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2022-04-15

【新入荷】2022年1月その3(Lasserra,Naturale,Pacina,Il Cavallino,Sabadi)

ここ最近、オータのユーモア(皮肉)を解する(であろう)イタリア人には、「新年が、皆さんにとって2021年よりもマシな年となりますように!とはいえ、それ自体そんなに難しいことじゃない気もするけど…(笑)。」的な一文をメールに盛り込んでいるのですが、本当に心の底から、杞憂、心配、不安、疑心暗鬼だらけだった2021年よりもみんなが心安らかに暮らせる2022年となることをオータは願ってやみません!

と、心機一転元気良くいきたいところだったのですが、2022年はバルバカルロのリーノ マーガ翁の訃報という残念な知らせから始まってしまいました。体調が優れないことが増え、度々入院していたと聞いていましたし、高齢だったこともあり、オータ的にも会う度に「次はないかも…」という予感を常に抱いていました。カーゼ コリーニのロレンツォ同様に2020年の3月に訪問予定だったのですが、ロンバルディア州はいち早く移動制限がかかった地域だったという事もあり、断念せざるを得ず…。

大勢(たいせい)におもねることを良しとせず、信条を貫くためならどんなに険しい道を進むことも厭わず、正直に生き、飾らず、謙虚で、他者への敬意を忘れず、慈愛に溢れ…。高貴や高潔といった言葉がピッタリの、オータが憧れる理想の頑固爺像を体現する人でした。

バルバカルロのあるオルトレポ パヴェーゼは、戦後以降にワイン造りの世界で大々的な工業化が進んだ、原産地呼称のレギュレーションも大手ワイナリーに都合がいいように変えられていった地域。原産地呼称委員会が、バルバカルロという歴史ある区画の名声にあやかるべく、バルバカルロと呼べる地域を拡大しようとしたことにリーノは反抗、私財を投げうって、「バルバカルロとは、マーガ家が所有する地番ほにゃらら~ほにゃららだけを指す」ことを裁判所に認めさせたのも、それを象徴するエピソードと言えるかと。

前情報的にもリーノは“闘士”、“勇者”、“戦う農民”と認識されていた上に、数々の戦いをくぐり抜けてきた人だけが持つオーラを放つ人で、つっけんどんで口数も少なく、陽気でもにこやかでもないですし、物言いは辛辣&ストレートでしたので、世間的にはビビられる存在ではあったのですが、オータには心を開いてくれているという印象(確信?)が常にありました。

実際、リーノの死後に息子ジュゼッペから届いたメールにも、「リーノは、ヒサトに対して並々ならぬ称賛の念を抱いていたし、家族の一員のように思っていたよ。」と書かれていたり…。

他にも、造り手だったか一般のワイン愛好家だったか忘れたのですが、とあるイタリア人グループがリーノを訪ねた際にオータの名前を出したところ、「わが友、イザート(ヒサトのイタリア人的発音)…。お前たちがイザートの友達なら、俺とお前たちも友達だ」と言われたそう(笑)。

別に自慢したいわけではないのですが、オータとリーノが互いの考えを深く共有したことが垣間見え、なおかつ前述の“マシ”にも関係するエピソードをひとつ。

会話の最中いきなり「Hisato…,un saggio.(イザートという名の賢人よ…)」と言うリーノ。「いやいやリーノ、賢人とか勘弁してよ!そもそも賢さが何なのかも良く分かっていないし…。ただ俺自身、今日は昨日よりも“少しだけ愚かじゃない(マシな)”自分であろうとは心掛けているつもりだけどね」と返したところ、ハッ!と声に出して笑い、「Hisato,il Grande!(イザートthe Great!)」と叫ぶリーノ。うまく言えないのですが、年齢差を超えて、彼と似たような道を歩む者としてオータのことを認めてくれたんだなぁと思えた瞬間でした。そんなリーノの称賛に恥じないようなオータであれるよう、もっとマシになるぞ!と新春から決意を新たにしました。

というわけで、2022年1月の新入荷案内第3弾です!


