【新入荷】2013年8月 (Bartolo Mascarello、Trinchero、Massa Vecchia、Paolo Bea、Arianna Occhipinti、De Bartoli)
日頃より格別のご愛顧をいただきありがとうございます。
7月は京都での完熟キャバレーに始まり、デ バルトリ社のレナートとの4日間で東北3都市+東京での6仕事(試飲会&セミナー2回、食事会4回)、レナートが故国の途についた日には、お客様のところで敬愛する竹鶴酒造の石川杜氏とのイベント(しかもダブルヘッダー!)がありました…。
ここまで消耗したのは久しぶりです(笑)。とはいえ、ボーペイサージュの岡本さんや竹鶴の石川さんなどと一緒にイベントに参加できるということ、そして僕自身は自らの手でお酒を醸しているわけではないにも関わらず彼らと同じ舞台に立たせていただけること、そしてご両人にとってお酒観の転機となるワインが奇しくもヴォドピーヴェッツのワインであったことなど…本当に光栄なことだなぁとしみじみ。
最近、やるべきことも考えるべきことも常に自分のキャパオーバーの状態で、精神的にはかなり追い詰められているような気がして結構大変なのですが、“より言葉(唯一の手持ちの武器)に魂を!”と心がけるようになってから、いろいろな形で皆さんからの“報い(ポジティブな、です!)”もたくさん頂いているような気もしておりまして、頂いちゃってそのままもなんですし、お礼がてら的にさらに魂を、するとまた沢山いただき物をしちゃって…という“正の連鎖”の渦中真っ只中な気分のオータです。
これまた敬愛するピアニスト、上原ひろみちゃんほどではないにしても、渦(グルーヴ)を多少なりとも生み出せているとするなら、ヴィナイオータは幸せです!生きる(Live、動詞の)って、まさにライブ!なんですよね!!
ではでは8月の新入荷(第1弾?)のお知らせです!今回も暑苦し過ぎる内容です!!限定ワインも多数ございますので、お見逃しなきよう、よろしくお願いいたします!!!
シチリアの生ける伝説、デ バルトリのワインが再入荷です!
先日の来日時も、当主レナートの「俺を最大限こき使ってくれ」という有難い言葉に従い、4泊で4回の食事会という殺人的なスケジュールをこなしましたが、参加された方にはド酸化しているワインが圧倒的なインパクト&余韻を持ち合わせながらも、お料理に対して過剰な自己主張もせずにフィットすることを認識して頂けたと思います。
どのマルサーラワインよりもマルサーラという土地を体現しているにもかかわらず、マルサーラを名乗れないワイン、ヴェッキオ サンペーリ…食前にドライシェリーの代わりに、そして食中酒としても問題なくて、甘いものもしくはハードリカーの代わりに食後酒として…。
僕たちの創造性、想像力を阻害する最大の敵は、自身の先入観、固定概念であるということ、料理とワインの相性などというと、方程式のようなものがあると考えられている方も多いような気がするのですが、決してそうではないこと…。
200年以上前の、イギリス人が訪れる前のマルサーラという土地の文化・伝統をワインで伝えようとしていて(志を同じくする造り手は皆無の中)、デ バルトリというワイナリーを立ち上げてからもすでに30年以上の年月が経っているにもかかわらず当主レナートは、「何も成し遂げていないし、(伝えるという事に関して)全然何もできていないし、まだやらなければいけないことも沢山ある。(酸化熟成ワインに対するネガティブなイメージを払しょくするためにも)ヒサトが企画するような食事会を頻繁にやっていかないと!」と言っていました。
守るためには戦わなければいけないのだという事を彼と過ごす4日で再確認させてもらいました。
次回来日時は西&南の方で食事会を企画します!そしてできる事ならレナートでなく、妹のジュゼッピーナちゃん(本当に可愛いんです)に来てもらって、大々的な販促を行いたいなと!!(笑)と前置きが長くなりました…。
前回入荷のワインが一通り入りまして、一部はヴィンテージが新しくなっています。今回は入荷数180本以下のものを全て限定ワインとさせていただきます。特にトレンテンナーレはお買い逃しなきよう!ワイナリーにあと何本在庫があるのかと聞いたところ、150本という答えが返ってきたので、「じゃあ全部!」とオーダーしたのですが、「親父の最後の作品だし、うちにも50本位取っとかなきゃいけないから100本で許して!」と言われてしまいまして、オータ家としても4-50本は末代の為に取って置きたいという事情も加味しまして、50本のみの販売とします。
1860は今回18本のみの入荷ですが、次回も何十本か買います!!
