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2021-06-17

ヴィナイオータ かわら版 ~酒井編 その二~

皆さん、こんにちは!若干2名の農業部メンバー 酒井かえでです。前回のかわら版からもう1年も経ったのか・・と思いを馳せつつ、今年のゴールデンウィークも無事に田植えを終えることができました。昨年にくらべて、ヴィナイオータの田んぼは作付面積が約5倍(!)に増えたものの、新しく導入された「さなえちゃん(田植機)」が、見る者を圧倒するようなスピードで田植えをざくざくすすめてくれました。笑

カルシア2017年 (Cristiano Guttarolo)

さて、今回酒井がご紹介するのは、イタリア南部のプーリア州 クリスティアーノ グッタローロのカルシアです。歴代社員きってのグッタローロ好きで知られる荒間(3月退社時にもミロをまとめ買い)から教えてもらい、入社してから彼らのワインを色々と飲み始めました。

開けたてはパッキリとした硬質感のあるドライな印象ですが、少し経ってくるとコーヒーのような果実感を含んだ芳香がほのかに漂ってきます。言葉では説明できないのがもどかしいですが、何度も深く肺まで吸い込みたくなる香りってありますよね。病み付きになるような。たしかに感じる若干の苦味と、舌に残る綺麗な酸が気持ちよく、気づいたら「美味いなぁ・・」とつぶやいてふと我に返る。

開いてくると穏やかな表情の変化も見せてくれ、2017年ということもあって液体は満ち満ちており、どこか大好きなニコリーニのワインが頭をよぎります。それもそのはず、大半の市町村が海抜100m以下に位置するプーリア州ですが、グッタローロの畑があるジョイア デル コッレは海抜400mの石灰岩台地の上にあるのです。朝晩の大幅な気温差があり、かつよく風の通るムルジャ地方のカルスト台地。だから、ニコリーニのカルソの石灰岩を思わせるミネラル感が、ジョイア デル コッレの地勢からもたしかに生まれているのですね。

カルシアは土着品種であるヴェルデーカという小ぶりな白ブドウ100%で造るワインであり、モストだけでステンレスタンク醗酵&熟成されています。イタリア語のCarsoはカルストを意味し、カルシアというその名の通り、ブドウの木の根が地中からぐっと吸い上げた石灰岩の土壌の味わいが溢れんばかりにみなぎっています。

グッタローロは2004年に祖父から受け継いだ1haの畑でワイナリーとしての活動をスタート。外向けにはオーガニック認証を取っているものの、施肥も行なっておらず、あくまで畑やワイナリーでも自然の循環を尊重することを大事にしています。野生酵母による醗酵、一切の濾過清澄作業も行わず、酸化防止剤完全無添加でボトリング。

これから来る夏に向けて、白身魚とケッパーなんて合いそうだなと思いながら、朝からアリアンナのケッパーの塩漬けをアテに試飲しています。塩分過多お構いなしではありますが、妖艶な花を思わせるような、幾度も嗅ぎたくなる香りでいうと、個人的にはケッパーやコーヒーにはどこか通じるものを感じております。ぜひ皆さんお試しください。

造り手の説明はこちらもあわせてどうぞ

【新入荷】2019年4月 その3(Cristiano Guttarolo、La Biancara)

<<酒井の飲んでもらいたいワイン紹介>>
銘柄:カルシア2017
造り手:クリスティアーノ グッタローロ
地域:伊 プーリア州
ブドウ:ヴェルデーカ
希望小売価格:3800円(税抜)

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