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2021-09-08

【新入荷】2021年8月その1(Two Metre Tall)

そして!皆様お待ちかね、オータ認定オーストラリアいちのキュートな2m(身長)アシュリーと奥さんジェーンの2人で営むマイクロファーム、タスマニアのトゥーミータートール(以下2MT)から、第2便がようやく届きます!2MTを紹介してくれた友人ジョルジョからも、「あいつは遅いぞぉ」といった話を聞いていたのですが、まさか当初の予定より9カ月も出荷が遅れることになるとは…恐るべしアシュリー、そして恐るべしワイルド ファーメンテーション(野生醗酵)!

イタリアでしたら取引先もたくさんありますので、コンテナーを満たすのは造作のない事なのですが、オーストラリアの場合、取引先は2MTのみ…。混載便でのリーファーコンテナーの出港が不定期ということもあり、2MTの出荷可能なタイミングで日本への輸送を準備するためには、荷物の多寡にかかわらずコンテナーを丸々借りる必要がある…。そんな話をアシュリーにしたところ、すっごい本数を増やしてくれました!ラッキー!今回でコンテナーの8割程度を埋めることができたのですが、次回以降はフルコンテナーにできる量を用意してくれるとの事。わーい!

クレンジング エール、ダーウェント アロマティック スペルト エール、フォース オール グレイン エールは新ロット(多分…)、古いリンゴ品種であるスターマーピピンを使用した皮や種ごと醸したオレンジ シードル(オレンジは使用していません!)、ハオン ファーム ハウス ドライ サイダー2019年ヴィンテージが届いています。

そして新商品も2つほど!

フォレスター ワイルド アンバー ファームハウス エール(長すぎる…)は、ダーウェント、ハオン、フォースに続くタスマニアを代表する河川名フォレスターを冠したアンバー エール。タスマニア東北部流れるフォレスター川の流域で栽培されたホップを使用した、色目の濃いビールです。

クレンジング エールと河川名シリーズが2MTのレギュラー ラインという位置づけの商品で、それら以外のものは季節限定だったり、後にも先にも1回こっきりしか造らないものだったりするのですが、セラーでは常時15-20種類(!!!)が樽で熟成中との事。そして、状態が整ったとアシュリーが判断したものから、瓶内2次醗酵用の麦汁を加えてボトリング、2次醗酵が完了したのを確認した後に出荷されるのがスペシャル リリースものになります。今回届いたスペシャルリリースは1つだけなのですが、内容的にはとて~もエグイです…。

デンマークを代表するレストラン、ノーマがシドニーで期間限定の営業をした際、料理に合わせて飲み物のペアリングコースも用意したそうなのですが、そのコースのトップバッターとして白羽の矢が立ったのが2MTでした。シェフソムリエが2MTのセラーまで訪れ、ありとあらゆるプロダクトを試飲したのですが、彼らが望むようなインパクト(なにしろノーマですから、ちょっとしたインパクトくらいでは満足できなかったのでしょう…)のあるものが見つからない…。だったらと樽熟成中のエールと7年物(!)のサイダーを4:6の割合で混ぜたものを即興でこしらえ飲ませたところ、ソムリエ君もいたく気に入り、それをコースの1つ目の飲み物として使う事に。サイダーとビール(一般的にはラガーが使われるそう)を混ぜたカクテルのことをスネークバイトと呼ぶそうで、これは2MT的スネークバイトということで、スネークバイトという名前でリリースすることに。今回届いたのが、3度目のリリースとなりまして、過去2回のものと少しだけブレンド比率も異なり、平均熟成年数に至っては5.5年(!!!!!)だそう。

親切などなたかがネットに上げていた写真を参考にして(笑)の情報にはなりますが、内容的には…
2017年と2018年に醸造した樽熟成させていたファームハウス エール:46%
2011、2012、2014年醸造の洋ナシのサイダー:35%
2016年醸造のリンゴのサイダー:18%
(これだと、合計しても99%にしかならないので、残りは2次醗酵用の麦汁だと思われます…)

これらをブレンドし、2021年3月24日にボトリングしたのが、今回届いたスネークバイトです!樽内の液面にはフロール(産膜酵母)がビッシリ張ったものばかりで、酸化的熟成のニュアンスが強く打ち出されており、ちょっとやそっとの“変”ではもはやビックリしないであろう2MTの飲み手にとっても、十分に過激と思っていただけるプロダクトなのでは?とアシュリー。その過激な風体に反して、食べ物との親和性は非常に高いと彼は信じているようです。ヴェッキオ サンペーリが料理を選ばないのとも似ているかもしれませんね。オータも飲むのが本当に楽しみです!

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

文:太田久人

293 nuovo21.7.20

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