元イル ブオンヴィチーノで、現在はイザベッラの息子たちによって営まれるラッセッラからはワイン3種が届きました!ブラケットで造るアキッレ2019だけ700本とそれなりな量が届いているのですが、バルベーラで造るレオナルド2018と樹上で干しブドウ化させたモスカートで造るターツィオ2018は、それぞれ144&84本とごく少量の入荷となっていますので、この2ワインは限定とさせていただきます。

イタリアの食文化を彩るものであるにもかかわらず、ヴィナイオータのラインナップに加わることのなかったプロダクトである、ヴェルモットとビター(カンパリ的な)…。とんでもないものが入ってきてしまいました!サバディのシモーネ サバイーニとシチリアを代表する造り手であるCOS(コス)のジョイントベンチャー、ナトゥラーレ社(※新規取扱)のヴェルモット2種とビターが入荷です!

ご存じの方も多いと思いますが、コスのオーナーの1人がジュスト オッキピンティと言いまして、姪であるアリアンナ オッキピンティがワイン造りを志すきっかけを作った人。

厳選に厳選を重ねたハーブ&スパイス類をアルコール浸漬したものをコスのワインに加えた贅沢すぎるプロダクトです。当然のことながら、サバディの基本コンセプト同様に原料は全て有機認証のあるものしか使用していませんので、ビオ認証入りのベルモット&ビターという事に…。

ではでは各プロダクトのご紹介です!

ヴェルモット オレンジ:コスが遅摘みしたモスカートで造るデザートワイン、アエスタス シチリアエの2018を使用したヴェルモット。糖分のあるワインを使っているという事もあり、砂糖(甜菜由来)の量もぐっと少なくなっています。

アブサン、ゲンチアン、オレンジピール、ヴァニラ、クローヴ、セージ、ベニバナセンブリ、サンブーコの花、ブドウ、プルーン、レモンピール、オレンジの花をボタニカルに使用。当初は、複数ヴィンテージをブレンドしようと考えていたため、ヴィンテージ表記がありません。

ヴェルモット ロッソ:ネーロ ダーヴォラで造るネーロ ディ ルーポの2020ヴィンテージに、アブサン、ゲンチアン、オレンジピール、ヴァニラ、クローヴ、セージ、ベニバナセンブリ、サンブーコの花、シナモン、タイム、ビターアッシュ、カモミール、ルバーブ、カラミントを浸漬したアルコールをブレンド。

ビター:チェラズオーロ ディ ヴィットーリア クラッシコ デッレ フォンターネ2018(コスが造る上級クラスのチェラズオーロ!)にオレンジピール、タンジェリンピール、シトロン、アブサン、ゲンチアン、ルバーブを浸漬したアルコールをブレンド。

去年の時点でサンプルを送ってもらい、試飲したのですが、ワイン-ボタニカル-甘味の間の調和が恐ろしいレベルで取れていて、一切の継ぎ目を感じず、ひたすら飲み心地が良く…。絶対にビックリしていただけると思います!本文章を書いている時点では、税関にうるさいことを言われてしまい(笑)通関が切れていないのですが、無事切れることを皆さんも祈っていてくださいね!

良い人オーラ出まくりなサウロ マウレのイル カヴァッリーノのスタンダードクラスの白、グランセルヴァ2017が終売したので、2018をリリースします。試飲も1回くらいはしていると思うのですが、全く記憶にございません(笑)。粘性がないことだけを祈っております!

微発泡2種と赤3種もよろしくお願いします!

トスカーナのキラキラ家族、パーチナが造るヴィンサント的位置づけのワイン、ラ ソルプレーザ2010が終売したので、2011をリリースです!“ヴィンサント的位置づけ”と書きましたが、2003ヴィンテージと2006以降の全てのヴィンテージは、規定アルコール度数(15%以上)に達する前に酵母が活動をボイコットしてしまったため、ヴィンサントを名乗れないワインに…。これも自然が我々に見せる未知の側面という事で、“驚き”を意味するソルプレーザを名前としたのがこのワイン。もはや“蜜”です!塩気のあるナッツなどとは、危険な相乗効果を生む気がします。

皆さんお待ちかね、サバディからはチョコレート製品全般と絶品トッローネが入荷です!相変わらず、ヴァレンタイン商戦には微妙に乗り遅れてしまっていますが、それもまたヴィナイオータ クオリティという事で(笑)。サバディの直営店と日本でしか買えない、“香りの中で熟成させたチョコ”、アッフィナーティ シリーズもマニアックすぎる産地や品種違いの胡椒で香り付けした新商品を加えた計28種類が届いております!

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