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2019-09-18

【新入荷】2019年9月 その3(Il Cancelliere、Daniele Portinari)

トリエステからカターニアへと向かう機中です!13日間で20軒を訪問しまして、これから3年ぶりでシチリア本島とパンテッレリーアをまわります。

造り手と僕がワインについて話す際、醸造に関するテクニカルな話は全くと言って良いほどせず、いつも農業、環境、ブドウ樹(苗)などの話に終始し、話題は徐々にワイン観やナチュラルワインを取り巻く環境といった方向になっていくことが多い気がします。余談にはなりますが、「グルグル ワイン」、「ペットナット」というキーワードをこの旅の間に造り手から何度聞いたことか…(笑)。

ふとしたタイミングに造り手たちと繰り広げている会話を俯瞰してみた時、オータの今現在の人生観やものの見方は、ワインとそれを醸す造り手たちによって形成されてきたんだなぁと改めて気がつかされました。食が細くなったり、老眼っぽくなってきていたりするのは少し腹立たしい(笑)ですが、それでも若い頃に戻りたいという気持ちが全く湧いてこないのは、今の自分をまんざらでもないと思えているということなのかと。あ、一応念を押しますが、「俺、偉い!」とか「俺、凄い!」などと思っている訳ではなく、「昨日(過去)よりはマシになった…かな?」程度の話です。いかんせん、本気で打ち込めることを見つけられず、真剣に考えたり向き合ったりすることもなく生きてきた期間が長かったもので…。そんなオータが、ワインや造り手たちからインスパイアされることで言語化できるところにまで至った自身の考えを造り手たちに表明することで、彼らに新たな視点をもたらしたり、彼らのことを勇気づけられたりできていると感じられた時は、多少なりともお返しができているような気がして、とても嬉しくなります。もっとも、若い造り手たちからしてみたら、キレるポイントがいまいち読みづらい、口うるさいオッサンなのかもしれませんが…(笑)。

今回の訪問の際、「人が、一生の中で食べて良いとされているペペロンチーノの量は100kgと決められていて、俺はそれを大幅に超えてしまったから、控えることにしたんだ。」という謎の名言を残してくれたソッコルソ爺と元気で明るく猛烈に働く娘リータ率いるイル カンチェッリエーレから久しぶりにワインが届きました!

アリアーニコIGTジョヴィアーノは、2014年ヴィンテージが再入荷です。2014年は、この地域も雨が非常に多く、ブドウも例年ほどの凝縮度に達しなかったため、一般的には”良くないヴィンテージ”という認識があるのだと思います。このヴィンテージのワインの売れ行きからもその”風評”を感じた彼らは、次ヴィンテージが準備できた段階で2014年の販売をやめてしまったそうです。もちろん普段ほどのテンションはありませんが、今飲む上では最高のワインたちだとオータは思っていましたので、全量仕入れてきました。この値段でこのお味…文句無さ過ぎかと!タウラージは、2012年を買い逃してしまいまして(涙)、2013年が入荷です。どちらかというと男性的な(筋肉質な)強さを見出すことが多い彼らのタウラージですが、2013年には女性的な強さ(芯の強さ)があるように思います。濃度もそこそこにあるはずなのに、恐ろしい飲み心地のワインです。そしてタウラージ リゼルヴァは2011年が!力のあるお料理と楽しんでいただきたいです!!

一見地味ですが、よくよく飲んでみると不思議な深みがある事にふと気づいちゃったりするワインを醸す、ダニエーレ ポルティナーリピエトロビアンコ2017が入荷です!2016年は、入荷後もなかなか心を許してくれなかった気難しい子でした(終売する頃に心を開いてくれるという…)が、2017年は非常に明るくハキハキした雰囲気のあるワインです。造り手救済のために大量購入したナンニ2014もようやく終売というゴールが見えるところまで来ています!薄いですが、中身はしっかりしたワインです。まさにヴィナイオータ的グルグルワイン!!入荷当初から絶好調なタイロッソ2014共々よろしくお願いします!

文:太田久人
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