Jan 30, 2015

造り手紹介 カ ルマーコ

弊社イベント企画部部長キッシーが、フライング気味に発表してしまいましたが、造り手サイドに諸々の問題がありまして、水面下で来日の可否を検討していたのですが、チケットを取ったという連絡がありましたので、正式に発表させていただきます!!!!!!
エミリア ロマーニャ州から、生ハムの造り手カ ルマーコの若当主エマヌエーレが、オッティマーナ赤2015に参加しま~す!!!!!

当ブログ内での、弊社直営の食べて飲める酒屋daDadaをオープンします!!というお知らせ記事で、すこーしだけ触れているのですが、今後はワインだけでなく、食にまつわる様々なものの輸入を考えています。
その手始めとして入れてきたのが、トスカーナのパーチナのひよこ豆&スペルト小麦やピエモンテのイル ブオンヴィチーノのジャムなどの瓶詰類でした。
取り扱うか否かを判断する基準は、ワインと同じで、美味しいということだけではなく、来歴の明らかなもので、真っ当な食品であるかどうか、ということになると思います。

輸入に携わる者として、日本で手に入るものの多様性、クオリティとそのマニアックさ(笑)には、いつも本当に驚かされます。こと食に関していうのなら、手に入らないものはほとんどないのではないでしょうか??

イタリア旅行に出かけるという方に、お勧めのレストランとか酒屋さんなどのアドバイスを求められるのですが、いつも返答に困ってしまいます。僕にアドバイスを求めるということは、ヴィナイオータが扱っているようなワインが飲めて、なおかつ美味しいレストランということなのでしょうし、酒屋さんなら、そういったワインの品揃えが充実しているところを知りたい、ということなのかと。
確実に言えることは、日本のとんがった酒屋さんほどの品揃えを誇る酒屋をイタリアで見たことはありませんし、ヴィナイオータが扱うようなワインが充実しているワインリストのレストランは言うほど多くありません。
もちろんあるにはあるのですが、例えば僕が仰け反るような品揃えのお店は?といったら、きっと片手で足りると思います。
ヴィナイオータ取扱いのとあるワインが、本国イタリアでよりも、日本での方が飲まれていたり、入手し易かったりするというのは、インポーターとしての僕に最も大きな快感をもたらしてくれます(笑)。

自分の事は置いておいて言わせていただきますが、本当に日本のインポーターさんの経営努力、リサーチ能力には頭が下がります。

そんな状況ではあるのですが、生ハムサラミ類に関しては、本国に比べると見劣りがするというか、僕がイタリアに行った時に普通に食べさせてもらっているものと同等の感動を日本で味わうことは本当に少ないなぁと以前から感じていました。
「お前がいいもん食わしてもらっているだけだ!」という声が聞こえてきそうですが、実際その通りだと思います(笑)。
ハム類で言うなら、ローマの友人が営む肉屋で売っている豚の来歴も分かっているもの(例えばマッサ ヴェッキアのファブリーツィオが育てたチンタセネーゼで作ったものとか…)や、フルヴィオ ブレッサンのお父さんネレオ自家製の生ハムとか、ダーリオ プリンチッチが豚の育て方にまで口を出して作らせている生ハム&サラミなど…。
なぜなのか??といろいろ調べていきますと、日本への輸入を実現するために、造り手側がクリアしなければいけないハードルが非常に高く、コストや手間の面で小規模な生産者には負担があまりにも大きく、あまり現実的でないということが分かりました。日本への輸出の許可を取るだけでも3年かかり(!)、日本の関係省庁の意向にそぐわない点があれば、作業場の改修等も行わなければなりません。

そんなわけで、今現在日本に輸出をしている生ハムメーカーの大半が、大規模ないし中規模クラスのところとなり、ヴィナイオータが扱うワインの造り手のような、小規模家族経営のところは非常に少ないというのが現状となります。

そんな中、ドンキホーテ的な造り手が現れた!というのが、今回のカ ルーマコです!
弊社のロマーノ レーヴィのグラッパの供給元にして、鬼グルメなパルマの怪人オッターヴィオは、食材に関しても圧倒的な見識&情報網を持っていまして、そんな彼が、
「ヒサト、ようやく見つけたぞ!」と興奮気味に紹介してくれたのが、この造り手。
ジュゼッペ&エマヌエーレ親子を初めて訪ねたのは、2010年の春のことでした。
そのプロダクトの味わいそのものにも感動したのですが、彼らの理念&フィロソフィが、まさにヴィナイオータ スタンダード!!!
特筆すべき点を列挙しますと、

