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2015-12-09

【新入荷】2015年12月その1 『ヴィトフスカ2010』リリースです!

11/20から約2週間、パオロ ヴォドピーヴェッツと全国行脚をしてきました。うちの造り手の中でも図抜けて体力、集中力、好奇心に富んだ男なので、予定を詰め込めるだけ詰め込んでみました。日常の(激しい)業務に加えて、某ワイン雑誌への寄稿(お楽しみに!)の締め切りも重なり、パオロの来日前は余裕など全くなく、彼を迎えに成田空港に向かう最中にようやくこの旅について考える事ができたのですが、最初に思ったのは「なんという殺人的な旅程を組んでしまったのだろう」という事でした。ヴィナイオッティマーナの時のように大所帯ではないので、移動に関してのストレスもなく、パオロが無尽蔵の体力を持ち合わせている上に、出来るだけ多くの人と会い自分のたぎる想いを伝えたいと思っている事を知っていたので、こういう旅程にしたわけですが、詰め込み過ぎれば詰め込みすぎるほど僕自身の負担も増えるという肝心な事にまでは考えが至ってませんでした…。通訳というのは、人の倍聞くことと話すことをしなければならない上に、僕の場合ワインを飲みながらですので、不器用な僕の脳味噌にはかなりの負担がかかるようで…。
とはいえ、彼のワインの持つ凄味は小手先の技術で生まれたのものなのではなく、“どこまで液体の中から我を消す事ができるか”というまるで禅僧が追い求めそうなものの先に表出したものなのだということが、より多くの人にイメージしていただけたのはないでしょうか。スケジュールは過酷を極めましたが、旅を通じて、パオロのことを、そしてパオロのワインの事をますます好きになった人が確実に増えていることを実感でき、凄く嬉しかったです!
その間にオリージネ09が完売しましたので、ヴィトフスカ2010をリリースしました。
2010年ですが、7月中旬以降のジメジメした天気でベト病が蔓延し収穫量が激減、少ないブドウでいくつものワインを仕込むのはナンセンスと考えたパオロ、全量をアンフォラで仕込み、最終的にはソーロも混ぜてボトリングしました。
09年までは、屋外に埋めたアンフォラで醸造していたため、夏が訪れる前にアンフォラからワインを取り除く必要があったのですが、2010年ヴィンテージからは現セラーでの醸造を開始し、屋内の地下という安定した環境にアンフォラがあるのでワインを絞るために出したワインを再び戻すことが可能になりました(2013年以降は、皮ごと1年間アンフォラでの醗酵&初期熟成をさせています)。雨が多かった年ということもあり、もともと繊細な味わいが特徴ではあるのですが、09よりもピュアさの純度が更に上がったような気がします。この2010年、すでに1600本(うち800本がすでに売れております!)が届いているのですが、もう5000本ほど、実に生産量の半分にあたる本数を買う予定です!!!!というわけですので、ジャンジャン飲んで頂けると助かります!!!!

20151209_Vodopivec_001

文:太田久人

128 nuovo15.12.07

 

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