toggle
2018-05-11

ヴィナイオータかわら版 ~ 岸本編 ~

スタッフの “ 飲んでもらいたい ” ワイン紹介!!
岸本(関西支部長)編

U Neigru 2014(ウ ネイグル / ポッサ)

私、ラーメンライスといえば、、そう、ヴィナイオータの岸本です。

世界遺産チンクエテッレの一つ「リオマッジョーレ」のワイナリー、ポッサ
リグーリア州に位置するリオマッジョーレは5つの街からなるチンクエテッレの中では東南端で、パルマやフィレンツェから車で2時間で行ける(160kmほど)、意外と便利なリゾート地です。僕もサービスマン時代、「チンクエテッレのワインってなんか高いねん!」って思ってました、、でも彼らの畑ってマジでとんでもないんですよ!是非写真見てみてくださいね!こんな収穫したことあります??

なんでこんなとこに畑を作らなければいけなかったのか、、話は1,000年前まで遡ります。
それまで山間に住んでいた人々が新たな土地を目指して海の方に出てきて5つの村に分かれて村を作ったことがチンクエテッレの原型であり、最初から港として大きくなったわけではなく農業がメインの村でした。そして農作物を輸送しようと思うと近隣の村だとしても陸路ではなく海路の方が利便性が高かったため徐々に港として発展していきます。その後、ジェノヴァ領となり要塞都市としてリグーリア海を守る上での重要な位置付けとなりました。平地がほとんどなく、痩せた土壌であるチンクエテッレで暮らしていくために、急斜面の岩盤を砕いた際に出る砂を畑にし、大きなものは石垣にするという、、、僕もチンクエテッレの開拓の様子を収めた動画を見たことがありますが、山の上から綱を頼りに消防隊員のように次々と降りてきて、岩盤を手作業で砕いていました。亡くなった人も多かったでしょうし、文字通り命懸けで作られた畑であったことを知り恐れおののいた覚えがあります。

バローロの巨匠の1人エリオ アルターレがチンクエテッレに畑を持っていることをご存じでしょうか?手入れが大変すぎて耕作放棄されることが多いチンクエテッレの畑先人たちが命懸けで作ったこの畑を失ってはいけないと強い覚悟を持って後進の育成にも力を入れています。父親がチンクエテッレ国立公園の会長を勤めていることもあって若い時から意識の高かったサムエーレ ハイディは、アルターレとも親交があり、チンクエテッレの伝統と美しい景観を守るため2004年から自分のワイナリーを始めました。それから14年の月日が流れましたが、生産性、作業効率の悪さに加えて、石垣の修繕費が尋常じゃない彼の畑ではワインだけでなく、ハチミツなど複合的な農業を模索しています。

そんなポッサのワインの中でも僕がお気に入りのワインをご紹介します。
それは「ウ ネイグル2014」!!皆さん、飲んだことないですよね(笑)?
ブドウ品種はボナミーコ50%にカナイオーロ50%!

ボナミーコは「良い友人」という意味の品種で、トスカーナが原産と考えられています。品種としては素朴でちょっと個性的で色は薄め、地元ではテーブルワインに混ぜられることが多いのですが、この辺りの地域のワインを飲まない人には全く馴染みがないかと。対してカナイオーロはキャンティの補助品種として知られていますね。ほとんど単独でボトリングされない品種なので、味のイメージが湧かないと思いますが、熟成すると非常に滑らかですが、若いときはあまりインパクトがなくさっぱりしてます。

ヘクタール当り8,000本と高密植された2つの品種、樹齢45年というから驚きです。
収穫後軽くプレスしてから5日間のマセレーションとアルコール醗酵、圧搾後使い古しの栗か樫のバリックにてシュールリー状態で約9か月間醗酵と熟成を行います。年間1,900本瓶詰め。

なんというか淡いワインです。でも非常に味わい深く、可愛らしさも忘れない。。
価格は全然安くないのですが、これと同じようなワインを探してこいと言われたら結構悩むと思います。チンクエテッレという土地、サムエーレの人柄が個性となって感じられるワインだと思います。全然売れてないので、実は2015年、2016年も入ってきてます(笑)。

<<岸本の飲んでもらいたいワイン>>
銘柄:U Neigru 2014 ウ ネイグル2014
造り手:Possa ポッサ
地域:伊 リグーリア州
希望小売価格:¥4,200(税抜)

関連記事