1年以上に渡った懸案事項が、先日ようやく解決しました。僕自身が想像していた以上に、未解決であることが心に重くのしかかっていたようで決戦(?)前日、準備できることは準備しきったと思った瞬間に10日後のイタリア行のチケットを買っていました(笑)。今回は、ラツィオ-アブルッツォ-カンパーニア-カラーブリア-プーリア-フリウリ(とスロヴェニア)-シチリア-パンテッレリーアと鬼のような移動距離の旅となります。シチリアとパンテッレリーアは3年ぶりですので、しっかりとアップデートしてきたいと思います!
ワインの起源(起源シリーズについてはこちら→◉)について書くつもりだったのですが、24時間後には機上の人となるという事と、今回は紹介しなければいけないワインがわんさとあるという事もあり、次回以降とさせていただくことにしました…。それでは行きま~す!!
ヴィナイオータがグラヴネルと取引するようになって良かったなぁと思う事のうちのひとつに、ヨスコが長らく疎遠だった他の造り手たちと交流するようになったことがあります。
僕がフリウリに行った際には、ラディコン、カステッラーダ、パオロ ヴォドピーヴェッツ、ムレチニック、ダーリオ プリンチッチ、ブレッサンが集う食事会が必ず催されるのですが、2018年の春、その食事会の前日にダーリオを訪問した際、「もしも俺がヨスコを連れてこられたのなら…ヒサト、分かってんだろうな?日本に行った時には、ピーコ1999を1本、いやマグナムを1本飲ませてくれよな。」とダーリオ。
ヨスコの内向的な性格を考えても、ちょっと難しいかなと思っていたのですが、ダーリオはヨスコを誘い出すことに成功、パオロとヨスコはなんと19年ぶり(!)に食卓を囲むという…。偉いぞダーリオ!賭けに負けて、これほど嬉しかった事は過去にもないかもしれません。
帰り際ヨスコから、「どの造り手のワインも、生き生きとした素晴らしいものだった。またこういう場に参加できる機会を作ってくれたヒサトには本当に感謝しているよ。」と言われた時はちょっとグッときました。
ヨスコとパオロ、造り出すワインは似ても似つかないですが、彼ら2人ほどストイックで終始一貫した(ナチュラル)ワイン観、(ナチュラル)ワイン道を貫いている造り手はいない気がします。何点か象徴的なところを列挙しますと、
・自然環境に敬意を払った農業を心掛け、セラーではヒトのエゴを捨て、ブドウ、ワイン、酵母たちの声に耳を傾けるような醸造を心掛け、それらが居心地の良い環境を創出することに心を砕く。
・醗酵&熟成には、ナチュラルなマテリアルでありステンレスのように帯電しやすい(=容器内の液体が電子レベルで暴れやすくなる)素材ではないアンフォラと木樽のみを使用。
・ナチュラルなワインを実現するために、石油化学エネルギーなどに代表される、環境に負荷を与えるものに極端に依存していては本末転倒、必要最小限のエネルギーで醸造からボトリングまでを行う(カーゼコリーニのロレンツォ博士が言うところのカーボンフットプリント)。両人のセラーとも地下にあり、空調などが必要のない環境で、床も壁もコンクリートで囲っていないため、空気は常に対流し、調湿の必要もない。ヨスコのセラーの醸造設備で電力を使用するものは、今やプレス機、ポンプ、ボトリング機のみで(2017年から除梗をせずに全房醗酵を実践)、恐らくパオロはこれに除梗機が加わる程度かと…。
そんなグラヴネルのリボッラ07が終売、そしてビアンコ ブレグ07もあと100本ほどで終売というところまで来ましたので、両ワインの2008年ヴィンテージをリリースします!!そしてリボッラ ルンク03が再入荷、ピノグリージョ07と最良の年にしか造られないルイーノ03も一緒に届いております!
リボッラ ルンク03は、このヴィンテージを最後に抜いてしまった古樹のリボッラで、今現在ヨスコが白ワインに採用している醸造&熟成(アンフォラで皮ごと5ヶ月、圧搾後のワインを更にアンフォラで5ヶ月、大樽で6年)方法で初めて造られたワインで、マグナムのみにボトリング。今回も90本のみの入荷になります。
ピノグリージョ07も他の白同様の醸造方法で造られています。180本入荷。
ルイーノは、メルロー100%で造られる、ロッソ グラヴネルのリゼルヴァ的位置づけのワイン。5週間の木製開放式醗酵槽での醸し醗酵の後、大樽で7年熟成、ボトルでも最低7年寝かせてからリリースされるワインになります。240本入荷。
今回リリースしますビアンコ ブレグ&リボッラ08の興味深い点を1つ。2008年は雨がちな年と言えると思うのですが、太陽に恵まれ過ぎるくらい恵まれた酷暑の年だった2007年のワインよりもアルコール度数が高いんです…。なぜこのような逆転現象が起こるのか???それは……貴腐!
