ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】ラーチノ
①セミナー動画 (質問コーナー|02:30~)
ヴィナイオッティマーナ2022 P6 DAY1に行われたセミナーの様子です。今回来日したのはラーチノより、当主ディーノです。
彼らは南イタリア カラーブリア州、サンマルコ アルジェンターノでワインを造っています。
②造り手紹介 (00:40~)
ラーチノの造り手紹介、詳しくはこちらから。
③造り手への質問と回答
Q1.ワインの種類が年々増えてますが、新しいワインを出す際にこれといった決め手になるものはありますか?また、ワインの種類が増えているということは、栽培面積が増えていることになりますが、従業員も増えたりしているのでしょうか?(02:30~)
A1. 近年、酷暑の年が続いていますが、深く大地に根差した樹齢の高い葡萄樹は酷暑においても生きていけるため、今後のリスクヘッジとして最近は樹齢の古い区画(50-60年)を買い足しています。
こういった畑は密植されているため、トラクターも入ることが出来ず、作業効率が悪い為、買い手がつかないことが多く、自分が購入しています。
また、カラーブリアには1/3haの畑が多いですが、これは1/3haの畑から2-2.5トンほどの葡萄が収穫でき、それを昔の人は半分自家消費し、もう半分を売ることで生活していた為です。
カラーブリアでは数十年前まで、農家がオリーブや野菜、葡萄を一つの畑で栽培することが多く、自分たちが食べる分は自分で育て、余剰分を販売するということが当たり前でした。
最近購入した3haほどの畑に樹齢4年のサンジョヴェーゼと樹齢10年のモンテプルチャーノが植わっていますが、このサンジョヴェーゼには少しずつグアルナッチャビアンカを接ぎ木する予定です。
黒ブドウ品種に白ブドウ品種を接ぎ木するのは樹齢が若くないとできないようですが、この樹齢であれば可能だと考えています。
こういった理由で畑の中でのブドウ品種構成が変わることもあるので、新しいワインとしてリリースすることが多くなっています。
Q2.エチケットのデザインやワイン名の着想のきっかけ・採用しようという考えに至るタイミングについてお伺いしたいです。(16:35~)
A2. 自分自身そのグラフィックや絵画、漫画の表現方法が好きなのもあり、自分が持つイメージをデザイナーに描き起こして貰っています。
特にデザインやワインの名前の中にメッセージを詰めることを大切にしており、ラーリオ デル アージノの場合はエチケットに可愛いロバの絵を使っていますが、これはロバが持つ、ある種貧しさや農民の象徴としての意味を持たせています。
Q3.郷土を表現する手段の一つとして葡萄栽培やワイン醸造をされていると思いますが、今後はどんなヴィジョンでやっていくのでしょうか?また、葡萄栽培等以外では何かやっていたりしますか?(19:40~)
A3. 農業に携わる限り、やりたいことがすぐ実現できることは少ないです。
その為、常に長期的なビジョンを持っていなければ、何かを実現することはできませんが、一つ思いつくことがあるとしたらシードルを作ることです。
ただ、シードルといってもリンゴではなく 洋梨のシードル(ポワール)です。
カラーブリアはこれまでいろんな人種に統治、征服されてきた歴史から、葡萄畑の中にもポツポツと洋梨の木が植わっています。
1000年程前には洋梨でシードルを造っていた歴史もあるようですので、この歴史を復活させるというのも楽しそうだと考えています。
④まとめ
以前来日した際にも感じましたが、今回も彼の言葉の節々からは自らの生まれ育った土地に対しての誇りが、びしびしと感じられました。
大らかで明るい印象のワインとは裏腹に、土地への誇りや高い知性を感じさせるディーノ。このギャップ良いですよね。。。(担当:水野)
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