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2022-04-19

ヴィナイオータ かわら版 ~小竹編 その弐~

 

こんにちは、いつもお世話になっております。だだ商店だだ食堂スタッフの小竹です。お店が始まって早一年半、ヴィナイオータに正規入社して一年。社内外問わずたくさんの人に出会い、学ばせていただいております。

前回の初めてのかわら版は「旅」をさせてくれるワインについて書いてみましたが、それ以後も此れといって、想像を超える衝撃的な出来事が起こってしまうような「旅」らしいものが出来ず、住み慣れた場所での(絶妙微妙な)安心感や、遠くの土地への憧憬ばかりがいよいよ積み重なってきていますが、そんな風に世間的には未だ抜け出せない悶々とした淀んだ時間が流れる中でも個人的には、お店や会社を通して「おいしくてたのしい」瞬間に毎日のように立ち会える機会のあること、誰かにとってのそれに携われることが嬉しく、思いのほか明るく前向きに日々過ごすことができている気がします。

さて、今回の二度目のかわら版で取り上げるのは、最近になって自分の前に彗星の如く現れた(?)「たのしい」ワインです。このワインを飲んだきっかけは、大学の恩師の誕生日プレゼント。とにかくお酒がすきでヴィナイオータのワインも日頃から(量もよく)飲んでくださっています。そういう感じなのでプレゼントしたその場で飲み始めることに、、、、というタイミングで、今回のかわら版ワインの発表です「Brezza / Vino Rosso 5L (瓶)」!ちょっとしたパーティーだったので、その場で無事に全部飲み切りました。笑

Brezzaの大容量ワインといえば、3Lと10Lのバッグインボックスを思い浮かべる人も多いかと思いますが、5Lはダミジャーナ(大瓶)の状態での販売となっています。(かつては2Lの大瓶でも取扱いがあったとこのかわら版を書くために調べていく中で知りました。どんな風貌だったのか気になる)場所をとる、開け時がわからない、不安定なんじゃないか、注ぎづらい。色々なネガティヴな声が聞こえてきそうですが…この一ヶ月で3本(3つ?)のVino Rosso を飲んだ自分から、このワインの「たのしい」ポイントを、かわら版を読んでくださっている皆様へ、少しご紹介できたらと思います。

まずは、造り手とワインの簡単な情報から。ピエモンテ州カザーレ デル モンフェッラートにブドウ畑10ヘクタールを含む40ヘクタールの土地を所有し、肉牛を飼い、与える餌もすべて自分で生産したものを使用、小麦などのワラと牛糞を使って堆肥を作りそれを畑に返すという、完全循環型のバイオダイナミックス農法を30年以上実践しています。

彼らのワインの中でも最もリーズナブルなクラスであり、飾らない素朴さを持つバルベーラを主体にフレイザとグリニョリーノをブレンド。フリーラン果汁は上のクラスのワインとなり、圧搾された果汁がこのワインやバッグインボックスで販売されています。そして本題ですが、まずは味、風味、酸味ともに本当にバランスが良いです。ストレスを感じさせない軽やかな飲み心地でコップでグイグイいけます。還元や揮発酸などの要素も見えませんし、のっけから難しくない気さくな楽しさが全開で、食事やその周りでの会話を盛り上げてくれるような味わいです。

また、自分が自宅で開けたものに関していえば、数日に渡っても12月の玄関温度(寒過ぎにも注意!)での管理で不安定さはなく、毎日のテーブルワインとしてごく普通に当たり前のように十分に美味しく楽しみ続けられます。注ぎにくさは若干あるものの、幾つかのカラフェに移せば大きな卓でのお食事でも端の人まで行き渡りますし、フランクな感じで周りの人に注いで回ってご挨拶、会話のきっかけなんてことも良いと思います。(ちなみに自分たちはそこそこの人数がいたため、飲み終わるまでに2時間くらいでした)色々なワインをみんなで分かち合いたい場面では、容器が大きいこともあってちょっと存在感が鬱陶しいかもしれませんが、却ってお酒があって人がいるだけで楽しくなるような状況、雰囲気作りにはこれ一本で十二分です。

素直に、飲んで美味しいと思えたこのVino Rosso、あれ、まだ実はこのヴィンテージ飲んだことないな…という方はまず一つ試してください、思わずはにかんでしまうような美味しさなんです。その上でぜひ、酒屋皆様には店頭で複数常備していただき、このワインを見て顔が思い浮かぶお客様へオススメしてみていただきたいですし、レストラン飲食店の皆様においても、一つ常備していただいて何かの折でお披露目していただけたらと思います!!

このワインをきっかけにして毎日の「おいしくてたのしい」生活をみんなで取り戻し始める光景が見ることができると僕は嬉しいです。もしかしたらこれは造り手から我々飲み手まで続くワイン自身の旅で、自分たちは皆んなそのワインの旅に、幸せなことに巻き込まれているのかもしれません。(「旅」にこじつけられた~。)

≪小竹の飲んでもらいたいワイン紹介≫
銘柄:Vino Rosso 2019(L.VR250820) (5000ml) 瓶
造り手:Francesco Brezza / フランチェスコ ブレッツァ
地域:伊 ピエモンテ州
ブドウ:バルベーラ、グリニョリーノ、フレイザ
希望小売価格(税抜) :8,000円

 

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