toggle
2019-01-11

【新入荷】2019年1月 その1(Frank Cornelissen、La Calabretta、Daniele Portinari、Daniele Piccinin)

オータが敬愛してやまない人に共通点があるとすれば、どんな事柄もポジティブに捉えられる、言い換えるなら“災い転じて福となす”を体現しようと常にメラメラしている人…な気がしています。人生の中で降りかかる災いやトラブルを、単純にストレスの種と見なすのではなく、自分を成長させてくれたり、新たな価値観をプレゼントしてくれる、ある種の“負荷”くらいに考えている人とも言えるかもしれません。

どういったジャンル、職種であれ、人の心に突き刺さるようなコト、モノを体現できる人というのは、その技術、技量などに代表される物理的(肉体的)体力もさることながら、執念、情熱といった精神的体力の部分で並外れたものを持っている人が多いのではないでしょうか。

逆に、技術的には秀でたものがあったとしても、心に響かないモノやコトも、この世の中にはたくさんあるような…。数学でいうところの必要条件、十分条件てやつですね(笑)。

とわけのわからないイントロから始まりましたが・・・。

皆さん明けましておめでとうございます!
本年も変わらぬご愛顧&ご愛飲のほどよろしくお願いします!!

ヴィナイオータも今年で創業20年。
日本でのワインを取り巻く環境は、20年前と今現在とではまさに隔世の感があり、ことナチュラルワインに関しては、当初はほぼゼロのような状態だったものが、20年の時を経てそれ(ナチュラルワイン)とは真逆のコンセプトで生産されるワイン(オータ的には、それをワインと呼んで良いのか若干疑問が残るところですが…)の世界も無視できない規模にまでなったのではないでしょうか。ラディコンの白が瞬殺したり、ラ ビアンカーラの白が年間数万本動く時代が訪れるだなんて、オータでさえ全く想像していませんでした…。

文化も、ありとあらゆる生命と同様に無から生を受ける瞬間があり、時間をかけて形を成すものなのだなぁと感慨深い気持ちになります。

生産、流通、そして消費の現場でも、確実に拡大成長を遂げているような気もするのですが、中にはその状況を(生産の側、流通の側どちらにおいても)“流行”と捉えて、ただその流れに乗ろうとしている人もいる気がしてなりません…。

“新樽率100%”や“端麗辛口”などは流行であって何ら問題ありませんが、(ホンモノの)ナチュラルワイン造りとは、人生の選択、その人の人生哲学そのものであるべきで、だからこそ流行などに左右されるものであってはならないとオータは考えています。

さらに言うのなら、レシピや手法論さえ踏襲すれば、ナチュラルワインと呼んでしまう安易さにも一抹の危惧を感じずにはいられない今日この頃です…。

やはりオータ的には“美味しい”、“(スペック的に)ナチュラル”を越えた何かをワインの中に見出したいですし、そういうワインを皆さんにお届けしたい!2019年も吠えまくる事だけはお約束します!!!

では、2019年最初の新入荷案内いきま~~~す!!

シチリアはエトナの2生産者からワインが届いております!

まずはフランク コーネリッセン!!白ブドウ品種に少量のネレッロ マスカレーゼを混醸して造るザックザクなロゼワイン、ススカール ロザートの2017年が入荷です!

ヴィナイオータのラインナップに加わってから10年以上経っていて、本来受けるべき正当な評価を未だに勝ち得ていない感のある造り手ランキング第2位(第1位はトリンケーロ…)、ラ カラブレッタからは、ご無沙汰だった5種類のワインが入荷しました!

ワインとは全く関係ありませんが、先日当主マッシミリアーノから不思議なメールが届きました。

—————————————–

チャオ、ヒサト!
どう調子は??
マクドナルドの席をちゃんと予約したかい?
イタリアでは、「フライドチキンを食べるかい?」っていう時に使う表現なんだけど…。
ともかく、メリークリスマス!

マッシミリアーノ

PS テレビで、日本ではクリスマスにマクドナルドのフライドチキンを食べる習慣があるって言ってたよ。

—————————————–

マッシミリアーノよ、いろいろ間違ってるぞ…。

今回の入荷で、複数ヴィンテージのブレンドということもありイレギュラーにしか生産されないカラカラ ロッソを除いた全ラインナップが出揃ったことになります。改めましてご紹介させていただきます!

●カラカラ ビアンコ2017:マッシミリアーノの友人が、ランダッツォ郊外で栽培するグリッロから造られるワイン。2017年は酷暑という事もあり、アルコール度数も15.8%!!さすがグリッロ!!

