【新入荷】2021年6月その1(Tropfltalhof,Daniele Piccinin,Cantina Giardino,Il Censo,De Bartoli)
禁酒令に戦々恐々としつつも、このピンチを千載一遇のチャンスに変えることも可能なのでは?と発想の転換を図ろうとしているオータです。誰にとっても晴れやかとは言えない昨今の社会情勢の中でも、ユーモアの精神を持つことと希望の光を探し求める努力だけは怠ってはいけないと思ってみたり…。
ともあれ、こんな風に比較的のんきな感じでいられるのも、自宅が仕事場で、自然に囲まれているところに暮らせている事が大きな要因なのだとオータは考えています。このような状況下で街を歩いていても、楽しげな人よりも浮かない表情の人に出会う確率の方が高い気がしますし(そりゃそうですよね…)、仮に自分自身の心持はそれほど深刻なものでもなかったとしても、周りの重苦しい空気に引っ張られるようにしてどんよりとしていく…なんてこともある気が…。その点、労働という社会生活を送る上で必須な行動の大半を家でこなすことができるオータは、社会全体が醸しだす空気に引っ張られる機会数が圧倒的に少ないのだと思います。
オータ家の前にはちょっとした林があるのですが、中に踏み入り、少し観察しただけでも、多種多様な生命が共生することで自然が成り立っている事に気付かされます。
大小さまざまな動植物(微生物含む)、土壌、太陽、水、風などの複雑な要素が相まって、その場所にしか存在しない自然が表出している事を実感できたのなら、自然が持つ複雑さをヒトが完全に理解することなど到底不可能だと思えるのでしょうし、文明的な生活を送ることができているヒトでさえも自然の一部である事、自然はヒトの外部だけでなく内側(腸内細菌等)にも存在する事、そして自然が“自然に”備えているはずの調和を乱しているのはヒト自身に他ならない事なども、比較的容易に想像できるようになるのではないでしょうか。
時折自然が見せる圧倒的な力の前では、ここまで進化した文明&テクノロジーでさえ完全に無力である事を幾度となく目の当たりにしているわけですから、ヒトが自然を掌握できる立場にいるわけではない事は、すでに明らかなはずで…。
国家間であれ、ヒトとヒトの間であれ、ヒトと他の動物ないしウィルス間であれ、争いは調和の欠ける場所で起こり、調和(平和)は、慎ましさと相手への敬意を欠いた時に乱れるものなのだとオータは思うのです。
頭の中が迷走しかけているので、言いたかったことをまとめます!
・無知の知を自覚しているのなら、未知なるものが更に1つくらい増えたところで、極端に怯えることもないのでは?
・もしかしたら、その未知なるものは我々の目に見えていなかっただけで、前からそこにいたのかも?(正確には、いた訳ですが…)
・相手(このケースでは、未知なるもの)を悪と決めつける前(そもそも悪者なのか?ということも同時に考えるのも大事な事かと…)に、なぜ相手がいきなり怒りだしたのかをちゃんと考えるべき。もしかしたら、誰かに怒らせられたのかも?
・当然のことながら、問題を解決する方向に我々は向かわなければなりませんが、それを“打ち勝つ”と表現するのは少し違う気が…。“打ち負かす”、“駆逐”、“制圧”、“排他”といったマインドでヒトが進めてきたことで、皆がハッピーになったことなど歴史上1つもない。
・巷に流れる情報をただただ鵜呑みにするのではなく、個々人が自分の頭で冷静に考え、判断し、行動すべき。バランス(調和)に欠けた報道しかできていないメディアにも、彼らが本来果たすべき役割を果たしていただきたい!メディアは、一部の人たちの保身、利益のために偏った情報を提供することではなく、(情報の)受け手にモノの見方や考え方の多様性を提示することが本来の仕事なはず。もちろん、日本が真っ当な民主主義国家なら…の話にはなりますが…。
・知らないふりをしているだけなのかもしれないけど、ヒトの身の回りと身体の中にはたくさんの微生物がいて、彼らの存在なくして我々は生きていけないという事がもはや科学的に証明されている。
・昨今の過剰なまでの殺菌、消毒習慣をワインの世界で例えるのなら、「バクテリア汚染や腐造の危険性があるから、ワイン造りには酸化防止剤が不可欠」と言っているようなもの。大前提としてあるべきなのは、「酸化防止剤に頼らなくても良いような健全なブドウをセラーに持ち込む」ことで、酸化防止剤の使用(不使用)は、造り手の考えや良心に従って決められるべき。