あけっぴろげで肉感的セクシーさを持ち合わせた07と、造り手同様に(笑)内向的でクールなキャラのようでいて身体の中には熱いものがたぎっている08…ビアンコは両ヴィンテージともご用意できますので、是非一度飲み比べてみてください!
2007年ヴィンテージは2度の大量入荷がありましたが、2008年は今回入荷分が最初で最後となります。もちろん大量入荷ではありますので、すぐになくなるという事は絶対にありませんが(笑)。
あ、名前が出たので宣伝しちゃいますが、努力する天才ヴォドピーヴェッツのヴィトフスカ2012も残り600本ほどとなりました!ここからは動きが速いことが予想されます。しっかりと寝かせる用のご購入もお忘れなく!!
先日パーチナのキャンティ07(現パーチナ)を飲みましたが、本当にステキなワインでした…。もともとの気質が外向的だからか、5-6年寝かせるだけでもビックリするほど色彩豊かな表情を見せるワインです。価格的にもそれほど重くありませんので、是非是非少し多めに取って置いて、熟成させることをおススメします!そんなパーチナから、チェッレティーナ2016の2回目ボトリングVer.とカナイオーロ2017、そしてファッロ、ひよこ豆、レンズ豆と2018年産のオイルが届きました!
絶賛販売中のワイン共々よろしくお願いします!
内容良し、価格最高なブルネッロを造るイル コッレからは、ブルネッロ2012の最終在庫700本と売る機会を逸してしまっていたロッソ ディ モンタルチーノ2015が再入荷です!例年でしたら、ロッソ2017が届く時期なのですが、当主カテリーナはワインの酒質の強さから時期尚早と判断、ボトリングを延期することにしたそうです(→ヒトの都合よりもワインの都合に如何に合わせられるか…ヨスコのところで書いたことにも通じる話かと…)。ロッソ2015は1200本の入荷、長持ちして2-3か月といったところかと!
みんな大好きマッサヴェッキア(以下MV)からは、再入荷ものも含め雀の涙ほどの本数のワインが届いております。2009年ヴィンテージから完全に任される形で、ファブリーツィオから長女フランチェスカへと、オータ的には奇跡的にして理想的な代替わりを果たしていたMVですが、今年の2月にフランチェスカ&ステーファノ夫妻がMVから抜け、長男ヴァスコと末娘トスカが継ぎ、先代ファブリーツィオも戻ってくることに…。ファブリーツィオが戻ってくること自体は喜ばしい事なのですが、家族間でなんらかの意見の相違があり一緒にやっていけないという事になったのだとしたら、非常に残念な気も…。
真相は10月に訪問した時に聞いてきたいと思います!
今回入荷したワインですが以下の通りとなります。
○アリエント2016:ヴェルメンティーノ。2015年ほどではありませんが、ヴェルメンティーノとは思えないほどにアロマティックで、比較的早い段階から楽しめるヴィンテージです。180本入荷。
●バトーネ2016:最強カジュアルワイン。180本が再入荷です。
●ベラーチェ2016:標高400mに位置するフォルナーチェのサンジョヴェーゼ80%と標高の低いベルッツォのマルヴァジーア ネーラ20%。480本。
●パッシート2015:例年以上に天日干しの度合いを強くし、結果としてアルコール度数が10%未満となってしまったヴィンテージ。150本が再々入荷です!このパッシート2015、生産量の半分くらいを弊社が買っているような…。他のワインも同じくらいの割合で出して!と次回お願いしてみます!
エミリア ロマーニャのフォリチェッロからは、ボローニャ近辺の方言で“たくさんのブドウ”を意味する、モントゥーニで造るナチュラルフリッザンテ、ボンベンの2016年(ラベル上にはヴィンテージ表記なし)が届きました!ビン内2次醗酵、澱引きなし、醸造過程のいかなる場面でも酸化防止剤無添加なのですが、ネガティブな要素の一切ないワインです。是非!
同じくエミリア ロマーニャにあるラ コッリーナ協同組合からは、本当に裏漉ししただけなの?と言いたくなるほどの濃度のパッサータ ディ ポモドーロが届きました!美味しいオイルがあれば、もうそれだけで絶品トマトソースの出来上がりです!ぜひいいいい!
*ブログ掲載時には既に完売している場合がございます。予めご了承ください。
文:太田久人
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