・モーラ ロマニョーラのみを肥育:
モーラ ロマニョーラは、ロマーニャ地方からトスカーナ&マルケ州の山間で1950年代までは広く肥育されていた、この地域の伝統的豚の品種。戦後以降、生産効率を求める時流に飲まれ、歩留まりの良いイギリス系の品種が肥育されるようになり、一時期は絶滅の危機に瀕した。その食味が見直されるようになり、近年では肥育数も徐々に増えてきているそうです。

・完全放し飼い:
出産を間近&直後の雌豚と生まれたばかりの仔豚たちは、豚舎で過ごしますが、他の豚は自由気ままに過ごします。人が全く関与しない自然交配を実践。抗生物質等も一切投与しません。

・与えるエサ:
無農薬自家栽培(一部近隣の農家が委託栽培したもの、こちらも無農薬)の大麦、トウモロコシ、ソラマメを主体にした飼料。秋には囲いを外して山へと放ち、豚は落ちているドングリや栗をたくさん食べてきます。

・一貫しての自社加工:
屠畜からハム&サラミの生産&熟成までの全ての過程を自社工場で行い、各部位を用いて多品目を生産。生ハムメーカーの大半が、市場で必要な部位だけを仕入れてるのに対して、自らが育てた豚を余すところなく利用するために、様々な種類のハムサラミ類を生産しています。塩漬けの工程にもヒマラヤの塩を使い、コショウなどのスパイス類も有機認証のあるものを使う徹底ぶり。

こんな感じでやっていますので、飼っている豚も多い時でも500頭程度(2012-13の記録的な大雪でかなりの数の豚が死んでしまったそうで、今はもっと少ないかもしれません)ですので、生産量も非常に限られています。こんな造り手が、2010年に初訪問した日本人の事(誰?)を面白い!と思ってくれたようで、日本へ輸出するための許認可の申請をし、それの取得のために改増築までしてくれ、2014年に晴れて許可が下り、ヴィナイオータが正式に輸入する運びとなりました!!!

プロダクトそのものも決して安くないどころか、非常に高いです!(笑)
そして、各アイテム少量しか入れてこれませんので、税関の食品監視課から自主検査などを要求された場合、検査に取られる商品の割合(輸入量が少なくても、検査にはある一定量の商品が必要なので)が非常に高いものとなりまして、結果弊社の販売価格もさらに跳ね上がることに…。
前回試験的に輸入した時には、生ハムまるまる1本を検査に取られた上に、検査に使わなかった部分も勝手に捨てられてしまい…思い出すたびに、はらわたが煮えくり返ります…。

日本の食品衛生法の抱える矛盾点や、時代錯誤ないし論拠に乏しい基準値なども、非常にキツイものがあり…。例えばカ ルマーコのサラミには、一切の添加物が使用されていないのですが、”無添加”が理由で輸入できなかったりします。肉をミンチするという工程があるから、ないし”端肉”で作られるというイメージがあるからなのか、微生物汚染の危険性が他の非加熱食肉加工品よりも高いと考えられていて、亜硝酸塩(保存料兼発色剤)の添加が義務付けられています…。添加物が沢山入っているものが輸入できないというのは納得いきますが、伝統的にも使われず、造り手的にも使う必要がないと判断して使っていないのに、それが輸入できないとは…本当に驚きました。
その他にもいろいろありまして、つい先日法改正が進み、無意味なレベルで厳しかったとある微生物に関する基準値が、ようやくEUレベルにまでなったものも…。

ワインに比べると本当に煩雑ですし、リスクもコストも高くつきますが、ヴィナイオータは偉大な食の伝統や文化を輸入(紹介)する会社でありたいと常々考えております。ですので、弊社のワインと同じような理念&テンションを持つプロダクトを見つけたのなら、やっぱり皆さんと分かち合いたいじゃありませんか!そのためのリスクは喜んで買います!!!
生ハム業界にも風穴開けるつもりでぎゃんばります!

2/14の東京会場では、生ハムボーイズが用意するお皿に彼らのプロダクトが何種か盛り込まれる予定ですし、他の会場でもどこか(笑)で販売しておりますので、是非お試しくださいね!
東京以外の会場では、エマヌエーレ本人がハムを切っているかもしれません!!!

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モーラロマニョーラ!!!

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周りにはほんとに何にもありません!!

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生まれたばかりの仔豚ちゃん!!

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近くを野生のシカが駆け抜け、

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日本に輸入できないサラミ!!

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出荷を待つプロシュット!

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僕の大好物、チッチョリ モンタナーリを切るエマヌエーレ!(脂身の多い部分を低温で加熱、出てきた脂でコンフィのように調理し、肉の部分をプレスして固めたもの)

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