今現在の状況を俯瞰した時、オータには誰かの保身や一部の人たちの利権確保の為に、必要以上にビビらされているようにしか見えないんです。誤解を避けるために念を押しますが、オータが言いたいのは、「恐れる必要は全くない」ではなく、「正しく恐れるべきなのでは?」なのです。
そして、まだ見ぬバクテリア汚染を恐れる前に、ブドウとして我々がちゃんと健全なのかどうかということにもっと興味を持つべきだとオータは思うのです。
そしてそして、政治を嘆くよりも先に、その政治家たちを代表として選んでしまった我々の行為を悔いるべきですし、少しでも改善したいのなら、我々1人1人が動かなければいけない…。
オータの大切な仲間が苦しめられている、禁酒法、時短営業と、そしてそれらが励行されているかどうかをチェックする自粛警察…果たして、これらは本当に我々の健康を守ることに貢献してくれているのでしょうか?以前にも、我々には身体の健康だけではなく心の健康も大切だと書いたと思うのですが、禁酒法、時短、自粛警察は、確実に飲食業で働く人たちの心の健康を蝕んでいるような気がします。そこは無視されても良いってことなのでしょうか?ちゃんとした補償もせずに、一方的に要請やら命令ばかり出されることに、そろそろ文句を言ったって全然良い気がすると思うのはオータだけ?残念ながら、オータの身と肝臓と胃袋はそれぞれ1つずつしかないので、仲間全員の元に飲み食べ励ましに行くことはできませんが、SNSなどで強い意思表示をされた際には、必ず“超いいね!”させていただきます(笑)!
こうやって書いていて、オータ自身結構まあまあちゃんと怒っていた事に気が付いてしまいました…。これからは、理屈に合わない事に関しては、「違うものは違う!」ともっとちゃんと表明していきたいと思います!
お酒業界にとって逆風吹き荒れる状況であっても、ワインは続々と届きます…。ですが、数か月前に禁酒令を予見していたとしても、生きる歓びを与えてくれるステキな子たちの到着を先延ばし(ないしキャンセル…)にするという選択肢はオータには絶対なかったでしょうし、むしろこういう時期だからこそ、こういったワインが必要なのだと信じたい!
というわけで6月の新入荷案内です!今回もごっついですよぉぉぉ!!
前回&前々回のメルマガで紹介しましたメゾン モーリス クレタのアンドレアと同様に、もはやセンスの塊としか表現のしようがないアンドレアス(おお、奇しくも同名!)クリスティン率いるアルト アディジェのトロプフルタルホフ(ややこしく、長い!)からワインが届きました!
2010年から本格的にワインを造り始めたので、まだ11回の仕込みしか経験していないのに、ワインは異次元の完成度…。今回ご紹介するのは再入荷分も含め計6種類となります。詳細は下記の通りです。
●ル ヴィオニン:カルダーロ湖にほど近い区画(標高300m)に植わるヴィオニエで造るワイン。収穫したブドウは、除梗、プレスされ、1晩~1日程度のマセレーションを経て圧搾、大樽へと移されそこで醗酵&熟成。2018年、2019年ヴィンテージがそれぞれ270本入荷。
●ガルネレン ソーヴィニョン:ワイナリーに隣接する畑(標高500m)のソーヴィニョン100%。除梗後にプレスされたブドウはアンフォラへと入れられ、7か月間の皮ごとの醗酵&初期段階の熟成を行い、圧搾後再びアンフォラへと戻され更に14か月熟成。2016年ヴィンテージが180本、2017年ヴィンテージが270本入荷。オータは未試飲なのでアンドレアスからのコメントになるのですが、2017年は2016年や2015年と比べると少々細身との事。
●ロゼ マリー:ヴィオニエと同じ区画のメルロー85%とカベルネソーヴィニョン15%を混醸したワイン。除梗し、軽くプレスしたブドウに半日ほどマセレーションを施し、フリーランで出たモストを木樽で醗酵、熟成させたロゼワイン。アンドレアスの奥さんの名前がローズマリーで、ちょっとした言葉遊びになっています。今回届いた2019年ヴィンテージですが、前回入荷の2018年(キュート&セクシー!)と比べると、よりフレッシュな味わいとの事。270本入荷
●ストルロンド:ロゼ マリー用のモストを取った後の、皮の比率が高くなったメルロー&カベルネソーヴィニョンで造る赤ワイン。木樽熟成。2018年ヴィンテージが72本入荷。
万全を期して、今回入荷の6ワイン全て限定とさせていただきます。
絶賛販売中のアンフォラで醗酵&熟成させたカベルネ、バルライト2015年も残り僅かとなっております!終わり次第2016年をリリースします!
