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2016-10-01

【ほぼ毎】フランチェスコ ブレッツァ、ブレッサン(2016年10月)

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第5回『ヴィナイオータ ほぼ毎月つくり手紹介!』。今月はナチュラル(自然で健やか)であることを追い求め、食べるもの飲むものはもちろん遂には趣味のランニングさえ“シューズ”という現代の最新テクノロジーを脱ぎ捨て、サンダルで走るようになりました。筋肉痛が大好物!!のda Dada安西が担当させていただきまして、ピエモンテ州の「フランチェスコ ブレッツァ」と、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の「ブレッサン」をご紹介致します!!!

★清く正しい働き者!『フランチェスコ ブレッツァ』
その素朴さ親しみ易さから、da Dadaではスルスルと飲まれていくブレッツァ。2リットルの安心感もハンパなくお手頃価格で実に良心的な造り手です。Casale del Monferratoにブドウ畑10ヘクタールを含む40ヘクタールの所有地を使って、肉牛を飼い、与える餌もすべて自分で生産したものを使用、小麦などのワラと牛糞を使って堆肥を作りそれを畑に返すという、完全循環型のバイオダイナミックス農法を30年以上実践しています。ワイナリーでもごく少量の2酸化硫黄以外の薬剤は一切使用しません。
ブレッツァはイタリアで一番最初にデメター(バイオダイナミック農法の認証団体)の認証を受けた造り手。肉牛を飼い、飼料は自家生産、それ以外に穀物も作り、ブドウを栽培しワインも造ります。彼の生産するブドウの一部は、デメターがジュース用に買い上げています。

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●ヴィーノ ロッソ2014 2000ml <赤>
彼らのワインの中でも最もリーズナブルなクラスであり、飾らない素朴さを持つバルベーラを主体にフレイザとグリニョリーノをブレンド。収穫されたブドウは除梗後、ワイナリーでフリーラン果汁と圧搾された果汁とで分けられます。フリーラン果汁は上のクラスのワインとなり、圧搾された果汁がこの2リットルのワインとなります。地元の人達は、このワインを買うために空のダミジャーナ(ワインやオリーブオイルなどを入れる大きな瓶)を持って度々ワイナリーを訪れ、日常的な食事と共に楽しんでいます。熟成はステンレスタンクと樹脂製タンクにて行います。

●バルベーラ デル モンフェッラート スーペリオーレ2012 <赤>
彼らのワインの中でも兄貴分的な存在のスーペリオーレ。収穫されたバルベーラは除梗された後、ワイナリーでフリーラン果汁と圧搾された果汁とで分けられ、フリーラン果汁がこのワインに使用されている大樽で24ヶ月間熟成。落ち着きと心地よさをあわせ持つノスタルジックな雰囲気で、どんなお料理にでもそっと寄り添ってくれます。

●バルベーラ デル モンフェッラート2014 <赤>
7haの畑から収穫されたバルベーラ。フリーラン果汁を使用して大樽にて12ヶ月間熟成されます。以前ブラインドでこのワインの古いもの(ヴィンテージ失念)を飲んだ時には一同ビックリ!ブレッツァのブドウが持つポテンシャル恐るべし。

●グリニョリーノ デル モンフェッラート2014 <赤>
ピエモンテ州南部で、ポピュラーなブドウ品種であるグリニョリーノは繊細で瑞々しいワインとなることで知られています。(この地方の「種が多く実が少ない」ことへの皮肉る方言から付いた名前だそうです。)セメントタンクでのマセレーションは短めに行われタンニンの抽出を最低限にとどめ、時に荒々しく感じるグリニョリーノのタンニンを柔らかくしています。大樽で12ヶ月間熟成。グラスワインとしてご提供する際、赤の一杯目として最適です。

●モンフェッラート フレイザ2014 <赤>
ピエモンテ州を中心とした北イタリアで栽培されるフレイザは、その木苺のような甘酸っぱい香りから、微発泡でザブザブとしたワインに仕上げられるか、アスティやアックイなどに代表される微発泡の辛口ワイン、やや甘口のワインとして、地元で長い間愛されてきた。大樽での熟成を経たこのワインはフレイザ特有のキメの荒いタンニンがなめらかで、果実の凝縮感とボリュームを感じます。このワイン自体は辛口で口に含むとピチピチとした極わずかな発泡があり、まるで天然のブドウジュースのような飲み心地。

