ヴィナイオータかわら版 ~飯塚編 その壱(新人)~
メルマガをご覧のみなさま、はじめまして。2025年5月に入社しました、飯塚立樹(いいつかたつき)と申します。
私は現在倉庫チームで、皆様のもとにワインを届けるための出荷や在庫の管理を中心に、日々様々な業務に取り組んでいます。はじめましてということで、簡単に自己紹介をさせてください。
出身はヴィナイオータのあるつくば市の北東に隣接している茨城県石岡市です。生まれも育ちも茨城県です!ヴィナイオータに入社する前の、昨年12月まではアメリカ・オレゴン州の農場で働いていました。実家が米農家ということもあり、もともと農業に興味はあったのですが、「どうせ勉強するなら、思い切って農業大国のアメリカで!」と思って渡米し、1年半ほど苗木の農場で働いていました。そこでは、庭や街路樹用の苗木を育て、全米の造園業者に出荷する仕事をしていました。
帰国後、自分の学んできた農業に何らかの形で関われる仕事がないかと考えていたところ、だだ商店だだ食堂に貼られていたヴィナイオータ農業部の張り紙が目に留まりました。そこには農業部がどのように野菜を育て、届けているのかが紹介されており、自然農法などを通して土壌への負担をかけずに、自然な循環を大切にする農業が魅力的に感じ、2月からお試しでアルバイトとしてヴィナイオータに入りました。最初は冬の時期ということもあり、農業部と倉庫の両方を掛け持ちしながら作業していましたが、ワインに触れる日々の中で、ヴィナイオータファミリーの造り手たちの思いや背景を知るうちに、ワインについての興味が強くなり、現在は倉庫での作業をメインに日々業務を頑張っております!これからみなさまにお会いする機会がありましたら、そのときは是非よろしくお願いします!
さて、そんな私が今回ご紹介するのが、南イタリア・カンパーニア州の造り手「Cantina Giardino(カンティーナ ジャルディーノ)」が手がけるロゼワイン、Controra Rosato 2023 (1000ml) (コントローラ ロザート)です。
カンティーナ ジャルディーノはかつて、収量や助成金を優先するために、高樹齢のブドウの樹が引き抜かれ、効率重視のブドウ生産へ切り替わっていく農家の現実を目の当たりにしました。しかし、一度抜かれてしまった樹が、また高齢樹になるには、また何十年もの時間が必要になります。そんな現状に疑問を持った彼らは、高樹齢のブドウ樹を守りながら、その深い根からこそ出せる凝縮感や土地の個性を生みだすワイン造りを行っています。私が苗木農家で働いた経験で感じたのは、長年その土地に根を張ってきた木は、土地の気候や環境に適応した耐性を持ち、一見ただの木に見えても、その土地の文化や生態系のバランスを支える役割を担っているということでした。その経験と、カンティーナ ジャルディーノが高齢樹を守る姿勢は、どこか繋がっているように感じました。
また、普段倉庫で作業をしているとカンティーナ ジャルディーノのワインが多いと気付きます。ラベルのデザインも様々で、サイズも大きいものでは15Lまで展開されており、並んでいるのを見ているだけで楽しくなります。彼らは好奇心が旺盛で、自然なアプローチの中でとにかくワインに対して色々と試してみたくなるらしく、実際にヴィナイオータで扱っている数としては、ビールを除いて27種類。完売品の容量違いも含めると170種類以上のラインナップがあり、なるほど、、と納得しました。
その中でも、今回紹介するControraシリーズは、アントニオ&ダニエラの愛息フランチェスコ(中学生)が、完全プロデュースで手がけています。ニューヨークで試飲会をやると来場者の対応をフランチェスコが行い、まだ中学生ながら頭の回転も非常に早く、まさにカンティーナ ジャルディーノのファミリービジネスの次世代を担う存在です。単に「息子がワインを作った」という話ではなく、家業の中に彼が巻き込まれたというよりも、彼自身が自ら周りを巻き込みながら、ワイン造りを楽しんでいるように感じます。きっかけは、冗談半分で「自分で作ってみる?」と投げかけると、自ら「作ってみる」と答え、本当に自身でスタートさせたそう。もちろん周囲の大人が技術的な面でサポートはしているものの、方向性や味わいのイメージは彼自身が考えています。
ちなみに、“Controra”とは?と気になって意味を調べてみたところ南イタリアの方言で「午後の長い休息」や「昼下がりのうだるような時間帯」という意味だそうです。ちょうど今のような夏の時期のように、暑さで空気が止まり、動物も人も木陰でひと休みしてる…そんなゆるやかな時間をイメージして名付けられたのかな、と想像してしまいます。また、このワインはストッパー付きの透明ビンにボトリングされているのも、他のワインと少し違うユニークなポイントです!
Controraシリーズは、白(Bianco)とロゼ(Rosato)の2種類があります。ロゼのこちらは、グラスに注ぐと淡いピンクの色合いで、確かに昼下がりや夕暮れ時を思わせるような、ほんのりとした透明感と落ち着きのある色です。味わいはやさしく、果実味の奥からはしっかりとしたミネラル感もじわじわと感じられます。開けたてはちょっと控えめに感じるかもしれませんが、時間がたつと果実味がふくらんできて、2日目、3日目と時間をかけて飲んでもちゃんと楽しめます。日をまたぐと表情がどんどん変わっていき、飽きずにずっと楽しめます。そして嬉しいのが、1000mlという大容量。750mlでは名残惜しいけれど、1.5Lのマグナムはちょっと量が多い。。そんな気分にぴったりなサイズです。パーティーやBBQなどのカジュアルなシーンで活躍してくれると思いますし、1日で飲みきれなくても数日にわたって楽しめるのがありがたいです。「Controra(コントローラ)」という名前のとおり、食事と一緒でも、そうじゃなくても、ぜひのんびりと過ごす時間に飲んで欲しいワインです。
【かわら版 飯塚の飲んでもらいたいワイン!!】
https://ec.vinaiota.com/product.php?id=659
銘柄:Controra Rosato 2023/コントローラ ロザート
造り手:Cantina Giardino/カンティーナ ジャルディーノ
地域:カンパーニア
希望小売価格 (税抜) :5,600円
【新入荷】2025年8月その1(Ezio Cerruti, De Fermo, Colle Florido, Cantina Giardino, L’Acino, Francesco Brezza(Tenuta Migliavacca), Conti, Daniele Piccinin(Muni), Natalino del Prete) 【新入荷】2024年12月その2(La Castellada,Cantina Giardino) ヴィナイオータかわら版 ~工藤編 その壱~ 【新入荷】2023年9月その4(Il Colle,Cantina Giardino,Cristiano Guttarolo,Francesco Brezza,De Bartoli) (新)造り手紹介 Cantina Giardino / カンティーナ ジャルディーノ