欠品しておりました、ダニエーレ ピッチニンのビアンコ ムーニ2019年が、3600本再入荷しました!再々入荷分もすでにイタリアの港に控えているはずなのですが、スエズ運河の座礁事件の影響か、出発時期の見通しが立っておりません…。いかんせん禁酒法が発令されている時分ですので、なんとも読みづらいのですが、今回届いた3600本も3か月程度でなくなってしまうとオータは踏んでおります。お買い逃しなきよう!
カンパーニアのカンティーナ ジャルディーノが造るカジュアルワイン、ヴィーノ ロッソの2016年ヴィンテージが終売したので、2017年をリリースします!酷暑の印象をしっかりと感じさせつつも、軽やかさも持ち合わせたワインとなっています。内容を考えたら、反則級の価格と言っても良いかと!入荷量も360本と決して多くはないので、早々に無くなる可能性大ですので、お気を付けくださいね!
待てど暮らせど一向に“売り切れ”という日を迎えられないシチリアのイル チェンソがペッリコーネで造る赤、ニューロ2013年…。在庫的にもあと100本ほどとなりましたし、味わい的にも晴れやかな状態になるまであと数歩のところまでは来ているような…。
弊社在庫的にも複数ヴィンテージが控えているという事もありますし、次ヴィンテージである2014年は、本当にステキなワインなので、早く皆さんに飲んでいただきたいと考えまして、今回リリースすることにしました!2014年は、シチリア島的には素晴らしい天候に恵まれた年。ご多分に漏れず、ニューロ2014年も非常に濃密な果実を搭載しているのですが、絶妙な量(狙ってこうなったわけではないと思いますが…)の揮発酸もありまして、野暮ったさとは無縁の、濃いのに圧倒的な飲み心地を備えたワインとなっています。ビックリするほど大量に在庫がある(恥ずかしくて、正確な本数を皆さんにお伝えできないほどの…)ので、ガツンガツンお使いくださいませ!
大人気の“黄金色のカタラット”という名のカタラット ドラートで造られる白、プラルアールの新ヴィンテージ2017年は現在船旅の最中で、7月にご案内できると思いますので、こちらもお楽しみに!
オータ認定(非公式)ワイン世界遺産なワイナリー、デ バルトリからは、新しいマルサーラのリリースと既に販売中のマルサーラの価格改定のお知らせです!
デ バルトリとしては、最も短い熟成期間でリリースさせるマルサーラのヴィーニャラ ミッチャですが、今回入荷分からヴィンテージが表記されております!ソレラ方式を採用し、複数ヴィンテージを混ぜることもあるマルサーラの場合、ラベルに表記されているヴィンテージは、酒精強化をした年を指しています。故マルコが仕込んだマルサーラ1987年やマルサーラ ヴェルジネ1988年などは、若いヴェッキオサンペーリに酒精強化を施したのが1987年ないし1988年だったわけですが、近年は醗酵中のワインに酒精強化をすることにし、「酒精強化する年=ブドウの収穫年」となったため、今後リリースするマルサーラには全てヴィンテージ表記がある状態に。
今回入荷したヴィーニャ ラ ミッチャ2016年は、ウイヤージュをしながら4年の樽熟成を施したワインになります。
マルサーラ オーロ スーペリオーレ2004年の前身であるマルサーラ10アンニと、マルサーラ ヴェルジネ1988年(傑作!)は、いよいよ最終入荷分のご紹介となりました。購入時の蔵出し価格が上がったため、弊社的にも値上げを余儀なくされましたことをご了承ください。もう1つの傑作、マルサーラ1987年も在庫僅かとなっておりますので、こちらも是非!
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。
文:太田久人
168 216 237 262 281 290 nuovo21.6.8
【新入荷】2022年6月その1(Davide Spillare,Maison Maurice Cretaz,Le Boncie,De Fermo,Nicolini,La Calabretta,Stefano Legnani,Stefano Berti,Cantina Giardino,De Bartoli,La Visciola) 【新入荷】2022年5月その1(Casa Coste Piane,Fonterenza,Radikon,Gravner,Il Cavallino,Ezio Cerruti,Nicolini,Bressan,Cantina Giardino,Le Boncie,Arianna Occhipinti,La Calabretta,De Fermo,Lasserra) 【新入荷】2022年3月その1(A Maccia,Alberto Anguissola,Borgatta,Casa Coste Piane,Il Colle,Cantina Giardino,De bartoli) 【新入荷】2021年12月その1(La Castellada,Cantina Giardino,Cascina Roccalini,La Biancara,La Visciola,Nicolini) ヴィナイオータ かわら版 ~森田編 その一~