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★フリウリの怒れる熊! 『ブレッサン』

2014年の冬、ブレッサンのワインが初入荷した時にda Dadaではささやかな(?)深夜のブレッサンお披露目試飲会が開かれておりました。
それから10日程たったところ、試飲会で残ったローザンティコを飲んだ時の鮮烈な味の記憶をいまでもハッキリと覚えております。ブレッサンの本領をまじまじと見せつけられた瞬間でした!!店でグラスワインとしてお出ししてもお客様には「今まで飲んだことなかったけど美味しいね!」と手放しで称賛をいただける造り手のひとりです。

伝統を愛し、一家の伝統に多大なる誇りも感じているフリウリの怒れる熊、フルヴィオ ブレッサン。アーミー(もしくは狩猟)系の服装に身を包み、常に咥えタバコ、自然に対する敬意に欠ける農業&醸造を行う近代醸造界に対しての苦言を呈する際は、センテンス間にイタリア語界に存在するありとあらゆるスラングが織り交ぜられ…まさに怒れる熊のような男でした…。最近では、政治的な発言をしたつもりが人種差別的な発言と捉えられてFBで大炎上したりと、トラブルには事欠きません。
こう書くと、どえらいファンキーなワインを造るように思われるかもしれませんが、会話の流れから、こんなことも言っていました。「俺にとっての最大の敵は、もはや(ありとあらゆるテクノロジーを駆使する)大手などではなく、むしろ“自然派”を語り、俺からしたら受け入れがたい醸造学的欠陥を持ったワインを、消費者に“ナチュラルに造られたワインだから”と言い訳しながらワインを売っている、“エセ自然派生産者”なのかもしれない。」

この彼の発言の通り、彼のワインは、あくまでもナチュラルな手段を用いて造られているのですが、醸造する過程での数々の“しない”にも科学的根拠、熟慮が払われている事が容易に想像のつく、全く破綻のない端正なものばかりです。(まるで彼の奥さんのように…美女と野獣を地で行くコンビです)。
ワイナリーの説明文なのですが、彼らのサイトに日本語のページがありまして、そりゃもう徹頭徹尾彼らの理念、想いが書き綴られていますので、ここでは割愛させていただきます。是非一度ご覧になってみてください!
https://bressanwines.com/ja/

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●カラット2011 <白>
この地域の伝統的なセパージュ、リボッラ&フリウラーノ&マルヴァジーアで造られる。濃いのに滑らかな飲み心地。

●ヴェルドゥッツォ フリウラーノ2011 <白>
今ではすっかり甘口ワインのためにブドウというイメージがついてしまったヴェルドゥッツォで造った辛口。ヴェルドゥッツォの常識が変わる!?

●ローザンティコ2012 <ロゼ>
栽培と完熟のタイミングを見計らうのが非常に難しいとフルヴィオが言う、モスカート ローザで造られるロゼ(!?)ワイン。

●スキオペッティーノ2007 <赤>
最も典型的でエレガントなフリウリの伝統品種スキオッペッティーノ(リボッラ ネーラ)。成熟度合いを見極め、やや過熟の状態で収穫。

●ピノ ネーロ2008 <赤>
ブレッサンの畑において一番栽培が難しいというピノ ネーロ。厳選されたピノ ネーロから最高のネクターに。

●メルロー2003 <赤>
夏に雨が降らず、土が乾くほど猛暑の年だった2003年のメルロー。圧巻のポテンシャル!!

●カベルネ クラウン ドメインズ2003<赤>
カベルネ ソーヴィニヨンとカベルネ フランのブレンド。フリウリでは生産量が少ないものの強烈な個性を放つ。

●ヌーメロ トレ2003 <赤>
カベルネ ソーヴィニヨン、ピノ ネーロとスキオペッティーノのブレンド。選び抜かれたブドウのブレンドにより名工の技が光る。

●ピニョール2001 <赤>
タンニンを豊富に含んでいるため飲み頃になるには膨大な時間が必要な伝統品種ピニョーロ。言わずと知れたブレッサンのフラッグシップ。

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