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2016-01-20

【新入荷】2016年1月その2

皆様、明けましておめでとうございます。本年も造り手の覚悟、想い、情熱が詰まったプロダクトを熱苦しくご紹介していきたいと思いますので、どうかヴィナイオータをよろしくお願いいたします!
約15000本のオータ個人所有のワインを某倉庫へ一時避難させたにも関わらず、未だ弊社倉庫は満杯、加えて某営業倉庫には約2コンテナー分の通関の切れたワインがあり、更に近々通関の切れるワインが…ハードな日々が今年も続くようです…。当分はワインの出かたを見ながらの入庫となりますので、“ほぼ毎週新入荷案内”となるかと…。というわけで、セラーは最大限の空きスペースを、お財布は最大限の装填のご準備をよろしくお願いいたします!!!
今回はワインの造り手1軒と新規取り扱いのチョコレート(!)の造り手1軒のご案内です!!
即出荷可能分:シチリアのモディカという町に、前々から訪ねたいと思っていたお菓子屋さんがありまして、昨春シチリアに行った際アリアンナ オッキピンティに話をしたところ、「彼女なら仲のいい友達よ。私が連れてってあげる。」ということになり、念願の訪問が叶ったわけですが、「ヒサトがチョコレートに興味を持っているっていうのなら、もう1人紹介したい人がいるんだけど。」とアリアンナ。そりゃ行くでしょ!ということで、こちらも訪問したわけですが、これがまたすごい人物でした…。
金融界で働いていたヴェネト出身のシモーネ サバイーニは、経済的な成功は収めていた反面、自身の人生が物凄く空虚な事に気付き、2008年に仕事を辞し、ヴェローナにあるフェアトレードの会社で働き始めます。仕事で南米やフィリピンなどのカカオや砂糖の産地を訪れるうちに、自然と自然に寄り添った農業のありかた、そのような農業に携わる人々、そしてチョコレートそのものに魅了されるようになり、自らチョコレート生産を手掛ける決意をします。そしてシチリアはモディカへと移住し、まずはとあるチョコレートメーカーで働き、2011年に自身の会社サバディを立ち上げます。
モディカは、昔ながらの製法で作られる、(チョコに)溶けずに残った砂糖のショリショリ感が特徴のチョコレートを作るお菓子屋さんが多くあることで有名な町で、シモーネもいわゆるモディカ風のチョコを作ろうと考えたのですが、一点だけ伝統的製法にはない考えを持ち込みます。
コンチングやテンパリングなどの、チョコレートの粒子を滑らかにして口溶けを良くしたり、艶やかな見かけを実現するための作業工程は、現代のチョコレート製造では必須の工程となっていますが、カカオに含まれるカカオバターの結晶を安定化させるという効果もあります。一般的なモディカのチョコレートは、コンチング&テンパリングが開発される以前の製法で作られるため、時間の経過とともに白い粉(ブルーム)が表面に浮き出る事があります。これは、不安定な結晶だったカカオバターの一部が溶け出した事を意味し、それ自体がモディカのチョコの特徴だと認識されていたのですが、カカオバターがカカオ独特の香味成分をチョコの中に封じ込める役割も果たしていることもあり、シモーネはモディカチョコのブルームを欠点と断じています。生産されてから短期間のうちに消費される地場消費がメインであったのなら、それでも良かったのかもしれませんが、今やモディカのチョコは世界中に輸出されている…。シモーネは、彼のチョコの製造工程にテンパリングを導入、それにより極端な温度環境の場所に置かない限りブルームが生じない、つまり長い賞味期限が約束されたチョコレートが完成します。
そして素材へのこだわりも尋常ではありません!カカオは、エクアドル産の原生種に極めて近いと言われているナシオナル種(アッリーバ)の最高品質ASSSグレードのもので、自然環境との共生を図った有機農業実践し、フェアトレードで輸入されたもの。砂糖は、フィリピンないしパラグアイ産の有機栽培のサトウキビ由来のもの3種とココナツシュガー1種類を使用。風味付けに使用されるスパイス類も全てフェアトレードで輸入された有機栽培のもので、柑橘の皮も当然のことながら全て無農薬の柑橘が使用され、収穫当日に皮をむき、極低温で乾燥させたものという徹底ぶり。多くの原材料がスローフードのプレシディオ指定も受けている稀少なものだったりもします…。チョコと同様のコンセプトで作られたキャンディも素敵です!有機栽培の砂糖、シチリア固有のミツバチが集めた柑橘の花のハチミツと無農薬で栽培されたスパイス、ハーブ、柑橘のエッセンシャルオイルだけで作られています。