●カリカンテ2017:畑はエトナ周辺に点在しており、約1/3が高樹齢(60~80年)、2/3が2004年に植えたもの。

●ロザート2017:マッシミリアーノのお父さんマッシモが赤ワインを飲めない奥さんのために造り始めたロゼワイン。カルデラーラ地区の樹齢の若いネレッロ(下記ガイオガイオに使われているブドウもこの区画のものかと…)をソフトプレスし、モストだけで醗酵させたワイン。

●ガイオガイオ2016:カルデラーラ地区の樹齢の若い区画のネレッロで造る、果実味豊かなワイン。

●ピノ ネーロ2014:標高900m以上の場所に植えられたピノ ネーロで造るワイン。火山岩性土壌、高い標高(昼夜の寒暖差も場合によっては20℃以上!)、夏場の強い太陽…唯一無二のピノ ネーロ。2014ヴィンテージは、今までリリースされた彼らのピノネーロとしては、最も表現力のあるワインだと思います。残り120本!

●ヴィーニェ ヴェッキエ2007:もともとエトナロッソとしてリリースされていた、カラブレッタのフラッグシップ的ワイン。カルデラーラ地区の平均樹齢60~80年の区画のブドウを使用。約10年後にリリースされるワインで、この価格はステキ過ぎる!!!たっくさん買ったので、在庫はまだまだ潤沢です!

●リトルA 2014(マグナムボトル)&2015(750ml):2004年に購入した、フェウド ディ メッツォ地区の樹齢40~60年の区画のワイン。他のクリュに比べると、線の細さや味わいの精細さが特徴。

●ネレッロ カップッチョ2012:エトナ ロッソは、ネレッロ マスカレーゼを主体に、ネレッロ カップッチョを補助品種として使用したワイン。マスカレーゼは、ワインに奥行とエレガンスを、カップッチョは果実味と濃い色をもたらす役割を果たしています。そんなマスカレーゼの陰に隠れがちなカップッチョ100%で造るワイン。自らの畑でマッサルセレクションを行って作った苗の植わる、カルデラーラ地区の樹齢の若い区画のブドウを使用。全然悪いワインではないと思うのですが、種類の多いカラブレッタワインの中では最も地味な存在に…在庫するヴィンテージも重なってきて、少々焦ってきました…。残り180本!皆さん、ご協力ください!!

●ノンナ コンチェッタ2012:パッソピッシャーロにある、樹齢100年オーバーの小さな区画のネレッロ。カラブレッタの持つあらゆる区画の中で図抜けてパワフルなブドウができる区画で、上記リトルAのちょうど対極をなすクリュ。分かり易く尊大なワインで、できる事ならもうしばらく寝かせてから飲みたいところ…。残り120本!

●ピエーデ フランコ2014:カルデラーラ地区に、アメリカ系ブドウの台木を使わずに自根で植えた、樹齢の若いネレッロ マスカレーゼ。2012年に続き、2014も素晴らしい天候に恵まれた年になります。カッペッラーノのワインもそうですが、自根のブドウ樹のワインは独特の強さ(強さと言っても、筋肉質なものでなく…女性的な強さとでも言えば良いのでしょうか)、しなやかさがある気がします。

●コントラーダ デイ チェンテナーリ 2016:ソリッキアータ村のフランク コーネリッセンの自宅裏にある、樹齢100年を超えるネレッロの植わる0.1haほどの区画のワイン。カラブレッタにとってのグランクリュ的存在で、どのクリュ以上に“エトナ(=火山)”を感じられるワイン。値段もグランクリュ的になってしまったのですが、生産量の約8割を分けてもらってきました!

ワインもそれを造るヒトも一見地味だけど、どちらも押しつけがましくなく何気に深いという点で似通っている気がしてならないダニエーレ ポルティナーリからは、美味しくなったと思ったら売り切れたピエトロビアンコ2016が再入荷、ガルガーネガ2016が新たに届きました!

そして!!買い過ぎるくらい買い過ぎたこと、太陽に恵まれ過ぎなかったことが明らかな佇まいのあるワインだったこと、軽いワインなのにもかかわらずシャイでなかなか心を開いてくれなかったことなども相まって、なかなか終売に至らないナンニ2014年もようやくゴールが見えてきました!強さこそありませんが、今や力を完全解放、ヴィナイオータ的薄旨ワインです!

こんな事言うとアンジョリーノにムッとされちゃうかもしれませんが、タイ ロッソというブドウの魅力を引き出しているという点では、ビアンカーラのソサンよりも、ポルティナーリのタイ ロッソのほうが上なのでは?とオータは本気で思っております。そんなポルティナーリのタイ ロッソ2013も残り300本まで来ましたぁ!そのなにも引っ掛かりのない飲み心地は、05とか06のマッサ ヴェッキアのロザートを髣髴とさせるものがありますよ!

毎年この時期に極上パネットーネを送ってくれる律儀な男、ダニエーレ ピッチニンのドゥレッラで造るスパークリング、アリオーネ2014が終売しましたので、2015年をリリースさせていただきます!ドゥレッラというブドウ自体の特性に加え、2014年という天候の影響もあり、酸が突出して味わいに丸みが出るまでに少々時間のかかった2014に対し、2015は2013に近い柔らかさを備えたワインな気がします。他4ワイン共々よろしくお願いします!

(本ブログ掲載時に完売しているワインもございます。予めご了承ください。)

文:太田久人
204,208,212,213 nuovo190111

関連記事