い、ハムやサラミを自ら仕込み、それらを供し、そして生産するワインの大半をオスミツァで消費していました。その為ごく少量しかボトリングせず、ボトリングされたワインの大半をヴィナイオータにロマーノ レーヴィを分けてくれているオッターヴィオ氏が買い取っていたために、同じフリウリのうちの造り手たちでさえその存在を知りませんでした。今現在はオスミツァを閉め、全てのワインをボトリングし販売しており、年間生産量は5000本ほど。加えて、蒸留する免許も持っており、小型の直火式蒸留機で自らのヴィナッチャを使用してグラッパも生産しています。

伝統を重んじ、今や全くと言って良いほど栽培されることがなくなった品種、モスカート ジャッロ イストリアーノ、ボルゴーニャ ネーラ、ピッコラ ネーラを自らの畑でセレクションマッサルを行い、それらの品種を絶やさないように株分けも行っており、畑では化学的な農薬に頼らず、ワイナリーで必要最小限の酸化防止剤を使う以外は極めてナチュラルな醸造を心掛けています。

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マルヴァジーア2008<白>
地域を代表する品種、マルヴァジーア イストリアーナで造るワイン。ヴィンテージによっては、アルコール度数で16%近くになることもあるモンスターワインです。アロマティックなのに軽やか。36~48時間のマセレーション、野生酵母による醗酵、8ヶ月の熟成、ノンフィルターでボトリング。

アンブロージア2009<白>
マルヴァジーアを大樽で熟成させたワインで、アロマがノーマルのマルヴァジーアよりも後ろにまわったワインで、硬質なミネラルを感じさせます。

マリー2009<白>
モスカート ジャッロ イストリアーノで造るワインで、ラベルにブドウ品種名を表記できなくなったために、このヴィンテージに関してはヴィナイオータにニコリーニのワインやロマーノ レーヴィのグラッパを供給してくれていたパルマの鬼グルメ、オッターヴィオが当時気になっていたフランス女子の名前を冠しています(笑)。直接取引となる13年以降は、当主ジョルジョの息子エウジェーニオの名前を冠しています。

ヴィトフスカ2009<白>
前回訪ねた時に、物凄い大ぶりのエビを大量のヴィトフスカで蒸し煮にしたものをご馳走になったのですが、非常に美味でした…。ヴォドピーヴェッツのヴィトフスカとはまた違った良さがあると思います。

レフォスコ2006<赤>
鋭い酸が特徴のレフォスコですが、地元では赤ワインは若飲みすることが多いとジョルジョが教えてくれました…が、熟成させても面白いと思っています!!

チャボ2006ボルゴーニャ2009<赤>
“ブルゴーニュの黒(ブドウ)”という意味のボルゴーニャ ネーラで造られるワイン。レフォスコよりも落ち着いた雰囲気があります。13年以降は、ロッソ ニコリーニという名前に。

ピッコラ ネーラ2013<赤>
果皮の色も薄く、タンニンも少ない、繊細な味わいが特徴の品種です。ロゼワイン的に飲んで頂けるかと。

マルヴァジーアレフォスコのグラッパ
少々お値段は張りますが、文句なしに美味しいです!!

エトナ山の伝統を守り続ける良心のワイナリー『ラ カラブレッタ』

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シチリア東部に位置するエトナ山で、4世代に渡りワインを造り続けるカラブレッタ家。畑はエトナ山北側の標高700~800mの斜面にあり、土壌は火山岩質。フィロキセラの被害を受けなかったネレッロ マスカレーゼの平均樹齢は70~80年で、創業当時から農薬や化学肥料を一切使用せずに栽培を続けてきた。それには1日の寒暖差が激しく、乾いた風がよく吹くため農薬類を使わなくても病害虫がそれほど発生しないことが大きく作用している。

ワイナリーでは温度管理を一切せずに野生酵母による醗酵を行い、その後大樽での熟成を行う。(http://www.calabretta.net/ →日本語のサイトもありますので、是非ご覧になってみてください!)

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ロザート2014<ロゼ>
現当主マッシミリアーノのお父さんが赤ワインを飲めない奥さんのために造り始めたネレッロのロゼワイン。カルデラーラ地区の樹齢の若いネレッロを用い(一部は厳選されてピエーデフランコに)、伝統的な発酵技法「ピスタ エ ムッタ」(ぶどうを潰砕し(ピスタ)すぐに別の容器に移し替える(ムッタ))と呼ばれる伝統的な醗酵技法により生産される。

ガイオ ガイオ2013<赤>
ロザートと同じく樹齢の若い区画のネレッロで造る、果実味豊かなワイン。ある意味カラカラ ロッソの対となるワイン。名前の由来は、現在マッシミリアーノの父マッシモの少年期のあだ名(ガイオ)から。(ラベルの人物はガイオ少年です!)

カラカラ ロッソ(05,08,09)<赤>
本来ならヴィーニェヴェッキエとなるべきワインだったのですが、納得のいかなかった区画、ヴィンテージのものをブレンドしバランスをとったワイン。ガイオガイオが溌剌なら、このワインは老練といったところでしょうか。

ヴィーニェ ヴェッキエ2005<赤>
元エトナロッソ、つまりカラブレッタのフラッグシップ的ワイン。カルデラーラ地区の何百年も昔のぶどう畑から生まれる。約10年後にリリースされるワインでこの価格はあり得ないと思います。

ピノ ネーロ2013<赤>
標高900m以上の場所に植えられたピノ ネーロで造るワイン。火山岩性土壌、高い標高、夏場の強い太陽…どこにもないピノ ネーロかと。

ネレッロ カップッチョ2012<赤>
ネレッロマスカレーゼの陰に隠れがちなカップッチョをフィーチャーしたワイン。マスカレーゼがテンションを、カップッチョが色、果実味、エレガンスをワインにもたらすことを感じていただけるのでは。弊社の売れ行き的にも陰に隠れてしまっていますが、是非お試しくださいませ!!

ノンナ コンチェッタ2012<赤>
パッソピッシャーロにある、樹齢100年オーバーの小さな区画のネレッロ。あまりにも収量が少ないのでバリックを使わざるを得ず、強い樽香が付くことを避けるために短い期間しか樽熟成をできないというのがこのワインの不幸な点でしょうか。カラブレッタの持つあらゆる区画の中で図抜けてパワフルなブドウができる区画です。偉大なワインですが、できる事なら5-10年くらい忘却の彼方に置いておきたいところなのですが、ヴィナイオータ的にはスペース上の問題で夢叶わず…無責任な発言になりますが、皆さんの方で是非!!(笑)コンチェッタは、マッシミリアーノのお祖母さんの名前。

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