新顔のワインといたしましては、ラテン語で「完全な」、「正直な」、「損なわれてない」を意味する、インテジェルという名前を冠したグリッロとズィビッボ、マルサーラ周辺で唯一と言っても良い土着赤品種ピニャテッロで造るザク飲み赤、ロッソ ディ マルコ(ラベルには故マルコが最初に買った車、アルファロメオのスパイダー62が描かれています)、そして前回は25年物のリゼルヴァしか買わなかったマルサーラも今回は下のクラスの2つ、ヴィーニャ ラ ミッチャとリゼルヴァ10年も入荷しております。
インテジェルは、2006年レナートが来日した際、某日本人(僕です!)からフリウリの皮ごと醗酵させた白ワインを沢山飲まされたことから着想を得たワインで、温度管理をせずに皮ごとの醗酵、酸化防止剤完全無添加、ノンフィルターでボトリングされています。
ヴィーニャ ラ ミッチャは“現代的解釈”を加えたマルサーラで、通常の彼らのマルサーラ、ヴェッキオサンペーリ用よりは熟度的に早い段階で収穫したブドウを、温度管理をしながら醗酵させ、樽で最低でも4年間熟成させた、果実味と酸化的熟成を融合させたワインです。
同じくシチリアからは、今やイタリア自然派ワイン界(?)のアイコンとなってしまった感のあるワイルドビューティ、アリアンナ オッキピンティのワインも届いています!!前回は240本しか入らず、瞬殺してしまいましたSP68ビアンコですが、今回は600本入荷しています。とはいえ、初回のご注文分だけで終わってしまう事が予想されますので、念のため限定とさせていただきます。
忙し過ぎて女性と遊ぶ暇がない!(ちょっと忙しいくらいなら女性を優先しかねない…)と嘆くことしきりなアスティのプレイボーイ、エツィオ トリンケーロからは、グリニョリーノ11年、アユート!ビアンコ10年と、待ちに待ちました、ヴィーニャ デル ノーチェのグラッパが入荷です!
05以降どんどん凄味を増しているグリニョリーノですが、11年はブドウの品質、彼の醸造技術(タイミングを読む力、とでも言い換えた方が良いかもしれません)が高いレベルで融合した最高傑作とでもいえるワインかと。めっちゃくちゃ美味しいです!
アユート!ビアンコですが、衝撃の透明ボトルでのリリースです!笑えます!!もうどんな色なのか説明する必要ありません!!!生産量のほとんどを買う約束しまして、少々お安くしてもらいました!
そしてっ、ヴィーニャ デル ノーチェのグラッパも諸問題をクリアしてようやく入ってきました!ノーチェのグラッパに関しては、ひじょおおおおに面白いエピソードがあるんです。今はロヴェーロという名前の蒸留所(ワイナリーもやっています)に委託していて、トリンケーロが望むような方法で蒸留、熟成がなされているのですが、最初にグラッパを造ろうと考えた時、恐らく10年以上前の話だと思うのですが、蒸留所に関する知識・情報を持っていなかったエツィオ、当時全イタリア的に話題になっていた某蒸留所(今や超有名、イニシャル出したら絶対ばれちゃいます)にノーチェのヴィナッチャを送り蒸留してもらう事にしました。とある日、その蒸留所からグラッパが出来上がったという知らせを受け、試飲しに行ってみると彼を待っていたのは琥珀色のグラッパ…頼んでもいないのにキャラメルを添加して樽で熟成させていたんです。
「俺のノーチェのヴィナッチャに勝手に化粧しやがってぇ!」のエツィオに対して、「え、今はこういうグラッパが受けているんだよ」と某蒸留所、結局エツィオはそのグラッパを引き取りませんでしたとさ。
つい先日、ウンブリアのパオロ ベアから、2013年の生産量がゼロ(!!)という衝撃の知らせが。寒い春、2回の雹、高すぎる湿度により蔓延したベト病&うどんこ病…。
「自然相手なわけだから起こり得る話だし、そんな中でも俺たちの人生は続くし…。ま、こんなこともあろうかと思って、ワインにしっかり利益乗っけてるから大丈夫(嘘!!)!」という気丈なメッセージをもらっていますが、悲し過ぎる…。
というわけで皆さん、2013年のブドウの弔いにというわけではありませんが、ベアのワインを沢山飲みましょう!
ラディコン達との交流を機に格段に飲み心地の増した白、サンタ キアーラは10年、官能的な香り&味わいで僕たちを惹きつけてやまないトレッビアーノ スポレティーノで造るアルボレウス09、元ロッソ ディ モンテファルコのサン ヴァレンティーノ07、ワイナリー近くのモンテファルコで最も標高が高いのでは?という場所に作った畑のまだ樹齢の若いサグランティーノで造ったロッソ デ ヴェオ06(今後は、ベアがこれは!と思う年にはサグランティーノDOCGのリゼルヴァとしてリリースされる予定。07がまさにそれなのですが、その美味しさたるや…。)、何気に僕的に一番思い入れのあるロッソ リゼルヴァの06、そしてサグランティーノ06に加えて久し振りにサグランティーノ パッシートの06も入っていまして、こちらも素敵!白2種は限定とさせていただきます。
The Classic!バルトロ マスカレッロからは、バルベーラ10、フレイザ11、ドルチェット11が届いています。どのワインもごく少量の入荷ですので限定ワインとさせていただきます。
みんな大好き、マッサヴェッキアのラ クエルチョーラ09が終売となりました!つきましては、つ、い、に、リリースさせちゃいますよ05を!!!4年以上弊社倉庫で眠ってていただいたわけですが、その甲斐はあったような気が…。
醸造学的にはネガティブに捉えられる雰囲気がありながらも、それがこのワインに神経、テンション、魅力を与えていたりもして…もしかしたら万人受けはしないかもしれませんが、ハマる人にはたまらないワインだと思います。
愛息の生まれ年ですので、結構たくさん取って置きたく、1200本のみの販売とさせていただきます(何本取って置くのかは、秘密です!)。
全イタリア的に2005年は雨が多かった年で、親しみやすいワインは多いのですが、長い命が約束されている尊大な雰囲気を漂わせたワインが少ない中、クエルチョーラの05はこのヴィンテージを代表する偉大なワインだと思っています。是非お試しくださいね!
文:太田久人
92 nuovo13.08.01
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