5シリーズあるチョコレートと、キャンディの内容ですが、
Cioccolato di Modica(チョッコラート ディ モディカ)は、いわゆるクラシックなモディカチョコで、8つのフレーバーがあります。
Rosella ロッセッラ ブラッドオレンジのピール
Donato ドナート リモーネ インテルドナート(レモンとシトロンの自然交配種)のピール
Darino ダリーノ マンダリーノ タルディーヴォ ディ チャクッリ(チャクッリ産の晩熟マンダリン)のピール
Nella ネッラ スリランカ産シナモン
Lo Scuro スクーロ 通常の砂糖の代わりにフィリピン産の黒砂糖を使用したチョコ
Cino チーノ スリランカ産赤唐辛子
Rajah ラジャ マレーシアのサラワク州産の白コショウ
Tritone トリトーネ トラーパニ産の天日塩

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Qualita’ della Vita(クアリタ デッラ ヴィータ)は、「生きることの本質」ないし「生きていくうえで大切なこと」とでも訳せば良いのでしょうか…。古くから、カカオには6つの薬効があると言われており、それらは豊かな人生を送るうえでとても大切なこと。それら6つの薬効を個々にフィーチャーし、同様の薬効があると言われている他の自然素材をブレンドしたのがこのシリーズ。ラインナップとしては、Salute(健康)、Giovinezza(若さ)、Bellezza(美)、Ozio(余暇)、Sesso(Sex…)、Ottimismo(楽観)となっております。気分やシチュエーションに応じて選んでみてください!

Sabadi_2016_01_QDV

Zuccheri(ズッケリ、砂糖の意)は、砂糖が主役のシリーズ。一般的には甘味付けだけの目的で使用される砂糖ですが、素晴らしい砂糖には甘味以外にも香りがあり、様々な栄養素にも恵まれている…。ズッケリは、全くもって同一、同量のカカオに、Mascobado(マスコバード、フィリピン産黒砂糖)、Panela(パネラ、パラグアイ産赤砂糖)、Fiori di Palma da Cocco(フィオーリ ディ パルマ ダ コッコ、ココナツシュガー)という産地、製法の違う3種類の砂糖をそれぞれ使用した3種類のチョコと、それらの砂糖がチョコにもたらす風味を理解するためには“ニュートラル”なものも…ということで、同じカカオを100%使用した砂糖不使用のSenza Zucchero(センツァ ズッケロ、砂糖無しの意)の計4種があります。

Sabadi_2016_01_Zuccheri

Sicula Terra(シクラ テッラ)は、シチリアの大地を意味し、シモーネが愛してやまないシチリア島へのオマージュ的なシリーズになります。シチリアを代表する農産物の1つである柑橘と、野生のハーブを組み合わせたチョコレートで、
 リモーネ インテルドナート(レモンとシトロンの自然交配種)のピールとネペテッラ(イヌハッカ)
 マンダリーノ タルディーヴォ ディ チャクッリ(チャクッリ産の晩熟マンダリン)のピールと野生のフェンネル
ブラッドオレンジのピールとマジョラムの3種類があります。

Sabadi_2016_01_SiculaTerra

Cioccolata in tazza(チョッコラータ イン タッツァ)は、木製のスプーンにチョコがくっついた、ホットミルクの中でクルクル回し溶かして飲むホットチョコレートになります。Ignacio(イニャーチョ、プレーン)、Guru(グル、ショウガとナツメグ風味)、Franz(フランツ、シナモンとクローヴ)、Rocco(ロッコ、トウガラシとカルダモン)の4種類。美味しく作るためのコツとして、まずはカップを温めて、ミルクを温めている間に温めたカップの中にチョコを入れて溶かし始めてください。これをやるのとやらないのとでは、出来上がりのミルクとチョコの混ざり具合が変わってくるようです。甘さ控えめなので、がぶがぶイケます!

Sabadi_2016_01_InTazza

訪問した際、ズッケリシリーズを試食させてもらっていた時なのですが、僕の頭にふいに浮かんだ言葉、「カカオも砂糖も、土(大地)から生まれているんだなぁ…」をボソッと口にしたところ、シモーネの目がキラーン。この一言だけで、お互いを分かり合えたような気がして凄い嬉しかったのですが、この紹介文を作成するために彼のHPを見ていたところ、とある一文を発見しました。

我々は、チョコレートを大地からもたらされる産物であると捉えている。
であるから、我々は一切の油脂(カカオバターも含む)も香料もありとあらゆる添加物を使用しない。
使うものはといえば、カカオマス、砂糖、天然のスパイス(ハーブ)、柑橘の皮のみ※。
※ホットチョコレートには、乳化剤として大豆レシチンが使用されています。

ワインでも、ハムでも、チョコでも、見ている方向が一緒の人達というのは、容易にお互いのことを認め合えるものなのだなぁと改めて思わされました。

キャンディは、柑橘とハーブを組み合わせたもの(レモン&ローズマリー、マンダリン&カルダモン、グレープフルーツ&マジョラム)が3種類と、スパイスとハーブを組み合わせたもの(レモンバーベナ&ショウガ、スターアニス&バジリコ、クローブ&野生のフェンネル)が3種類あります。

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キャンディ、どのシリーズのチョコレートのパッケージもえげつなく可愛いです!!!特にモディカの8種類x6個のアソートパックのディスプレー用ボックスは秀逸です。是非是非お試しください!

 

カンパーニアのファンキーワイナリー、カンティーナ ジャルディーノから色々届きましたっ!
彼らの興味の赴くままに造っていったら、気付けば大変なアイテム数になってしまっていました…。全アイテムを買っているのは、世界中を見回してもヴィナイオータだけだそうです。かなり煩雑になってきましたので、在庫として既にあったもの、ヴィンテージ変更分、再入荷&新入荷分、全て合わせてご紹介させていただきます。
・ヴィーノ ビアンコ&ロザート&ロッソ:カンジャルが造るカジュアルワイン(なんかダジャレみたいで恥ずかしい…)で、全量マグナムボトルに詰められます。ビアンコは3種類のブドウの混醸、ロザートはアリアーニコを収穫後即プレスしたモストで造ったロゼ、ロッソはアリアーニコ100%で、どれも2014年。

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・ビアンコ フリッザンテ2013:オリンピアおばあちゃんの高樹齢のグレーコ(アダムに使われています!)で、オリンピアおばあちゃん方式で造られる微発泡ワイン。皮ごと醗酵させ、完全に辛口になったワインに、冷凍保存しておいたグレーコのモストを添加しボトリングし、自然な2次醗酵を促します。今回のビアンコ2013は2次醗酵のスタートに手間取り、リリースが遅れていました。香り的にはただならぬボリュームの揮発酸(笑)を感じるのですが、飲むと案外気になりません(どんな紹介文なのでしょうか。笑)。
・ロザート フリッザンテ2014:アリアーニコの即プレスモストのロザートのフリッザンテ。ビアンコ同様の製法となります。
・ロッソ フリッザンテ2013:アリアーニコのフリッザンテ。

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・タララ2013:アダムに使われるものよりは樹齢が若い区画のグレーコのワイン。2013は非常に端正な印象。
・ガイア2013:フィアーノで造られるワイン
・ヴォルペ ローザ2012:コーダ ディ ヴォルペ ロッサで造るロゼワイン。2012は残糖があって揮発酸が高いため、日本とデンマークでしか売れないという噂のヴィンテージ(笑)。
・レ フォーレ2011:彼らが造るアリアーニコのワインの中で、フラッグシップ的ワインといえるのがこのワイン。2011も、ようやく還元のトンネルを抜けきる頃に差し掛かっている気が…。
・ドロゴーネ2009:滅茶苦茶美味しいです…。現地最終在庫402本を頂いてきました。
・ヌーデ2006:超高樹齢のアリアーニコ。これも本領発揮近し!
・クラウン エノローグ2010:2009が終わりましたので、2010をリリースします。蜜蝋で封をしたアンフォラ内で半年のマセレーション&醗酵、木樽で熟成させずにボトリングしたワイン。

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コーダ ディ ヴォルペで造られる白ワインのパスキと、高樹齢グレーコのアダム、アンフォラで醗酵&初期熟成をさせた白ワインであるソフィアは、次ヴィンテージのリリース待ちとなります。

文:太田 久人

133,138 nuovo16.01.13

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